モバイル関連業界の世界最大イベント「Mobile World Congress 2014」には、NVIDIAもブースを設けている。強烈なグラフィクスパワーでガンガン発熱させながらゴンゴン3Dゲームやベンチマークテストを動かしまくる一方で、Tegraシリーズのおかげで、モバイルデバイスに搭載するプロセッサーベンダーとしても有力な存在となってきた。
Tegraシリーズを搭載するタブレットが多くなっているが、富士通の「ARROWS X F-02E」がTegra 3を搭載していたのは、いろいろな意味でユーザーの記憶に残っている。どうも、その印象が強烈であったためか、その後継として登場したTegra 4は、モデムを統合した「Tegra 4i」まで用意したものの、スマートフォンで採用したという話を聞いたユーザーは少なくとも日本でほとんどいない。
その少ないTegra 4iを搭載するスマートフォンとしてフランスの移動体通信事業者のWiko MobileがTegra 4i搭載モデル「Wiko WAX」を2月24日(現地時間)に発表しているが、そのサンプル機材をNVIDIAブースで展示していた。
ディスプレイサイズは4.7インチで解像度は720×1280ピクセル。有効800万画素のメインカメラを背面に搭載する。Tegra 4iはNVIDIAのLTE対応モデムコア「i500」を統合しているので、Wikoが利用できる通信方式もLTE(それに加えてHSPA+)が利用できる。
これ以上の仕様について、展示していたNVIDIAは明らかにしていない。出荷開始は4月の予定で、フランス、スペイン、ポルトガル、ドイツ、イタリア、イギリス、ベルギーに投入する。
展示機材を手にすると、本体はとても薄く、アイドル状態ながら背面はまったく熱くない。NVIDIAが明らかにした仕様には記載していないが、ディスプレイ上方にはインカメラとセンサー類を実装している。ディスプレイ下にあるセンサーボタンの配列は、左から「メニュー」に「ホーム」、そして「戻る」だ。
「この時期に登場するスマートフォンなら、Tegra 4iよりTegra K1を搭載したいですよね」という質問に、NVIDIAの説明スタッフは、「Tegra 4iを搭載して幸せになっているメーカーやユーザーはたくさんいる。Tegra K1を搭載するには、まだまだ時間がかかる」と反論している。
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