スマホにはない「ガラケー」の魅力とは? 携帯市場イベント

» 2018年09月10日 14時27分 公開
[田中聡,ITmedia]

 au Design projectの新型ケータイ「INFOBAR xv」が2018年秋に発売されることで、フィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー」が再び脚光を浴びつつある。そんなガラケーの専門店を展開する中古携帯事業者の携帯市場が、9月5日にガラケーについて語り合うイベントを開催した。

 熱烈なガラケーファンという3人のユーザーが集まり、INFOBARをはじめとしたガラケーの魅力を思い思いに語った。

ガラケー 2018年秋に発売予定の「INFOBAR xv」
ガラケー 携帯市場代表の粟津浜一氏

 携帯市場代表の粟津浜一氏は「1996年からガラケーを使っているが、スマートフォンは思い入れが薄くなったと感じている。ガラケーは特殊なファンが多いので、そうした人たちに合ったガラケーが必要。日本にいる約3000万のガラケーユーザーに、少しでも長く使ってもらいたい」と冒頭でガラケー販売事業の意気込みを語った。

 参加者の中で最年少となる24歳の西尾さんは、小学校6年生から高校1年生までガラケーを使用。家族がauを契約していたので、西尾さんも必然的にauケータイを使うことになったが、当時は「デザインがそんなにカッコイイと思えるものがなかった」という。しかし、2003年に発売された初代「INFOBAR」を見て、「ショップで浮くほどデザイン性が圧倒的だった」と衝撃を受けたそうだ。西尾さんのお姉さんがINFOBARのNISHIKIGOIを使っていたこともあり、ガラケーへの憧れが増したそうだ。

ガラケー 2003年に発売された初代「INFOBAR」

 西尾さんの周りはiPhoneユーザーが大多数だが、「若い人ほどiPhoneを持つ理由がない」とみている。「iPhoneは操作が簡単なイメージがある。デザイン性もあり、若い世代ほど選択肢がiPhone買うというイメージになっている」(西尾さん)

ガラケー 羽田さん

 羽田さんは出版社に勤務していた2004年に、テレビ東京の「TVチャンピオン」に出演し、「ケータイ王選手権」で優勝を果たした経歴の持ち主。ある意味、日本で一番ガラケーに詳しい人物といっても過言ではない。そんなガラケーについて羽田さんは「通信という大きな産業で、スマホに移り変わるまでの過渡期にガラケーがあった。ガラケーがあったからスマホもiPhoneもある。産業として必要な過程だった」と語る。

 データ消去、復旧ソフトを手掛ける会社を経営している阿部さんは、初代INFOBARの他、Androidスマホとした開発された「INFOBAR A01」も所有していた。ただ、スマホだと「クラウド経由で飲みながらでも仕事ができてしまう」ため、スマホ疲れに陥ってしまった。そこで、機能をそぎ落としたガラケーに変えたいそうで、INFOBAR xvには注目をしているという。

ガラケー 西尾さん

 ガラケーの良さは「物理キーにある」と西尾さん。特にINFOBARはタイルキーが美しく、「日本人は好きなんじゃないかと思う」と評価。羽田さんは「ボタンを見なくても操作できる(タッチタイプできる)」のがガラケーのメリットだと言う。羽田さんは「日本のあり得ないぐらい多色、彩度の高いケータイがなくなった」と、スマホでは無難なカラバリが増えたことに寂しさを覚えたようだ。

 「スマホよりもガラケーの方がセキュリティ性能は高い」と阿部さんは評価する。阿部さんは仕事でスマホのデータ復旧をすることが多いが、昔のガラケーだと簡単には復旧できず、古い機種ほど削除したデータは復元しにくいそうだ。

 INFOBARの魅力について羽田さんは「初代INFOBARを持った人にとって、有名デザイナー(深澤直人氏)がデザインした製品を持つことは初体験だったのでは。今見るよりも、当時見たときの方がINFOBARは異彩を放っていたと思う。工業デザインの中でも異質だった」と話す。

ガラケー 阿部さん

 阿部さんは「デザインに尽きる」とシンプルな感想。2機種目のINFOBARとして購入したINFOBAR A01は、「おもちゃみたいな感じがかわいかった」ことが決め手になったそうだ。また、折りたたみ機構ゆえの「画面の割れにくさ」もガラケーの魅力に挙げた。

 そんな阿部さんは、今後ケータイに期待するトレンドとして「小型化」を望む。「若者といえど、スマホの大きさに煩わしいと思っている人は多いのでは。スマホをポケットに入れて座って割れてしまうことはある。画面が割れることは普通じゃないし、大きさも普通じゃない」(同)

 一方、羽田さんは「(部材がないなど)作りたくても作れないビジネス環境もある」との考え。「ヒンジメーカーは今や絶滅状態に近いのでは。ただ、周辺機器にガラケーイズムが残ると思う」(同)

ガラケーガラケー 羽田さんが持参したガラケー。左がドコモのソニー・エリクソン(現ソニーモバイル)製「SO505i」、右がauの東芝製「Sportio」
ガラケー 昔のガラケーを物珍しそうに触る西尾さん

 昔ながらのガラケーは減る一方だが、携帯市場では東京都神田にある本店(東京都千代田区神田須田町1−22−2 エム・ワイビル1F)をはじめ、複数のガラケー専門店を展開している。昔を懐かしむもよし、新たに購入するもよし、興味のある人はぜひ訪れてみてほしい。

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