3月23日に発売された「ジョジョの奇妙な冒険」コラボスマートフォン「JOJO L-02K」。開発者インタビューの第3回では、端末デザインや壁紙にフォーカスしたが、最終回となる第4回では、OSバージョンアップや価格について聞く。お答えいただいたのは、NTTドコモ プロダクト部 第二商品企画担当の鹿島大悟氏と、プロダクト部 第一商品企画担当の津田浩孝氏。
―― L-06D JOJOではOSバージョンアップが早々に打ち切られてしまいましたが、今回、そこは期待していいんでしょうか。
津田氏 将来のOSに関して分からないところもありますが、OSバージョンアップは難しいと考えています。それをすることによって、開発費が高騰して価格が上がってしまう影響もあります。一方で、古くなってよしと思っているわけではありません。お客さまをセキュリティの危機にさらさないために、最新のセキュリティパッチを提供していきます。
もう1つ、この端末(V30+)をベースモデルに選択したいいところが、このタイミングでAndroid 8.0を搭載した状態で出荷できることです。現在、Android 8.0の端末は数%程度という状況ですが、最新のプラットフォームで快適にお使いいただけます。
―― OS自体はAndroid 8.0からは上がらないということですね。
鹿島氏 どれだけ影響があるか分からないですけどね。5年前のL-06D JOJOの時のように、OSが1つ上がるとガラッと(中身が)変わることは、ほとんどないのが現状です。(JOJO L-02Kの)UIはそれ(OSバージョンアップ)以上の改変をしているので、そういうところの影響を考慮する必要はあるのかなと。
―― あと気になったのが、価格が12万円台(税込12万5712円)と高いのに、(月々サポートなどの)割引が付かないという点です。(ちなみに、ベースモデルの「V30+ L-01K」は一括税込9万9144円で、毎月2079円か3024円の月々サポートが付く)
津田氏 順番にご説明を申し上げると、まずスマートフォンが、日本だとミッドレンジとハイエンドに2極化している中で、10万円を超えるような端末がハイエンドの中心となっています。そういったものを妥協なく商品化する上では、一番いいものをベースにしたかったので、価格が高くなってしまったところはあります。
もう1つは、台数の話があります。前のL-06D JOJOが1万5000台限定で、iPhoneも出てきて、スマホ自体の性能が上がって長く使うことが増えてきて、販売台数は当時よりも規模が小さくなってきています。これらもろもろを勘案して、今回は1万台限定としました。結果、同じ金額で開発すると、高くならざるを得ません。
割引については、販売政策に関するところなので、なかなかわれわれが答えづらいところではあります。会社全体としての戦略になります。1つ言えるのは、ジョジョファンの方で、この商品の価値を感じていただければ、そういった金額でも選んでいただけるだろうと思っています。
―― そこは鹿島さんもコメントしづらいところですか?
鹿島氏 僕自身も買いますし、もちろん月々サポートが付いてくれるならうれしいですが、意見は言えるものの決定権があるわけではないので……。
―― 月々サポートも端末購入サポートも付かず、本体価格のみで販売するドコモのスマホは、恐らく初めてですよね。
津田氏 そういった売り方ができるものがなかったのは事実です。ベースモデルのV30+は、本当にわれわれも評価していて、LGさんにとっても分岐点になるような、ステップアップしたモデルだと感じています。とはいえ、日本のマーケットでV30+の良さがどこまで理解されているかというと……実際にこれから触っていただいて、やっと理解いただけるというところもあります。
販促政策とセットでないと、手に取っていただけないものもあれば、それとは別の次元でまず商品として評価して、価値を認めれば、割引の有無にかかわらず判断していただけるものもあります。そういったところで価格を設定しています。
―― L-06D JOJOの1万5000台から1万台に減ったのは意外でした。
津田氏 先ほどの話にもありますが、(スマートフォンを購入する)母数自体は減少傾向にあります。AndroidとiPhoneで選択肢が増えている中で、分け合っている状況もあり、機種変更サイクルの長期化という影響もあります。ですので、台数は減らさざるを得ませんでした。
―― L-06D JOJOの1万5000台は完売したのですか?
津田氏 基本的には完売ですね。細かいところでは、誰も知らないところのお店で少し眠っていたものもありますが。
―― 今回はオンラインでの予約が中心に思えますが、L-06D JOJOの時のように、店頭に並んだ人もいたのでしょうか?
鹿島氏 そこはケアをしたくて、前回は事前の情報が盛んで、「並んでください」と言っていると映ったのかもしれません。(予約開始の)12月は寒いですし、並ばせるのが当たり前という予約方法は回避すべきだろうという意見は社内で出ました。
津田氏 前回も、都心部では予約で即完売するお店も出ましたが、全国という意味だと、発売日に初めて売れたところもありました。今回はオンラインで集約していたので、まだ無理なく予約できる状況です(記事執筆時点の4月4日でもまだ購入できる)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.