世界を変える5G

日本でも訪れる“5Gの幻滅期” MVNOが果たすべき役割は?モバイルフォーラム2020(2/2 ページ)

» 2020年03月10日 06時00分 公開
[房野麻子ITmedia]
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5G時代にMVNOの果たす役割は?

 5Gでは、MNOだけでなく、さまざまなプレイヤーが参画すると考えられている。クロサカ氏は「むしろMNO以外、ユーザー企業も含めたプレイヤーたちにけん引していってもらわないと、いつまでたっても5Gが来ないということが起こりうる」と危惧する。その人たちが求めているネットワークを提供する場合に、MVNOの知見が生かされるとクロサカ氏は見ている。

 フルスペックの5G、SA(スタンドアロン)のサービスが始まると予想されているのが、2022年から23年。幻滅期をどう乗り越え、事業開発していくかがMVNOも重要なテーマになっていく。なお、5G対応端末は「スマホ一辺倒ではない」との見解。宅内設備のCPEやモジュール、ロボットなどにも5Gは搭載されていく。そして、「キラキラした5Gっぽい世界は、3GPPのRelease 16あたりが本番」。SAと呼応する形になるが、2023年から2025年くらいまでの時期に訪れそうだとクロサカ氏は予想している。

クロサカタツヤ クロサカ氏が予想する5Gのロードマップ

 「スマホの世界の外側に本当の可能性があるということが、大きなテーマになる。これを追求するためのヒントを探していく必要があると思います。米国の企業は一言で言えばデジタルツイン、『われわれの身体、あるいは物理空間がネットに包まれていて、その基礎的なソリューションとして5Gがある』というアプローチをかなり活発に進めている。ラスベガスのIRリゾートのキャリアは、MVNOになると宣言しているが、自らキャリアになることによって、ユーザーや潜在的な顧客をデータで包み込めると考えている」

 クロサカ氏はこう述べ、5G時代だからこそ、MVNOというポジションやアプローチの仕方が真価を発揮していくという可能性を示した。

 「3GPPのRelease 15には、5Gの3大要件(高速大容量、低遅延、多端末接続)を全部満たさなくてはいけないとは書かれていない。例えばスピードを捨ててレイテンシを取りにいくというようなネットワークを作ることも、標準化あるいは技術的に可能なわけです。そういったネットワークを誰がどういう風に提供していくのか。このへんが恐らくVMNO(=Virtual Mobile Network Operator:仮想化5Gコアネットワークを使い、より自由なサービス設計が可能な新しいMVNOのこと)の役割になっていき、特性のあるネットワークを作って提供していくことが、どれだけできるのかが問われていくのだろうと思っています」

 一方で、格安スマホとしてのMVNOも続いていく中、料金やサービスは非常に難しい問題になるとも指摘。どういった観点で何を目指していくのかを明らかにした上での競争環境整備が必要で、政策的課題がどこにあるかを、業界一体となって考えていく必要があると提言した。

クロサカタツヤ MVNOにとって、5Gは新しいビジネスの可能性をもたらすものである一方、料金競争ではより一層厳しくなる
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