2016年4月に登場したHTCの新フラッグシップスマートフォン「HTC 10」。海外では2015年発売の「HTC One M9」の後継機種として登場した同機が、日本ではau(KDDIと沖縄セルラー電話)の2016年夏モデル「HTC 10 HTV32」として登場する。HTCのau向け機種としては、2011年に発売された「HTC EVO 3D ISW12HT」以来の「HTC J」を“冠さない”機種だ(iidaブランドの「INFOBAR A02」は除く)。
au向け機種で久しく続いたHTC Jシリーズではなく、グローバルでも「HTC One」からブランドを改めたHTC 10。同機の日本市場への投入には、日本法人であるHTC NIPPONも並々ならぬ力を入れている。「できるだけプリインストールアプリを少なくし、グローバル版と変わらない仕様にして市場に投入したかった」とHTC NIPPONの担当者が言う通り、HTV32はグローバル版に限りなく近い完成度を目指している。
OSはAndroid 6.0で、HTC独自のユーザーインタフェース(UI)は「HTC Sense 8」に進化した。
ディスプレイは5.2型でWQHD(1440×2560ピクセル)のIPS液晶で、Qualcommの最新プロセッサ「Snapdragon 820(MSM8996)」を採用している。メインメモリは4GB、ストレージは32GBで、外部ストレージは最大200GBのmicroSDXCに対応する。バッテリーは3000mAhの容量を搭載し、カメラはアウト・インともに光学式手ブレ補正に対応するなど、「ハイスペック」と呼ぶにふさわしい仕様となっている。
前面のホームキーは、指紋認証センサーを兼ねている。指紋認証に対応するスマホでは、指を置く向きに制限が設けられていることもあるが、HTV32ではどのような向きでも基本的には認識できる。また、認証速度は最短で0.2秒とかなり高速だ。
本体下部には、コネクタの向きを気にせず抜き挿しできるUSB Type-C端子が用意されている。この端子はUSB 3.1(Gen 1)に準拠しており、DisplayPort出力も兼ねている。さらに、Qualcommの超急速充電技術「Quick Charge 3.0」にも対応している。
HTV32は、グローバル版のHTC 10のデザインを保っているが、よく見てみると背面の印字が若干異なる。グローバル版にもある「HTC」ロゴがわずかだが小さくなっており、下部に小さく「au」ロゴが追加されているのだ。
また、カラーバリエーションも異なる。グローバル版ではカーボングレー、トパーズゴールド、グラシアスシルバーの3色展開だが、HTV32ではグラシアスシルバーの代わりにオリジナルカラー「カメリアレッド」を用意している。HTV32のメインカラーでもあるこの色は、「HTCのスマートフォンといえば赤」という日本のユーザーのイメージに応えたものだ。
メタルボディーの処理も、非常に凝っている。裏面はマットな処理だが、背面から側面にかけてのダイヤモンドカット部分は鏡面仕上げとなっている。また、側面の薄さを約3ミリとしたことで、持ちやすさも確保した。美しさと機能美が同居しているのも、HTV32の魅力だ。
従来のHTCスマホでは、同じ機能を持つGoolgle純正アプリとHTC純正アプリが重複してプリインストールされていることがあった。そのため、どちらのアプリを使えば良いのか混乱することもあった。
それを解消するために、HTV32では機能ごとに使いやすい方の純正アプリをプリインストールするように改めた。例えば、ミュージックプレーヤーはGoogleの「PlayMusic」を、電話アプリはHTC純正アプリをプリインストールしている。この取り組みによって、HTV32は従来のau向けHTCスマホよりもプリインストールアプリが格段に減っている。
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