多様化するディスプレイサイズ ドコモのスマホ戦略に迫る:5インチまではスマートフォン(1/2 ページ)

» 2012年08月21日 17時37分 公開
[小山安博,ITmedia]

 NTTドコモは、2012年夏モデルとして16機種(L-06D JOJO、らくらくスマートフォンを含む)のスマートフォンをラインアップしている。そのディスプレイサイズは、「AQUOS PHONE st SH-07D」の約3.4インチから、「Optimus Vu L-06D」「L-06D JOJO」「ELUGA power P-07D」の約5インチまでと、実にさまざまだ。

 Androidスマートフォンの魅力の1つに、さまざまなディスプレイサイズのデバイスを選択できる点が挙げられるだろう。手の大きさは人それぞれだし、スマートフォンでやりたいことも人それぞれ。端末のディスプレイサイズに選択肢があるということは、自分の目的に合わせたスマートフォンを選ぶことを意味する。こうしたディスプレイサイズの多様性について、ドコモはどのように考え、どういう戦略を描いているのだろうか。担当者に聞いた。

photophoto ドコモの夏モデル「NEXT」シリーズ(GALAXY S III SC-06D、ARROWS X F-10D、REGZA Phone T-02D、AQUOS PHONE ZETA SH-09D、AQUOS PHONE sv SH-10D、Xperia GX SO-04D、ELUGA power P-07D、Optimus Vu L-06D、L-06D JOJO)と「with」シリーズ(MEDIAS X N-07D、Optimus it L-05D、Xperia SX SO-05D、AQUOS PHONE st SH-07D、ELUGA V P-06D、ARROWS Me F-11D、F-09D ANTEPRIMA)

幅広い画面サイズのラインアップ

 ドコモが今夏モデルとして発表した製品の画面サイズは、以下の通りだ。参考として春モデルの「GALAXY Note SC-05D」も加えてある。端末の横幅サイズとディスプレイの解像度はかっこ書きとした。

 ちなみに、ドコモ社内では「ディスプレイが6インチ未満はスマートフォン、6インチ以上はタブレット」という区分けをしている。GALAXY Noteが登場する以前は、5インチ未満のディスプレイであればスマートフォン扱いだったが、その後社内で議論して6インチ未満に設定したそうだ。

ドコモスマートフォンのディスプレイサイズ
ディスプレイサイズ 端末(本体幅、画面解像度)
約3.4インチ AQUOS PHONE st SH-07D(54ミリ、480×854ピクセル)
約3.7インチ Xperia SX SO-05D(54ミリ、540×960ピクセル)
F-09D ANTEPRIMA(59ミリ、480×800ピクセル)
ARROWS Me F-11D(60ミリ、480×800ピクセル)
約4インチ Optimus it L-05D(62ミリ、480×800ピクセル)
ARROWS Me F-12D(64ミリ、480×800ピクセル)
約4.3インチ MEDIAS X N-07D(67ミリ、720×1280ピクセル)
REGZA Phone T-02D(64ミリ、540×960ピクセル)
約4.5インチ AQUOS PHONE sv SH-10D(64ミリ、720×1280ピクセル)
約4.6インチ ELUGA V P-06D(65ミリ、720×1280ピクセル)
ARROWS X F-10D(67ミリ、720×1280ピクセル)
Xperia GX SO-04D(69ミリ、720×1280ピクセル)
約4.8インチ GALAXY S III SC-06D(71ミリ、720×1280ピクセル)
約5インチ Optimus Vu L-06D/L-06D JOJO(90ミリ、768×1024ピクセル)
ELUGA power P-07D(70ミリ、720×1280ピクセル)
約5.3インチ GALAXY Note SC-05D(83ミリ、800×1280ピクセル)※
※SC-05Dは春モデル

 画面サイズのバリエーションは9種類。下は3.4インチから、上は5.3インチまである。すべて、全画面のフルタッチ操作をするモデルだ。ディスプレイのアスペクト比や狭額縁などの理由でボディの横幅も異なっており、54ミリから70ミリまでと幅広い。ちなみに現行のiPhone 4Sは、ディスプレイサイズが3.5インチで横幅は58.6ミリ、解像度は640×960ピクセルだ。

photophoto ドコモの浅井氏(写真=左)と山崎氏(写真=右)

 NTTドコモ プロダクト部プロダクト企画担当課長の浅井真生氏は「ディスプレイサイズも従来のフィーチャーフォンよりも大きくなってきました。新製品が出る度に大画面化する傾向にあります」と話す。その理由はさまざまだが、大きなディスプレイの方がキレイに見えるため、より大きなモデルを好むユーザーが増えているという。

 とはいえ、ドコモはすべてのモデルで大画面化したわけではなく、サイズが小さいものも追加するという道を選んだ。夏モデルの3インチ台は4機種、4インチ台は9機種、5インチが2機種になっており、主流は4インチ台で、4インチ台前半までは「with」シリーズに、4インチ台後半からは「NEXT」シリーズに分類できる。

 こうしたバリエーションは、「1人1人が手に取りやすいラインアップを作るというコンセプト」(NTTドコモ プロダクト部プロダクト企画担当主査の山崎裕司氏)のもとで展開されている。ハイリテラシーのユーザー向けには大画面のNEXTシリーズを、一方で、持ちやすい、女性でも手に取りやすい端末が欲しい場合はwithシリーズという位置付けが原則だが、単に画面の大小で分けているだけではない。さらにディスプレイサイズに合わせて、デザインやカラーバリエーションといった戦略をデザインチームで検討しているという。

photo ドコモの後藤氏

 GALAXY Noteの商品企画を担当したNTTドコモ プロダクト部第四商品企画担当の後藤充宏氏は、「例えば5.3インチのGALAXY Noteは、ボタンサイズや文字も大きく、タッチパネルで押し間違える不安が減少すると、シニアの方にも好評です。サイズの違いが、ユーザーにとっては日常使う上での安心材料になることもあります。男性か女性か、あるいはリテラシーの違いだけで、機械的に画面サイズを決定しているわけではありません」と説明する。

 携帯電話としてスマートフォンを考えれば、タッチパネルディスプレイ=操作部であり、大きければそれだけ使いやすくなる。そしてもう1つ大事な点が、スマホはインターネット端末であり、Webサイトの閲覧や画像・動画の視聴などの利用が多いことにある。いわばPC的な使い方がメインになれば、ディスプレイは大きい方が良い。

 フィーチャーフォンからスマホに乗り換え、ディスプレイの大きさにあらためて驚いた人も多いだろう。だがいざ使い始めてみると“もっと大きい方がいい”と感じたことも多いはずだ。スマホの普及によって、ディスプレイサイズの違いは今まで以上に重視されるようになった。それだけに、ちょうど良いサイズの選び方が難しくなった。

 「スマートフォンは、ディスプレイに商品価値のウェートが置かれている商品。さまざまなニーズに応えるには、バリエーションをそろえて使い分けてもらうしかありません。それもメーカーさんが用意した端末をただ販売するだけではなく、ユーザーにぴったりのサイズを選んでもらえるよう、ドコモとして“最適なバランス”になるようラインアップを組んでいます」(NTTドコモ プロダクト部プロダクト企画担当デザインマネジメント担当課長の宮沢哲氏)

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