いまだにガラケーからスマホに移行できない人たち その理由は?

» 2018年04月03日 06時00分 公開
[迎悟,ITmedia]

 筆者が家族と連絡を取り合うのに使うのはLINEとキャリアメールです。数年前からほとんどの家族、親戚はLINEで連絡が取れるようになりましたが、いまだにキャリアメールで連絡をしなければならない人がいます。その理由は簡単で、相手がまだ「フィーチャーフォン(ガラケー)」を使っているからです。

 本音を言ってしまえば、その人にだけ連絡をするのにキャリアメールを使うのはなかなか面倒で、できることなら今すぐにでもスマートフォンへ買い替えてほしいとも思っています。

 筆者に限らず、読者の方々にも「スマホに変えたら?」と言いたくなる、フィーチャーフォンユーザーが周りにいるという人は少なくないでしょう。それと同時に、フィーチャーフォンユーザーにも「変えたくない」それ相応の理由があります。

 今回は、フィーチャーフォンをなぜ使い続けるのか、筆者の見聞きした話をご紹介します。

N-01G 2014年にNTTドコモが発売したフィーチャーフォン「N-01G」(NECモバイルコミュニケーションズ製)

理由1:使い慣れたものを使い続けたい

 フィーチャーフォンを使い続ける理由として「使い慣れているから」という人は多いでしょう。

 キー操作が中心のフィーチャーフォンと、タッチパネル操作が中心のスマートフォンは、同じ文字入力をするだけでも、操作性は全く違います。

 フィーチャーフォン全盛期でも、機種変更で今までと違うメーカーの機種を選ぶと、文字入力で同じキーを押しても出てくる記号が違ったり、改行やトグルの操作が違ったりするため、それが嫌で買い替えても同じメーカーを使い続ける人は多くいました。

 スマートフォンに変わることで物理キーがなくなるだけでなく、メニュー画面やメール作成画面なども大きく変わってくるため「今まではココを押せばこの操作ができた」が通用しなくなるのは大きなストレスだと考える人が多いのです。

007SH 過去にはテンキー付のスマートフォンもあったが……。写真はソフトバンクが2011年に発売した「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」(シャープ製)

 スマートフォン黎明(れいめい)期には、スライド式でテンキーが利用できる機種も存在しました。ただ、あくまでも文字入力がフィーチャーフォンのように行えるだけ。UI(ユーザーインタフェース)はスマートフォン用に作られており、フィーチャーフォンに慣れたユーザーからすると「全くの別モノ」になるため、これは「望んだ新型の携帯電話ではない」といった声もありました。

理由2:スマートフォンは「高い」

 フィーチャーフォンを使い続ける人たちがスマートフォンに変えない理由として挙げるのが「価格」です。これは本体代金のみならず、毎月の利用料金も「高い」「高くなる」と考える人がまだまだ多くいます。

 最近になって本体価格が安い機種や、格安SIM、そして大手携帯電話会社の「家族プラン」として提供されるさまざまなプランやキャンペーンでフィーチャーフォンと変わらない本体価格、月額料金で利用できるものも増えてきています。

 それでもフィーチャーフォンユーザーに根付いた「高い」というイメージを払拭(ふっしょく)するまでには至っていません。

 携帯電話の使い道が「最低限の連絡」だけになっているユーザーにとって、継続してアップデートを行っていかなければならないスマートフォンは「長く使えないもの」で、買い替えがフィーチャーフォンより短い「2年後」に見えているのも「高い」と感じる部分です。

 例えば、NTTドコモの「docomo with」のように、本体代金も安く、「3年目以降も毎月のランニングコストがとても安い金額になる」と言われても、製品寿命が短いスマートフォンは「その頃には買い替え」と考えると、フィーチャーフォンで困っていないユーザーにはまだまだ割高に見えるようです。

docomo with 対象機種を購入すると、月額1500円をずっと割り引く「docomo with」

理由3:スマートフォンは「怖い」

 筆者がこれまでにスマートフォンに変えない人から話を聞いてきた中には「スマートフォンは怖い」という人が少なからずいました。

 何が「怖い」のかを掘り下げて聞いてみると、多くの人は「ウイルスにかかるんでしょ」と、セキュリティ面への不安を持っています。

 フィーチャーフォンでも迷惑メールに悩まされ、いわゆる「ワンクリック詐欺」にだまされそうになった経験がある人だと、多機能なスマートフォンを狙った攻撃は「さらに怖いもの」と印象づけているようです。

 セキュリティ対策を行うアプリをインストールすることで防げるといっても、そもそもフィーチャーフォンから大きく使い勝手が変わるハードルの高さから、スマートフォンへ買い替えないユーザーには響かない話なのです。

「ガラホ」という選択肢は有効?

 フィーチャーフォンを使い続ける理由を満たした上で、周りのスマートフォンユーザーともスムーズに連絡がとれるよう、LTEやLINEアプリに対応した携帯電話として「ガラホ」という選択肢も用意されています。しかも、最近はフィーチャーフォンがガラホに取って代わり、新品のフィーチャーフォンは絶滅しそうな勢いです。

 ガラホはOSがAndroidベースなので、UIはフィーチャーフォンと異なります。操作性が変わるわけですから、ガラホは決して最適解とはいえないのです。

AQUOS K ガラホの見た目はフィーチャーフォンそっくりだが、操作性は異なる。写真は2017年にKDDIが発売した「AQUOS K SHF34」(シャープ製)

 フィーチャーフォンを使い続けるユーザーにとって、今の機種や機能に対する「不満」はほとんどありません。むしろフィーチャーフォンからのステップアップとして、多機能なガラホや低価格なスマートフォンだけを充実させていくのは、間違った戦略なのかもしれません。

ライター:迎悟

キャリアショップも家電量販店も併売店も経験した元ケータイショップ店員。携帯電話が好き過ぎた結果、10年近く売り続けていましたが、今はライター業とWeb製作をやっています。

連載:元ベテラン店員が教える「そこんとこ」


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