「コストパフォーマンスを極めたい」 Xiaomiに聞く「Mi Note 10 Lite」「Redmi Note 9S」の狙いSIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/2 ページ)

» 2020年06月02日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 2019年12月に日本市場への新規参入を果たしたXiaomiだが、3月にはKDDIが5Gスマートフォンの「Mi 10 Lite 5G」の取り扱いを表明するなど、矢継ぎ早に販路を広げている。そんなXiaomiが、SIMロックフリースマートフォンの第2弾として送り出すのが、6月2日に正式発表される「Mi Note 10 Lite」と「Redmi Note 9S」だ。

Xiaomi 日本に投入される「Mi Note 10 Lite」(左)と「Redmi Note 9S」(右)

 Mi Note 10 Liteは、日本参入第1弾となった「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」の廉価バージョン。廉価といっても、プロセッサなどはそのままに、カメラの画素数だけを落としたモデルで、ベースとなるパフォーマンスはミドルレジンの中では上位に入る。対するRedmi Note 9Sは、よりコストパフォーマンスを追求したモデル。Redmiブランドは、Xiaomiの中ではよりコストを抑えたシリーズで、市場の拡大を図るのが投入の目的だ。

 参入からまだ間もないXiaomiだが、日本市場での手応えはどう感じているのか。新機種投入の狙いや、新機種の特徴を、Xiaomiの東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏と、東アジア担当デピュティゼネラルマネージャーのチューヤン・ザン氏に聞いた。

Mi Note 10 LiteはMi Note 10とどう違う?

Xiaomi チューヤン・ザン氏(※インタビューはオンラインで実施した)

―― 今回発表する製品を、改めて教えてください。

ザン氏 今回は2種類の製品を発表します。1つが、Mi Note 10シリーズにあたるMi Note 10 Liteです。Mi Note 10 Liteは、Mi Note 10やMi Note 10 Proと同じデザインで、3D曲面有機ELディスプレイを搭載しています。ただし、背面はカメラのデザインが変わっています。また、ソフトウェアもアップデートされており、Mi Note 10 Liteでは、常時オンになるディスプレイをカスタマイズして、好きな写真やアイコンを設定できるようになりました。

 大きな違いはカメラで、Mi Note 10 Liteは、ソニーの「IMX686」という6400万画素のセンサーを搭載しています。撮った写真を拡大していただければ分かるように、背景の小物までキレイに見えます。このメインカメラと深度センサーを組み合わせることで、精度の高いポートレートモードでの写真撮影も可能になります。また、120度の超広角撮影や、マクロ撮影の機能も付いています。

Xiaomi カメラ以外はMi Note 10と同等の機能を備えるMi Note 10 Lite

 一方で、今回ご注目いただきたいのが、日本市場初となるRedmi Noteシリーズです。他の市場で販売されているものをご覧になった方もいるかもしれませんが、RedmiシリーズはXiaomiの中で、とても人気のあるシリーズです。Redmi Noteに込めた思い、DNAは、できるだけ手に届きやすい金額で提供することです。このDNAのおかげもあり、Redmiシリーズの販売台数は、1億1000万台以上になりました。

 例えば、「Redmi Note 7」は2019年で世界トップ10の販売台数を誇る端末ですし、「Redmi Note 8」も、2019年第4四半期で最も売れたAndroid端末です(Canalys調べ)。そして今回、日本市場にご紹介するのが、Redmi Note 9Sになります。

Xiaomi 日本では初投入となるRedmiシリーズの「Redmi Note 9S」

 狭額縁の「Tiny Dot Display」は、他のメーカーだとかなりハイエンドな商品に載っているものですが、この技術を初めてRedmi Noteシリーズに搭載しました。画面占有率は91%で、スクリーンに関しては(ドイツの認証機関)TUVの認証も取っています。カメラはクアッドで、メインカメラは4800万画素と高画素です。メインカメラと深度センサーで撮れるポートレートモードや、マクロレンズも搭載していますし、手持ちの夜景撮影も工夫しました。

 前面、背面ともにコーニングの「ゴリラガラス5」を使っており、ナノコーティングによって、水しぶや水滴にも強くなっています。また、Redmi Note 9Sは、日本の4大キャリアのバンドを全てサポートします。これは、日本市場に向けてカスタマイズした製品だからです。

―― 確認ですが、Mi Note 10 Liteは、カメラ以外は基本的にMi Note 10や10 Proと同じということでしょうか。

ワン氏 はい。何が変わったかというとカメラで、前回は1億画素を超えていましたが、Mi Note 10 Liteでは6400万画素になっています。それに合わせて、お値段も安くしています。1点補足しておくと、日本市場で出す製品は、他のリージョンで出したものとなるべく値段を合わせていきます。国によって税金などは異なりますが、それ以外の部分では、できるだけ他の国と同等にしていくつもりです。

―― Tiny Dot Displayというのは、どういったディスプレイなのでしょうか。液晶なのか、有機ELなのかも教えてください。

ワン氏 LCD(液晶)です。従来のディスプレイはベゼルとスクリーンがつながっていますが、この技術によって、ディスプレイに小さな穴を開けることができます。そのぶん画面占有率が91%と非常に高くなっています。

Xiaomi インカメラの周囲に小さな穴を空けたTiny Dot Displayによって91%の画面占有率を実現した

CMをやるなら5000円を消費者に還元する

Xiaomi スティーブン・ワン氏

―― 参入時は、Amazonだけでしたが、徐々に取り扱うMVNOも増えてきました。今回はそこに合わせて、最初から広く販売していくということでしょうか。

ワン氏 はい。今回は、最初からより広いチャネルが選択できます。

―― 価格の発表はこれからですが、既に海外で販売されているRedmi Note 9Sを見ると、非常にリーズナブルです。なぜ、その価格で提供できるのでしょうか。

ワン氏 例えば非課税のシンガポールでは299シンガポールドル(約2万3000円)です。安くできた理由の1つが、効率です。Redmiシリーズが世界中で売れたおかげで各部材を効率化できました。数量的なスケールが大きいので、マージンを5%に抑える中でも(Xiaomiの方針として、利益率は5%に抑え、そのぶんを端末価格に還元している)効率がよくなります。基本的には、弊社が提示するお値段は、非常にコストそのものに近くなっています。

 もう1つが、宣伝です。なぜCMをやらないのかというご質問をたくさんいただきますが、CMはやろうと思えば、難しくはありません。ただ、1つCMを出すと、そのぶんコストが5000円程度上がってしまいます。そのやり方を取るのであれば、5000円を消費者に還元したいという考えがあります。

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