プロセッサはQualcommのSnapdragon 865 5Gを採用し、理論値で下り最大4Gbpsの通信に対応する。なお、AQUOS R5Gが対応する周波数帯は6GHz帯未満のSub6のみで、高周波数帯のミリ波には対応しない。この理由について小林氏は「(ミリ波に)対応しようと思えばできるが、商品性のバランス、さまざまなスペックを鑑みた」と説明する。
ミリ波に対応させると、必要なアンテナが増え、それに伴う放熱やパフォーマンスの制御も難しくなることが想定される。シャープはSub6とミリ波の両方に対応した5Gスマホの試作機は開発しており、そこで得られた知見も生かして、初の5Gスマホとなる本機は「極めて普通に作った」と小林氏は説明する。
なお、AQUOS R5Gが対応する5Gの周波数帯は、日本のキャリアに割り当てられたn77(3.7GHz帯:KDDI、楽天モバイル、ソフトバンク)、n78(3.7GHz帯:ドコモ、KDDI)、n79(4.5GHz帯:ドコモ)には全て対応しているとのこと。楽天モバイルも含めた4キャリアが扱う5Gスマホとしての準備は整っているといえる。
8K動画の撮影や高速通信などでCPUへの負荷が高まり、より発熱しやすくなることが懸念される。そこで放熱設計にも工夫を施し、放熱用のブロックとシールドに純銅を採用。これにより、「CPUが最高速度で持続する時間を25倍伸ばし、CPU内部の温度を20度下げることに成功した」(小林氏)という。AQUOS zeroシリーズでおなじみ、2つの充電ICで熱を分散させる「パラレル充電」も採用している。
中野氏は「2021年度にスマートフォンAQUOSを全て5Gに対応させる」と予告する。つまりAQUOS senseシリーズのようなミッドレンジモデルも、2021年までに5Gに対応することになる。価格帯については「どこまで4Gと同じくらいの金額にできるかはあるが、お客さまに受け入れていただける金額でないと意味がないと考えている」(小林氏)とのこと。
AQUOS R5Gの価格は、キャリアからの発表がないので未定だが、「今売られているハイエンドスマホと大きく変わらないと期待している」と小林氏は述べる。
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