MVNOとして「3つの約束」 赤字はどうする?――ソフトバンク傘下に入った「LINEモバイル」の戦略(1/2 ページ)

» 2018年07月02日 17時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 LINEモバイルは3月20日、ソフトバンクと資本・業務提携を締結。4月2日からソフトバンクの子会社として新たなスタートを切った。

 7月2日、同社はソフトバンク傘下に入ってから初めての記者発表会を開催し、ソフトバンク回線を利用するMVNOサービスの詳細を発表した。

 この記事では、同発表会における嘉戸彩乃社長のプレゼンテーションと報道関係者との質疑応答の様子をまとめる。

嘉戸彩乃社長 発表会のプレゼンテーションに臨む嘉戸彩乃社長

MVNOとして「3つの宣言」

 「格安スマホ界にさらなる革新を」と語る嘉戸社長。「マルチキャリア」「格安スマホ最速チャレンジ」「スマホそのまま」の3つをキーワードに今後の戦略を説明した。

マルチキャリア

 新たに親会社となったソフトバンクの回線を利用したサービスの開始は、今回の発表会の目玉の1つ。「MVNOだからできること」として、嘉戸社長は既存のNTTドコモ回線を利用したサービスとのマルチキャリアを挙げる。

 「シンプル」というLINEモバイルのモットーを貫くため、ソフトバンク回線プランは、ドコモ回線プランとサービス内容を極力合わせている。月額料金料金はもちろん、オプションサービスも回線提供元キャリアの仕様に依存する部分を除きできるだけ統一している。

 マルチキャリア化を通して、「私たち(LINEモバイル)は欲張りなので、より多くのお客さまに使っていただきたい」とを語った。

マルチキャリア化 マルチキャリア化を通して、ユーザー層を厚くする

格安スマホ最速チャレンジ

 MVNOサービス全般における課題の1つが「通信速度」。ランチタイムや帰宅ラッシュ時間帯において、MVNOサービスは大手キャリア純正の通信サービスと比べて速度が遅くなる傾向にある。

 LINEモバイルのブランド認知アンケートを実施した所、ネガティブ(後ろ向き)な印象の1位が「電波がつながりにくそう」、2位が「通信速度が遅そう」と、通信に関するものが続いた。その結果を踏まえて、嘉戸社長は「MVNO(サービス)は市民権を得てきたが『まだ本当につながるの?』という声は非常に多くある」と語る。

ネガティブイメージ LINEモバイルに対するネガティブイメージの1位と2位は通信に関するものだった

 そこで「お客さまの不安を解消したいという思い」(嘉戸社長)から、ソフトバンク回線サービス限定で「格安スマホ最速チャレンジキャンペーン」を実施する。このキャンペーンでは通信速度を定点観測し、観測時間の速度が月に1回でも1Mbpsを下回った場合、その翌月にソフトバンク回線サービスの契約者全員に通信容量を1GBプレゼントするという。

 観測開始は7月末を予定している。キャンペーンの詳細は開始前に改めて発表する予定とのことだ。

通信速度定点観測 ソフトバンク回線サービスにおける速度の定点観測を7月末に始める予定
最速チャレンジキャンペーン 定点観測で1回でも1Mbpsを下回った場合に容量をプレゼントするキャンペーンも実施予定

スマホそのまま

 昨今、LINEモバイルでは「今使っているスマホをそのままに、SIMカードだけ差し替える人」(嘉戸社長)が増加傾向にあり、その割合は「ローンチ当初から2倍」(同)になっているという。端的に言えばSIMカード単体での契約が増えているということになる。

 一方で、その前提となる「SIMカード」や「SIMロック解除」といった知識がなく、MVNOサービス(格安SIM)への乗換をためらう人も少なくないという。

SIM単体契約者 LINEモバイルの契約者を対象にした調査では、SIM単体の契約者比率が大きく伸びている

この課題を解決する観点から、オンライン(Web上)とオフライン(店頭)におけるサポート体制を強化するという。

 店舗面では、その場で契約できる「即日開通店舗」を現在の69店舗から2018年夏をめどに100店舗以上に増やす予定だ。

店舗増やす 即日開通店舗は夏をめどに100店舗以上に増やすという
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