ソフトバンクとドコモの決算を振り返る ahamoやLINEMOなど新料金の影響は?石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2021年08月07日 08時00分 公開
[石野純也ITmedia]

主力となったY!mobileを強化するソフトバンク、5Gへの期待も

 この状況を後押しするよう、ソフトバンクはY!mobileの料金プランを強化する。8月には、余ったデータ容量を翌月に持ち越せる「データくりこし」を導入。あらかじめオプションとして料金を支払うことで、後からチャージするより安価にデータ容量を増やせる「データ増量オプション」も、内容を刷新。追加されるデータ容量をプランに応じて1GBから2GB増やしたうえで、手動でチャージを申し込む方法から自動でデータ容量を増やすよう、使い勝手を改善する。

ソフトバンク 8月には、データくりこしを導入しつつ、データ増量オプションを強化する

 データ容量の繰り越しは、Y!mobileと直接的に競合するKDDIのUQ mobileが導入済みで、ユーザーから好評を博していた。Y!mobileはここに対抗しつつ、UQ mobileが新料金プランに未導入だったデータ容量の増量オプションで差をつけた格好だ。一方のUQ mobileも、9月2日に開始する5G対応の「くりこしプラン +5G」に合わせ、データ増量オプションと同等の「増量オプションII」を導入する。Y!mobileとUQ mobileは、ソフトバンクとKDDI、双方にとっての“主力ブランド”になりつつあるだけに、競争が激化しているようだ。

ソフトバンク “ライバル”のUQ mobileは9月に5Gの対応を行い、増量オプションIIを導入する。Y!mobileの各種施策は、ここに対抗したものだ

 ユーザー数の伸びを維持できれば、一時的に減収に見舞われたとしても、トラフィックの増加で徐々に収益を回復させていくことはできる。5Gの普及でデータ通信の利用量が増えれば、上位のプランやブランドにユーザーが切り替える可能性があるからだ。宮川氏は「5Gのユーザーはどんどん増えている状況」としながら、次のように語る。

 「基地局は今1万3000を超えたぐらいのところだが、LTEは23万の基地局があるので、そこから見るとまだまだ5Gの明かりがつくエリアは少ない。これを来年(2022年)の春までに人口カバー率90%にする目標で工事をしている。5万基地局ぐらいでその数値になるが、そうなってくると5Gの中でのトラフィックが自然に増えてくる。だんだんとソフトバンクブランドの無制限に移動してくるお客さまも増えてくるのではないか」

ソフトバンク 5Gの人口カバー率拡大を急ぐソフトバンク。現時点では1万3000局程度まで基地局を増やせたという。写真は5月に開催された20年度の決算説明会のもの

 5Gの比率が上がっていくのに伴い、Y!mobileやLINEMOからの移行だけでなく、Y!mobile内、LINEMO内で上位のプランに移行する動きも顕著になってくるはずだ。また、先に挙げたデータ増量オプションも、ARPUの底上げにつながる。その意味で、料金値下げの影響をカバーするには5Gの普及が鍵になるといえそうだ。

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