AQUOS R6では、ある種“突き抜けた”カメラを1つ搭載しているが、昨今のスマートフォンでは標準的になりつつある複眼カメラは採用していない。19mmから望遠6倍の152mmまでの焦点距離を1つのカメラでカバーしており、望遠撮影も超解像ズームによって画質劣化を抑えて撮影できるので、シングルカメラでも複眼カメラのニーズはカバーできるとの考え。
もちろん、「焦点距離を自由に動かそうとしたら、マルチカメラにも利点がある」(小林氏)が、同社調べによると、スマートフォンでは「8〜9割の写真がほぼ標準カメラで撮られている」という。また、限られたスマートフォンのスペースに多くのカメラを積むことは難しい。1型もの大きなセンサーを搭載しているAQUOS R6なら、なおさらだろう。今回は「メインカメラに突き抜けた性能を持たせる」(小林氏)ことにこだわった。
そもそも、スマートフォンのボディーに1型センサーを搭載できたことが驚きだ。本体の厚さはAQUOS R5Gの8.9mmから9.5mmに、重量はAQUOS R5Gの189gから207gに増えているが、極端に分厚く、重くなった印象はない。通信事業本部 パーソナル通信事業部 システム開発部 部長の前田健次氏は「ライカとの協業や、レンズの設計に高い技術力を注入して、スマートフォンの中でも1型センサーが入るレンズを設計できたことが大きい」と話す。
なお、4800万画素カメラを搭載して8K動画を撮影できることを特徴としていたAQUOS R5Gに対し、AQUOS R6のカメラは2020万画素なので、動画撮影は4Kまでにとどまっている。ただし8K HDR画質にアップコンバートする機能は搭載している。
ライカとともに、センサー、レンズ、画質調整に磨きを掛けたAQUOS R6のカメラ。ライカとは「長期的なパートナーシップを結んだ」(楠田氏)といい、AQUOS R6はその第1弾という位置付け。今後、シャープがスマホカメラで大きな存在感を示すことになりそうだ。
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