これから普及するインタフェース、MHLの現状MHL 2.0が登場(1/2 ページ)

» 2012年06月13日 19時34分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 Android端末を中心に採用が進むモバイル機器用インタフェース「MHL」(Mobile High-Definition Link)。これまで対応機器はスマートフォンやタブレットが中心だったが、ここへきて国内向けのAV機器にも動きが見え始めた。MHLプロモーターの1社であり、HDMI/MHLコントローラーチップを製造するシリコンイメージジャパンが開催したプレス向け説明会で現状を聞いた。

MHL,LLCのプレジデント、Tim Wong氏とMHL技術的な特長

 MHLは、2010年4月にノキア、サムスン、シリコンイメージ、ソニー、東芝がプロモーターとなってコンソーシアムを設立。2011年の5月に初めての製品が市場に出てからわずか2年間で対応メーカーが136まで増えたという。「スマートフォンやタブレット、テレビ、AVアンプなどに搭載され、2011年は5000万台の対応製品が出荷された。2012年は1億台を超えると見込んでいる」(MHL,LLCのプレジデント、Tim Wong氏)。

 MHLは、スマートフォンなどのモバイル機器をハイビジョンテレビに接続するためのシリアル・リンク技術だ。HDMIに比べて線数が少なく(5芯)、コンパクトなコネクターを実現しながら、非圧縮の1080p/60Hz映像と8ch(7.1ch)音声の伝送やIP通信が可能。さらにHDMI CEC互換のRCPというコマンドコントロールをサポートしているため、テレビやAVアンプのリモコンでモバイル機器を操作できる。HDMIと同様、HDCPのコピープロテクションにも対応した。

HDMIとMHLの違い。接続したモバイル機器に充電できる点が大きく異なる

 「例えばMHLによるメディア共有。スマートフォンで撮影した動画や写真を大画面テレビで視聴できる。スマートフォン向けのゲームも、端末を充電しながら皆で楽しめる。映像を圧縮せずに転送するMHLは、ディレイ(遅延)が少なく、シューティングゲームなどにも適している」。

 もう1つの特長は、テレビやAVアンプなど映像/音声の受け手側からモバイル機器に対し、5ボルト電源を供給できることだ。スマートフォンなどからテレビに映像を伝送しながら、スマホを充電できる。「スマートフォンに特化した仕様の1つが電源の供給。HDMIは、逆に表示デバイスに給電する仕様のため、モバイル機器の充電ができない。USBなら充電は可能だが、映像は伝送できない」。

MHLケーブルの構造(左)。東芝の欧州モデルはMHLをサポートしている(右)

 さらに今年4月には、「MHL 2.0」の仕様がリリースされた。変更点は、電源供給が従来の500mAから900mAへと拡大したこと、RCPでのUnicodeキャラクターのサポート、そして3D映像の伝送に対応したことだ(3Dのフラグに対応)。現在の3Dテレビが対応しているサイド・バイ・サイドやトップ・アンド・ボトム、フレームシーケンシャル(1080p/30Hzまで)といった各種3Dフォーマットに対応できる。

対応機器は増えるのか

 しかし日本では、スマートフォンやタブレット端末を除くとまだ対応機器が少ない。薄型テレビでは、シャープの“AQUOS”のパーソナルサイズモデル「K7シリーズ」やLGエレクトロニクスの「LG Smart TVシリーズ」程度。東芝は欧州・新興国向けの液晶テレビでMHLを採用しているが、国内モデルでの採用例はない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月07日 更新
  1. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  2. UQ mobile「コミコミプランバリュー」にクレカ割を導入したワケ 背景にahamoとY!mobileの“板挟み”も (2026年07月04日)
  3. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【7月5日最新版】 最大1万ポイント還元や新幹線35%オフなど (2026年07月05日)
  4. アップルがMacBook、iPadなどをついに値上げ――値上げを見送ったiPhoneのXデーはいつなのか (2026年07月05日)
  5. エディオンら、携帯契約時に義務違反 総務省が発表 NTTドコモにも行政指導 (2026年07月03日)
  6. 転売屋によるスマホ回線の「短期解約」「ホッピング」 総務省の検討する対策は十分なのか? 店員からの意見 (2026年07月03日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【7月4日最新版】 ポイント20%還元や30倍増額など盛りだくさん (2026年07月04日)
  9. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  10. アメックスが「プラチナ・カード」を刷新、10万円航空券クーポンや高級ホテル特典など ただし“年間500万円”の壁も (2026年07月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー