審査員が選ぶ「2016年を代表するスマホ」は?(前編)スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2016(2/3 ページ)

» 2016年12月28日 17時30分 公開

石野氏:スマホの次の世界、次の形を提案できたか? 正当進化では無難すぎる

石野純也氏 石野純也氏

石野氏 2016年前半は「Galaxy S7 edge」が頑張っていたな、と思います。「Galaxy Note 7(日本未発売)」のバッテリー発火問題が9月に起きてしまいましたが、S7 edgeは「Gear VR」を推しつつ、「Galaxy S6 edge」での不満――microSDや防水非対応という弱点を克服しました。ハイエンドモデルとして隙のない形で進化を果たし、VRを通してスマホの次の世界を提案している機種だと思います。

Galaxy S7 edge サムスン電子の「Galaxy S7 edge」は、先代の「Galaxy S6 edge」での不満点を着実に解消し、完成度が向上した(

 そういう意味では、「Moto Z」もそうです。オプションの「Moto Mods」というアタッチメントを取り付けて機能を拡張するというギミックは、スマホの新しい差別化のやり方なのかな、と思います。Moto Modsはローカライズすることもできるという話で、「おサイフケータイ」や「フルセグ」に対応するというのも、アイデアとしてはあるようです。他のスマホでも、Moto Modsと似たような考え方の端末はありましたが、Moto ZとMoto Modsの場合は、電源を入れたまま取り換えられる(ホットスワップに対応している)点が賢いと思います。

 honor 8を挙げたのは、島さんと同じくMVNO市場を考えてのことです。この性能でこの値段を実現できたのは、グローバルで一定のシェアを持つHuaweiだからこそですよね。iPhone 7は形こそ変わっていなくても、FeliCaと防水に対応したことが大きな進化であると捉えています。一方でiPhone 7 Plusを選ばなかったのは、iOSのユーザーインタフェース(UI)が大画面のiPhoneに最適化されているとはいえないから。ボディーのつくりもそうで、ただ単に大きくした、というだけなので……。Galaxyなら、大画面でもedgeスクリーンにすることで持ちやすくしている。そういう配慮がiPhone 7 Plusには無いですよね。

honor 8 Huaweiの「honor 8」は、楽天(楽天モバイルと楽天市場)でのみ販売している。コストパフォーマンスの良さも大きな特徴だ

 ロボホンは実はスマホの次の形なのかな、と思うこともあります。ロボットという形に変わったことでコミュニケーションの形も変わり、ロボホンが置いてあるとつい話しかけてしまう。持ち運ぶスマホよりも、固定電話の置き換えにすると家の中が楽しくなるな、と。スマホのAQUOSの元気がないので、余計に今年のシャープはロボホンだったな、と思うのです。シャープに限らず、日本メーカーのスマホは正当進化過ぎて無難な感じであったとも思います。

佐野氏:5.2型はイケるが5.5型はキツい SIMフリーは「au VoLTE」も注目

佐野正弘氏 佐野正弘氏

佐野氏 石野さんの話にも出ましたが、Note 7の問題が起こるまではGalaxy S7 edgeがダントツだったと思います。完成度の高さはもちろん、(発売前予約特典として)Gear VRを付けたのもそう。ユーザーに対する提案が優れていました。その点を評価しています。

 ただ、私が選んだスマホは、S7 edge以外に5.5型画面の機種がありません。今のスマホユーザーの多くがiPhoneを使っていることを考えると、4.7型から5.5型に行く(買い換える)と、サイズ的なギャップはかなり大きい。5.2型なら何とかいけると思いますが、いくらハイエンドでも5.5型のスマホにすんなり移行できるのは一部のユーザーだけだと思うんです。そう考えると、iPhone 7 Plusのカメラと大画面よりもiPhone 7のFeliCa・防水対応という進化がユーザーとしてはありがたいのかな、ということでiPhone 7を選びました。

iPhone 7 Appleの「iPhone 7」は、FeliCaや防水といった日本市場でニーズの大きな機能に対応した

 HUAWEI P9を選んだのはやはりダブルレンズ、モノクロ撮影という新しい提案が大きいです。「arrows M03」は、デザイン的に思うところはあるのですが、メーカーの「スマートなデザインで頑丈につくる」という姿勢がずっと一貫していることは評価できますし、SIMロックフリーのスマホで「au VoLTE」に対応したことが重要なポイントです。arrows M03の存在が、UQ mobileを始めとするau回線を使うMVNOにとって助けになっている部分もあるのではないかと思います。

arrows M03 富士通コネクテッドテクノロジーズの「arrows M03」は、au VoLTE、おサイフケータイ、防水・防塵(じん)対応を果たしつつも2万円台後半〜3万円台半ばの手頃な価格を実現

 ミドルレンジやミドルハイのSIMフリースマホは、たくさん出ています。その中で、どれを選ぼうか迷いました。最終的にZenFone 3を選んだのは、性能や値段のバランスがよく考えられた端末であることと、au VoLTEへの対応など、日本市場をよく考えたことを評価しました。ASUSには「ZenFone 3 Deluxe」もありますが、あちらはハイエンドな分、高価格帯で買いにくいですからね。例年では、Xperiaのコンパクトモデルも評価しているのですが、2016年の「Xperia X Compact」はハイエンドモデルではなくなったので少し残念です。

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