本製品には写真・動画の保存先として、2種類の「フォルダー」が用意されている。一つは個人のアカウント名がついた「個別のフォルダー」(以下、個別フォルダー)で、スマホからアプリ経由でアップロードした写真は全てここに保存される。この個別フォルダーは、管理しているアカウントからしか見ることができないので、家族など他のユーザーからのぞき見られるなど、プライバシーの心配は無用だ。
もう一つのフォルダーは「共有フォルダー」で、名前からも分かるように本製品を利用する他のアカウント、つまり家族と共有するためのフォルダーだ。このフォルダーに写真を保存するには、いったん個別フォルダーにアップロードした後、手動でコピーを実行する。保存する写真は1枚ずつ選択できるので、家族に見せたい写真だけを共有できるというわけだ。

アプリのメニューを表示したところ(画像=左)。「共有フォルダー」と、個人名が付いた「個別フォルダー」の2種類が存在している。個人名が付いた個別フォルダーには、個人のスマホからアップロードした写真が表示される(画像=右)。このフォルダは管理しているアカウント以外からは見ることができない。ソートは撮影日順(昇順もしくは降順)で、写真もしくは動画の種別で絞り込める
ここで写真を選択して、下部のメニューから「共有フォルダーへコピー」を選択すると、それらの写真が「共有フォルダー」にコピーされ、他のユーザーからも参照できるようになる(画像=左)。共有フォルダーの見た目は個別フォルダーと変わらないが、こちらに保存した写真は他のユーザーからも参照できる(画像=右)
iPhoneの「カメラロール」(Androidでは「ギャラリー」)を表示したところ。本製品にアップロード済みの写真は右上にアイコンが付いているので、スマホから削除する際の目印になる。保存済みコンテンツを一括選択して削除することもできる一つ注意したいのは、アプリ経由ではなく、本体前面のカードスロットもしくは背面のUSBポート経由で取り込むと、個別フォルダーではなく共有フォルダーに保存されることだ。カードスロット経由の取り込みではどのアカウントのユーザーか特定できないので、アップロード先は個別フォルダーではなく共有フォルダーにならざるを得ない。アップロードが完了したら、忘れずに個別フォルダーに移動させるようにしよう。
なお、個別フォルダーの作成可能数は上限5つまでとなっている。仮にスマホやタブレットなどを複数台所有していても、アップロードの際に同じアカウントを使っていれば、この数の制限に引っ掛かることはまずないだろう。
ただし、アカウントを意図的に分けてデバイスごとに異なる個別フォルダーにアップロードしていたり、家族ごとにアカウントを分けて使う場合、また法人などで使う場合は、アカウントが足りなくなることもありそうだ。
さて、ここまで紹介した機能だけであれば、「写真や動画の保存に特化したフラッシュメモリタイプのNAS」という説明で済んでしまうのだが、本製品ならではの特徴となる機能がいくつかある。
まずは写真のオートリサイズ。これは写真のサイズをXGAに自動変換し、オリジナルの写真と入れ替えることで、スマホのストレージ容量を空けるというものだ。「入れ替える」と書いたが、オリジナルの写真は手動で削除しない限りはそのままなので、うっかり上書きなどで失われることはない。
スマホのストレージ空き容量が減ってきたので何らかの手を打たなくてはいけないが、写真そのものは解像度を下げてでもスマホに残しておきたい、という場合に重宝する。

本製品にアップロードした写真をスマホに書き戻す際、元画像のほか、リサイズ画像も選べる(画像=左)。この際にリサイズ画像を選択すれば、スマホの容量を節約できるというわけだ。ただし、スマホに書き戻した画像は、差分取り込みで再度アップロードされてしまう(画像=右)。見分ける方法がないので致し方ないとはいえ、同じ画像が重複してしまうので何かしらの対策がほしかったもう一つはクラウド共有だ。本製品はOneDrive、Googleドライブ、Dropboxといったクラウドサービスとの連携機能を備えており、写真データをこれらサービスにアップロードできる。実質的なクラウドバックアップとして使えるほか、クラウドサービス側の機能を使って共有なども行えるので重宝する。
ちなみにこのクラウド共有は、スマホ側を経由せず、本製品単体で動作する。ひとたび本製品にアップロードしてしまえば、後はスマホなしでクラウドへのアップロードを行ってくれるというのは、NASでは当たり前の機能とはいえ、使い勝手によく配慮されていると感じる。
本製品では、背面に接続したUSB HDDにデータをバックアップすることもできる。一般的なバックアップのほかにも、拡張スロットに挿入したメモリカードを大容量の製品に交換する際、いったんUSB HDDにバックアップし、それを書き戻すといった用途でも使用できる。
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