店舗を変えるモバイル決済

ユーザーも店舗も注目したい「キャッシュレス・消費者還元事業」

» 2019年10月02日 08時04分 公開
[小山安博ITmedia]

 10月1日に消費税が増税され、税率が今までの8%から10%へと変更された。消費者にとっては、単純に2%の値上げとなるため、景気が低迷する日本においては消費の冷え込みにつながることが心配されている。

キャッシュレス・消費者還元事業 キャッシュレス・消費者還元事業の公式サイト

 そうした悪影響への対策に加えて、キャッシュレス決済推進の契機にと導入されたのが「キャッシュレス・消費者還元事業」だ。対象店舗でキャッシュレス決済をすると、その金額の2〜5%がポイント還元されるというもの。最低でも増税分が還元される上に、5%の店であれば増税分以上のポイントが返ってくる。

 対象となる店舗は、対象となるキャッシュレス決済を導入し、さらに申請が必要となり、10月1日からは約50万店舗が対象となる。さらに20万店以上が審査待ちとなっており、10月21日までには利用可能になる見込み。その後も、申請を順次受け付けている。全国で200万店が対象店舗になりうるとされているが、現状ではその4分の1にとどまっている。

 基本的には、小売であれば資本金5000万円以下の中小企業・個店が対象で、ポイント還元率は一般店舗が5%、フランチャイズ、ガソリンスタンドが2%という区分けになっている。大手チェーンでも、直営店の場合は非対象、チェーン店の場合は対象といった違いがあるので注意が必要だ。

 対象となる品目も決まっており、換金性の高いものなど、一部は対象外。還元方法も決済手段によって異なり、クレジットカードでも引き落とし額で相殺するパターン、ポイントで還元するパターンがある。電子マネーやコード決済はポイントが還元が主流だ。

 さらに、還元される対象金額の上限も決まっている。クレジットカードはおおむね月間1万5000ポイントまで(アメックスのみ9カ月で13万5000ポイント)。電子マネーでは、プリペイド方式では1回のチャージ上限で1回の還元額が決まり、2万円のSuicaやmanacaが最大1000ポイント、5万円のnanacoは最大2500ポイントといった具合。これらは改めてチャージすれば、還元を受けられる。

 コード決済では、LINE Pay、メルペイ、au PAY、d払いが月間3万ポイント、PayPay、楽天ペイが月間2万5000ポイントなどとなっている。上限は決まっているものの、比較的ゆるめの上限なので、さまざまな支払いに利用できるだろう。ただし、還元期間は10月1日から2020年6月末までの9カ月間に限られる。

 このキャッシュレス・消費者還元事業は、知名度の低さもネックだ。店舗側で知らない場合も多いが、このタイミングで決済事業者と契約する際には、申請が必要なために各事業者から説明はありそうだ。店舗側にとっては、期間中だけとはいえ決済手数料が3.25%以下になる、ポイント還元によって集客できるというメリットもある。

 キャッシュレス・消費者還元事業に対応する店舗数が現時点で50万というのは物足りないし、どの店舗が対応店なのかも分かりにくい。店頭に張り出すシールなどは用意されているので、そちらを頼りにするか、検索サイト(https://map.cashless.go.jp/search)や、スマートフォンアプリ「ポイント還元対象店舗検索アプリ」(iOSAndroid)を使うのが有効だ。

キャッシュレス・消費者還元事業 キャッシュレス・消費者還元事業の対象店舗検索サイト
キャッシュレス・消費者還元事業 さまざまな絞り込みで店を探すことができる

 使い方は簡単で、アプリの場合は位置情報による周囲の店舗検索か、任意の地図を表示して店舗検索をするだけ。検索サイトは、カテゴリーや決済手段、還元率による検索もできる。一部データに不備もあるが、参考にはなるだろう。今後の継続的なアップデートには期待したい。

キャッシュレス・消費者還元事業キャッシュレス・消費者還元事業 キャッシュレス・消費者還元事業の対象店舗検索アプリ(Android版)。自分の周辺または任意の場所の店舗を表示して選択するというアプリ。地図アプリにアクセスして道案内も可能

 消費税増税に伴って、消費の落ち込みも懸念されているが、必需品を含めて買い物や飲食は必要だ。節約ばかりではさらなる景気の悪化を招く恐れもある。こうした還元事業をうまく活用して、おトクにキャッシュレスを活用してほしい。

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