NECビッグローブは12月2日、データ通信サービス「BIGLOBE LTE・3G」の新プラン「エントリープラン」を発表。月額980円で1GバイトまでLTE・3Gのデータ通信を速度制限なしに使用できるプランを新設した。
BIGLOBE LTE・3Gは、2Gバイトまで通信速度制限なしに使える「ライトSプラン」の値下げ(月額1580円)、「ライトMプラン」(月額2980円)の月間通信量の増加(2Gバイト→3Gバイト)、(これまで課していた)2年の継続利用条件の廃止、標準/Microサイズに加え、NanoサイズのSIMカードも提供可能とする施策を2013年11月にも機能強化を実施。今回はさらに1Gバイトまで月額980円とする低価格な新プランの追加+SIMロックフリー機器の端末(Nexus 7/スマートフォン)をセット契約できるプランを用意することで「高速、低価格」の両立を望むユーザーのニーズを満たす。
サービスはNTTドコモのMVNOとして、Xi/FOMAネットワークを利用する形態。最大通信速度やサービスエリアは原則としてXi/FOMAと同じとなる(以下表ではセット提供する機器の仕様より最大112.5Mbpsとしたが、別途使用する機器がXiの150Mbps通信に対応していれば最大150Mbpsでの通信も可能)。
エントリープランが定める「通信量制限の1Gバイト」は、LTE・3Gネットワークを使用する際に速度制限なしに利用できる上限となる値で、サービスの公平利用と、ひっ迫傾向にあるLTE・3Gモバイルネットワークのデータトラフィック量をオフロード(通信品質を維持するため、混雑するネットワークからほかのネットワークに退避させる手法)する目的で設定するもの。1Gバイトを超えると通信速度を最大128kbpsと制限するが、サービスは継続して利用可能。また、100Mバイト分単位で速度制限を解除できる「ボリュームチャージ」と呼ぶ機能も用意する。
なぜ低価格なサービスを実現できるのか。NECビッグローブの古関義幸社長は「Wi-Fiがポイント」と述べる。BIGLOBE LTE・3Gの月額980円プランは価格競争が著しい昨今のSIMカードサービスにおいて、単に低価格なだけではなく「積極的にWi-Fi接続に切り替えてもらう方法」を工夫し、サービスの差別化ポイントに組み込んだ。
具体的には、
など。公衆Wi-Fiはワイヤ・アンド・ワイヤレスと連携し、公衆Wi-Fiサービス「Wi2」のスポットを無料で使えるようにした。提供SIMカードの契約情報を参照して認証する「SIM認証」に対応することで、ユーザーはサービスをほとんど意識せず(手動設定といった面倒な操作・設定なしに)、Wi-Fiスポットにいるならば自動的に接続が切り替わる。
この自動認証/接続先自動切り替えの機能を備えた「オートコネクト」アプリは、スマートフォン+公衆Wi-Fiにおける「どうもWi-Fiは面倒」と考えられがち部分を対策する工夫を取り入れている。「節電機能」は、Wi-Fiをオンのままにしておくとバッテリーが心配──の声を反映し、オートコネクトアプリが「Wi-Fiに切り替わったら、モバイル通信はオフに」「画面オフ時はサーチしない」といった、スマホの標準設定では行わない制御を自動的に行い、バッテリーの消費を抑える。
もう1つの「弱いWi-Fi電波は無効」とする機能も、“公衆Wi-Fiはなんだか面倒で、使い勝手が悪い”を解消させる機能。この機能を有効にすると「一定以上の“強い”Wi-Fi電波がある場合のみ」自動切り替えの対象となる。列車や徒歩移動中「勝手にWi-Fi接続に切り替わってしまい、結局通信できなかった」という経験はないだろうか。これは弱いWi-Fi電波をとらえてWi-Fi接続に切り替わったものの、移動するうちに圏外になっていた……場合に発生することが多い。つまり「不要な(弱い/遅いなど、不利益が起こる可能性がある)Wi-Fi接続は行わない」とするもの考えるとよいだろう。ともあれ、Wi-Fi接続すればLTE・3Gネットワークより高速で安定した通信を「サービスのデータ量上限に関係なく」利用できるようになるのは違いない。
こういった「Wi-Fiも面倒がない」機能を工夫することで、“だからWi-Fiは面倒なのだ”、“LTEといっても上限1Gバイトではまったく足りない”と感じていた層に対し「それなら大丈夫そうだ。Wi-Fiを積極的に使おう」と思わせるのが狙い。Wi-Fiを積極的に使わせることで、1Gバイトまで速度制限なし/月額980円の低価格なプランを実現できることになる。
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