モバイルブロードバンドは始まったばかり――LTEシェアトップのEricsson、LTE-AdvancedやVoLTEにも自信:Mobile World Congress 2013(2/2 ページ)

» 2013年03月12日 12時06分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
前のページへ 1|2       

―― LTE上の音声サービス「VoLTE」の動向を教えてください。

トルストイ氏 韓国などでスタートしており、Ericssonも開発ベンダーに選ばれている。例えば韓国では、あるオペレーターにVoLTEの土台となるIMS(IP Multimedia Subsystem)を提供した。IMSはIPベースの次世代通信システムといわれながらも離陸が遅かったが、ここにきてVoLTEがIMSのキラーアプリとなって火がついた。

 MWCではChina Mobileと共同で、TD-LTEとFDD-LTE間で途切れのない音声通話を可能にする技術を展示している。中国など、TD-LTEが進んでいる市場の音声通話にメリットをもたらす技術で、EricssonがTD-LTEに注力していることを裏付けるものだ。もちろん、2Gや3GへのFallBack(CSFB)も引き続き重要だ。

 われわれはMWCの会期中、KDDIにIMSプラットフォームを提供することを発表した。これはVoLTEの土台となるもので、RCS(Rich Communications Suite)など、新しいサービスにとっても重要になってくる。

 音声ビジネスはオペレーターにとって重要な分野であり、これを最新技術であるLTEに移し、さらなる価値を引き出すことは戦略的に重要なことといえるだろう。

Photo ブース内には次世代技術として、透明なアンテナをはった窓ガラスなどを展示していた。窓ガラスの効率的な利用を図るもので、Wi-Fiアクセスポイントに変えて日射に応じて遠隔から操作するといった使い方が考えられているという

―― トラフィック対策の1つとして、携帯ネットワークのキャパシティを改善する技術「HetNet」を提案しています。HetNetは、どのぐらい現実に近づいているのですか。

トルストイ氏 2013年はHetNetの離陸の年になるとみている。商用環境でのHetNetの実装が増えるだろう。

 HetNetでの戦略は3段階で、まず最初の段階が既存のマクロ基地局のカバレッジの改善、第2段階がマクロ基地局の増設による高密度化、そして3段階目でスモールセル(小型基地局)を追加する――というものだ。このような段階を踏むことを推奨する理由は、キャパシティを増やすのに最もコスト効率が良い方法が、マクロ基地局のカバレッジの最大化だからだ。

 スタジアム、イベント会場、地下鉄の駅などのような混雑する場所では、大きなネットワーク容量が要求され、こうした場所では小型基地局が重要な役割を果たす。Ericssonのソリューションでは、マクロ基地局のレイヤーと小型基地局のレイヤーとを協調してセル間でのハンドオーバーを行うため、レイヤーをまたいでもネットワークに途切れがない環境を実現できる。

 HetNetはW-CDMAやLTEなどの3GPP以外の技術としてWi-Fiも含むソリューションとなるが、EricssonはBelAir Networksの買収で小型基地局製品すべてにキャリアクラスのWi-Fiを統合した。現在、開発に注力してるのが、3GPPとWi-Fiの間でシームレスな体験を提供するための技術だ。その1つとして、Wi-FiとLTEネットワークのスループットを測定し、ネットワーク側が、負荷に応じて加入者に最適な回線を選んで適宜切り替える技術がある。

 また、ユーザーが2GでWebブラウジング中にYouTubeにアクセスすると、ネットワークが自動的にWi-Fiに流す――といったソリューションはオペレーターからとても喜ばれている。マクロ基地局、小型基地局、それにWi-Fiをすべて連携させ、あたかも1つのネットワークとして動作するような環境を構築できれば、その上のソリューションを利用してオペレーターは顧客体験を管理できる。

―― 競合に対する優位性について教えてください。無線アクセスネットワーク(RAN)市場で、Huawei TechnologiesがNokia Siemens Networksを抑えて2位に浮上するなど、新たなベンダーが台頭しています。

トルストイ氏 業界が成長している証拠なので、競合は良いことだ。Ericssonは、LTEの技術面などでさまざまな優位性があると自負している。

 2G、3Gでわれわれの機器のインストール数は最大であり、LTEの典型的な実装として知られる、複数の無線通信方式を利用するマルチ標準ネットワークの分野でも構築実績がある。またマネージドサービスを世界中で展開しており、オペレーターと良好な関係を築いている。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月08日 更新
  1. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  2. 新コード決済「teppay」はどこで使える?  エキナカ施設からコンビニ、ファミレス、ECまで一挙案内 (2026年10月07日)
  3. 楽天モバイルの「ローミング継続」条件は本当に「エリア外」だけ? 2社のマップから見えた“食い違い” (2026年10月08日)
  4. 楽天ドライブに不正アクセス 1万5382件の保存データ閲覧、313件のパスワードも (2026年10月06日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. Xperia純正充電器がソニーストアから消える 今後は「出力30W以上のUSB Power Deliveryに対応した充電器の使用を」 (2026年10月07日)
  7. モバイルSuicaのコード決済「teppay」10月20日開始 2万円を超えたチャージが可能に (2026年10月06日)
  8. 【ワークマン】2900円の「撥水8ポケットショルダーバッグ」 13型ノートPCも入る収納力 (2026年10月07日)
  9. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  10. PayPay、11月以降の地域限定キャンペーン発表 東京や大阪で最大6000円〜1万2000円おトク (2026年10月07日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー