3キャリアが若年層向けに「50GBまで無料」に 注意点は? MVNOはどうなる?石野純也のMobile Eye(2/2 ページ)

» 2020年04月04日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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トラフィック対策は十分なのか? MVNOはどうなる?

 大手3キャリアとも学生支援策として50GBの追加に踏み切った格好だが、一時的に大容量プランと同等かそれ以上のデータ通信を利用できるユーザーが、急増することになる。トラフィックについては、十分な対策が取れているのか。この疑問に対しては、3社とも「全く問題ない」と口をそろえる。ドコモは、その背景を「一律で容量を増やすわけではなく、必要な容量が追加されていく形なので問題はない」と話す。まとめて容量を付与すると、一気にデータ通信を使われてしまう恐れがあるが、容量追加であれば、利用が分散するというわけだ。

 過去に実施した支援策での実績も、トラフィックをさばけると判断した根拠になっているという。ドコモ広報部は、「災害時データ無制限モードのデータを見る限りでは、特に影響がない」と話す。災害時データ無制限モードとは、2019年に発生した台風19号の被災地で、災害救助法が適用された地域に住むユーザーに対して実施した措置のこと。2019年10月13日から11月30日にわたって提供され、データ容量の制限が一時的になくなった。今回の支援策は、地域が全国区になるものの、25歳以下で50GBまでと制限がついているため、影響は軽微といえそうだ。

台風19号 台風19号の被害に対する支援措置として実施した、災害時データ無制限モードの実績も見たという。画像は延長が発表されたときのもの

 大手3キャリア以外からの支援策は、まだ発表されていない。総務省からの要請は、MVNOが集うテレコムサービス協会にも出されているため、いわゆる格安SIM事業者も何らかの検討をしているとみられる。その1社であるIIJは、「支援策は現在検討中」と明かす。とはいえ、MVNOは大手キャリアから帯域単位で借り、ユーザーに提供している。その分料金が安いわけだが、総トラフィックが一気に増えると、別のユーザーに対し、速度低下などの影響が出てしまう恐れもある。MNOと同レベルの支援策を求めるのは難しいかもしれないが、MVNOならではの工夫を凝らした対応を期待したい。

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