各社から7インチクラスのディスプレイを搭載したタブレット製品が登場するなか、KDDIが12月中旬に発売する予定なのが、シャープ製の「AQUOS PAD SHT21」だ。
最大の特徴といえるのがシャープの新世代ディスプレイ「IGZO」液晶を搭載した点。IGZOと聞くとフルHD以上の高解像度を期待してしまうが、AQUOS PADのディスプレイは解像度が1280×800ピクセルのワイドXGAとなっている。とはいえ、IGZOのもう1つ売りである省電力性は存分に生かされており、発表会場ではアモルファスシリコンを使った従来型液晶と比較して、約3分の1の電力で駆動する様子が展示されていた。省電力を実現している秘密は、シャープが「液晶のアイドリングストップ」と呼ぶ仕組み。静止画を表示する際にCPUからの信号を止め電力を節約するもので、これまでのS-CGSilicon液晶システムと同じ働きだが、「S-CGSilicon液晶システムは(6インチ以上の)大きなサイズに適していない」(説明員)とのことで、タブレットではIGZOディスプレイの出番となったようだ。
ちなみに、気になる連続待受時間は「測定中」で明らかになっていない。バッテリーは3460mAh(ユーザーによる交換はできない)と大容量のため、どれくらいの使用時間になるのか今から楽しみだ。
またIGZOは静電式タッチパネルに与えるノイズの影響が少ないため、より正確なタッチ操作が可能で、細いペンや指先でも細かい手書き入力が可能だという。加えて、ディスプレイ周りの配線を細くすることができ、幅106ミリという狭額縁設計を実現できたとする。
ちなみにほかの7インチタブレットの横幅は、Nexus 7が120ミリ、iPad mini(Wi-Fi)が134.7ミリ、Kindle Fireが120ミリ、Kindle Fire HDが137ミリ。7.7インチと若干大きめのディスプレイを搭載するGALAXY Tab 7.7 Plus SC-01Eは幅133ミリと、確かに同クラスのなかでもかなりスリムなのが分かる。重さも約280グラムと、こちらもひときわ軽量だ。さらにボディは防水・防塵仕様で、これもライバルとの大きな差別化ポイントと言えるだろう。ボディカラーはフィールブラックの1色のみ。背面は全面にシボ加工を施しており、滑りにくく指紋が目立たないのもうれしい。
auはこれまでタブレット端末をいくつか販売してきたが、いずれもWi-Fi専用モデルだった。3Gや4Gなどの移動体通信規格、いわいるセルラー対応なのは意外にもAQUOS PADが初めての製品。対応するのは4G LTE(下り最大75Mbps/上り最大25Mbps)とWIN HIGH SPEED(下り最大9.2Mbps/上り最大5.5Mbps)のデータ通信のみで、音声通話には非対応となっている。
料金プランはデータ端末向けのWINシングルフラットがベースになるようだが、専用料金が登場する可能性もあるという。なお、マイクと外部スピカーを備えているため、SkypeやLINEなどの通話アプリを利用することは可能だ。
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