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» 2020年02月18日 13時23分 公開

“5Gにふさわしい”カメラとディスプレイを追求した「AQUOS R5G」 シャープの5G戦略を解説する (1/3)

シャープが5Gに対応したスマートフォン「AQUOS R5G」と、「5Gモバイルルーター」を今春に発売する。AQUOS R5Gは「8Kワイドカメラ」、ルーターは「5Gのシェア」を特徴に掲げる。2021年度にスマートフォンAQUOSを全て5Gに対応させるという。

[田中聡,ITmedia]

 シャープが5Gに対応したスマートフォン「AQUOS R5G」と、「5Gモバイルルーター」を今春に発売する。いずれも国内向けでは初の5G製品となる。シャープはどのような戦略で5G製品を投入するのか。2月17日の説明会で、執行役員 通信事業本部 本部長の中野吉朗氏と、通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏が説明した。

AQUOS R5G シャープの5Gスマートフォン「AQUOS R5G」
AQUOS R5G 左から2番目から、ルーターの商品企画を担当した城田氏、執行役員の中野氏、モバイル事業を統括する小林氏

超広角の8Kカメラ搭載も、スマホでどう活用する?

 同社が5Gスマートフォンでキーワードに掲げるのが「8K」だ。より高速、大容量の通信が可能になる5Gでは、「8Kの映像を誰もがもっと簡単に作れるようにしたい」と中野氏は言う。8K映像が手軽に作成、編集できるようになれば、新たなエンタメサービスが生まれ、8Kと5Gを組み合わせたエコシステムの拡大につながる――とシャープは期待を寄せる

AQUOS R5G 5Gと8Kを軸にした新たなエコシステムの拡大が期待される

 そうした考えの象徴となる第1弾モデルがAQUOS R5Gだ。AQUOS R5Gは、スマートフォンAQUOSとして、初の8Kワイドカメラを搭載している。アウトカメラは広角カメラ、超広角カメラ、望遠カメラ、深度測定用のToFカメラという4眼だが、このうちの超広角カメラが有効約4800万画素で8K(4320×7680ピクセル)のワイド撮影に対応している。4800万画素のカメラを搭載した機種は他にも存在するが、たいていが広角(標準)カメラに採用しており、超広角カメラにここまで高画素のレンズを搭載している機種は珍しい。

AQUOS R5G さまざまなシーンで活用できる4眼カメラを搭載
AQUOS R5G 画面下の「・」をタップすると、超広角、広角、望遠にカメラを切り替えられる

 しかもAQUOS R5Gでは、この超広角カメラを使って8Kの動画撮影もできる。これはまさに5Gスマホならではの機能といえる。5Gでより高速な通信が可能になれば、8K動画のような大容量のデータもモバイル回線経由で簡単に共有できるようになる。シャープの説明では、上りの速度を約360Mbpsで計算すると、1分間の8Kワイド動画は6秒で、4800万画素の写真は0.2秒で送信できる。「5Gによってビジュアルコミュニケーションが一気に変わってくる」と小林氏は期待を寄せる。

AQUOS R5G 8K動画撮影は、専用のメニューから利用する

 8K動画は、シャープ製品をはじめとする8Kテレビに出力して楽しむこともできる。小林氏は「スマートフォンのレベルを超越した8K動画を、8Kテレビでご覧いただきたい」と話す。

AQUOS R5G 対応テレビに出力することで、高精細な8K動画を楽しめる

 ただ、8Kテレビを持っている人は限られる。またAQUOS R5Gのディスプレイは6.5型で、解像度はQHD(1440×3168ピクセル)なので、8K動画をAQUOS R5Gで視聴しても、そのインパクトは伝わらない感もある。シャープもこの点は理解しており、「8K対応のテレビやPCを持っていなくても、全てのお客さまに楽しんでいただける新機能」(小林氏)として用意したのが「8Kフォーカス再生」だ。

AQUOS R5G 8K解像度を生かし、画質劣化を抑えて自動で被写体をズームアップしてくれる「8Kフォーカス再生」

 8Kで撮影した動画を再生する際、被写体として写っている人間や動物などを自動で判別して、ズームアップしてくれる。これは「人間の視覚や認知と同じことを実現している」(小林氏)という。「人間は関心のある範囲を、無意識にアップとワイドを繰り返している。関心が切り替わるように、被写体を切り替えて再生する」と同氏は説明する。

 8K動画の解像度はフルハイビジョン16枚分、ハイビジョンなら36枚分なので、「被写体を拡大しても、十分な解像感が残る」と小林氏。

AQUOS R5G
AQUOS R5G 撮影した8K動画の再生画面で「フォーカス再生」をタップすると、自動でズームアップしてくれる

 撮影した動画の中から、最適なシーンを抽出して15秒のダイジェスト動画を作成する「AIライブストーリー」は「AIライブストーリーPro」に進化。8K動画からは作成できないが、複数のフレームに分けたり、ズームを活用したりできるようになった。広角カメラ、超広角カメラ、望遠カメラのいずれもAIライブストーリーProに対応している。AQUOS R3のAIライブストーリーは、超広角の動画専用カメラ向けだったが、AQUOS R5Gでは広角と望遠カメラでも同機能が使えることで、動画を楽しむ幅がより広がったといえる。

AQUOS R5G 「AIライブストーリー」も進化

4眼カメラでカメラの利便性も向上

 AQUOS R5Gの4眼カメラは、他社製品でも見られる組み合わせだが、「(レンズの)数ではなくて、4つのカメラを組み合わせて新しい体験を作り出すこと、より多くのシーンで最適な画質で撮れる」(小林氏)ことに重きを置いた。

AQUOS R5G AQUOS R5Gで撮影した作例。さまざまな画角で撮影できる

 焦点距離(35mm換算)が52mmの望遠カメラを新たに搭載したことで、光学2倍ズームに対応する。4800万画素の超広角カメラでは、4つの画素を1つの画素として扱うことで感度を上げる「クアッドベイヤーセンサー」を取り入れ、実際は1200万画素で保存される。小林氏は、超広角の0.7倍から望遠の2倍までの「全ズーム域で高感度の1200万画素になる」とアピールする。また広角カメラと望遠カメラは光学式手ブレ補正にも対応している。

AQUOS R5G 0.7倍〜2倍のズーム域で高感度な撮影ができる

 ToFカメラを使うことで、静止画も動画も、背景をぼかした「印象的な写真が撮れる」と小林氏。GoogleのARプラットフォーム「ARCore」に対応したアプリも、ToFカメラを使うことで、より高速に利用できるようになる。なおARCoreは、発売後のアップデートで対応する予定。

AQUOS R5G ToFカメラを搭載したことで、背景をぼかした印象的な写真や動画が撮れるとしている

「5Gにふさわしい」ディスプレイを搭載

 カメラだけでなく、ディスプレイも「5Gにふさわしい性能」を追求した。

 「どの環境よりも5G回線は最も高速になる」と考え、「さまざまな映像サービスはスマートフォンファーストになる(スマホで視聴する機会が増える)」と小林氏。そこで、6.5型という大きなサイズのディスプレイにこだわった。「50cm先の6.5型は5m先の65型と体感的には同じ大きさ。6.5型というスマートフォンのディスプレイは、最も大きいファーストディスプレイだ」と説明する。

AQUOS R5G 5Gスマホを意識したディスプレイを開発した
AQUOS R5G 6.5型のProIGZO液晶を搭載

 バックライトの輝度をAQUOS R3から12%向上させ、スマートフォンAQUOSでは最高輝度となる1000カンデラを実現。「直射日光下でも、外光に負けない視認性の高いコンテンツを表現できる」と小林氏は自信を見せる。

AQUOS R5G 1000カンデラという高輝度を実現

 さらに、センサーが周辺の光環境を検出し、コンテンツを最も適切な色合いと明るさで表現する「スマートカラーマッチング」や、環境に応じてバックライトを制御して白飛びや黒つぶれを抑える「HDRエンハンサー」も新たに採用した。HDRエンハンサーでは必要なときに一気に明るくするため、低消費電力にも貢献する。

AQUOS R5G 周辺環境に合わせてコンテンツの画質を調整する「スマートカラーマッチング」

 AQUOS R3でおなじみの「Pro IGZO」ディスプレイは継承しており、10億色の色表現や、120Hz駆動、画面の更新がないときは1秒間に1回の更新に抑える「アイドリングストップ」も健在だ。

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