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» 2021年08月05日 00時00分 公開

「LINEMOの契約数は?」「プラチナバンド再割り当てはどう思う?」――ソフトバンク決算説明会一問一答(2021年8月編)(1/3 ページ)

ソフトバンクが2021年度第1四半期の決算を発表した。この記事では、決算説明会における記者と宮川潤一社長との質疑応答の中で、特に注目すべきやりとりを紹介する。

[井上翔,ITmedia]

 ソフトバンクは8月4日、2021年度第1四半期決算を発表した。携帯電話端末の販売が回復したことや法人事業の好調さ、子会社のZホールディングス(旧ヤフー)を介してLINEを連結対象に加えたことに支えられて前年度同期比で増収は果たしたものの、法人所得税の増加など一時的な出費の影響で純利益は微減となった(営業利益は微増)。

 この記事では、同日に行われた決算説明会における質疑応答で行われた、注目すべきやりとりを紹介する。なお、分かりやすくするために、やりとりは必要に応じて表現を改めたり追記したりしている。

連結業績 2021年度第1四半期は増収を果たしたが、一時的な費用の増加で純利益は微減となっている(営業利益は1%増)
売上高 売上高は、携帯電話端末の販売回復やLINEの連結化などが影響して16%増えた
営業利益 営業利益は、「コンシューマ」セグメント(個人向け通信事業など)で減ってしまったものの、法人事業の増益が下支えして全体としては1%増となった
純利益 純利益は、法人所得税が増えたことと、Zホールディングスにおける「被支配株主持分(連結子会社の資本のうち、親会社の持ち分に属さない部分)」が増加した影響で伴い1%減少した
宮川社長 ソフトバンクの宮川潤一社長

携帯電話事業(ソフトバンク/Y!mobile/LINEMO)に関する質問

料金値下げに伴う減収や解約率について

―― 携帯電話料金の値下げによる減収影響について、(2021年度)通期で700億円の減収を見込んでいることに変わりはないとのことですが、この第1四半期にはどのくらいの減収があったのでしょうか。また、第2四半期以降はどのように推移していくとお考えでしょうか。具体的に答えられることがあれば教えてください。

宮川潤一社長 この第1四半期ベースでは100億円ちょっとの(減収)影響が出ています。第2四半期は150億円ちょっとくらいの(減収)影響を、それ以降(第3四半期と第4四半期)は第2四半期から横ばい(同等)の影響を受けると見込んでいます。

 秋口にはいつもながらの“祭り”として新しいiPhoneが出てきます。その供給が潤沢である場合は、端末の入れ替え(買い換え)に伴って数十億円のさらなる減収も見込まれます(筆者注:機種変更に伴いプランを変更すると減収につながる可能性がある)。

 これらを総合して、現時点では今期は700億円の減収があると見込んでいます。

業績予想 2020年度通期の決算説明会で示された2021年度の業績予想では、1000億円超の減益があるという見通しを公表していた

―― 先ほど、携帯電話料金について第1四半期は「100億円ちょっとの減収」とおっしゃっていました。御社には3つのブランドがありますが、この減収は「ソフトバンク」(の契約数)が少し減った影響なのか、それとも「Y!mobile」の値下げの影響なのでしょうか。もう少し詳しく教えてください。

宮川社長 本当は(LINEMOを含む3ブランドの)全体ARPU(ユーザー1人当たりの平均収入)で議論をするべきだと思っています(筆者注:ソフトバンクは、ブランド別のARPUを公表していない)。ソフトバンクブランドでは「完全定額」「大容量」で展開していますし、Y!mobileブランドでは「中容量」や「低容量」を狙っています。そしてLINEMOブランドは「完全オンライン」です。(月額料金の設定自体が異なるため)それぞれのARPUには違いがあります。

 昔から、Y!mobileは小容量から中容量までのユーザーを狙って低価格帯で展開して、ソフトバンクブランドとのすみ分けを図ってきました。ARPUの違いがある中で、通信容量の違いやコンテンツを絡めながら(ブランド間の)差別化を進めてきたところです。

 ソフトバンクブランドのユーザーの中で価格に敏感なお客さまは、Y!mobileに移動するケースが多いです。移動するお客さまが増えると、(全体の)ARPUは当然下がります。LINEMOも、ソフトバンクブランドからの移行がほとんどで、(実数ベースでは)他社からの流入よりも多くなっています。

 結果として、全体ARPUは前年度同期比で120円減りました。3000万強のユーザーが(ブランド間で)移動した結果が、このようになったということです。

―― KPI(経営上の指標)に盛り込まれている解約率について質問します。モバイルサービスにおけるスマートフォンの解約率が前年同期の0.53%から今期は1.01%と上がっています。このことについて、どのように認識されていますか。(競合企業との)競争激化の影響もあるとは思いますが……。

宮川社長 解約率はちょっと悪化しておりまして、我々もひやっとしていました。4月ぐらいまでは、他社さんもいろいろキャンペーンをやったこともあり、(解約率が)悪化したのは事実です。ただ、5月以降はこの傾向が落ち着いて「想定の範囲内」に収まるようになって、安堵(あんど)している所です。

 解約率の増加については、重要なKPIと認識していますので、重視して(他社の状況も)確認しながら対応していきたいと思います。

KPI モバイルサービスのKPIを見ると、総合ARPUは前年度同期比で120円の減少となっている。スマホについても解約率が高めとなっている

Y!mobileやLINEMOについて

―― 「LINEMO」のミニプランについて、3GBで税別月額900円という設定は、価格帯的には格安のMVNOと変わりないように思います。今の(携帯通信サービスの)競争状況について、どのように考えているのでしょうか。

宮川社長 このプランは、思いきり踏み込みました。従来LINEMOは「LINEモバイル」としてサービスを提供してきました。私たち(ソフトバンク)から見ると、LINEモバイルは「我々の回線を(法人としての)LINEモバイルに卸す」というMVNOサービスだったわけですが、これに近い料金でやってみることにしたのです。

 というのも、お客さまアンケートなどを通して(LINEモバイルから)他社に流出する動きが出始めたことが分かりました。「どうしてLINEMOに残ってくれないのか?」ということで(お客さまと)コミュニケーションを取ってみた所、「(月間で)3GBしか使わないけれど、もっとMVNOライクな価格帯のサービスが欲しい」という声が多く寄せられました。

 私たちとしては「(ソフトバンクの)外に出て行かれるよりはマシである」と思って踏み込んでみたわけですが、これが予想以上にマーケットでは好評だったようで、他社さんからの流入が急にいきおいが付きました

 これから、競合他社さんとはいろいろな価格帯でやりとり(競争)があると思います。私たちは今まで、「自分たちが『プライスリーダー』である」と言いながら、どこかで「守り」に入っていた部分もありました。一度“原点”に戻って「攻め」側に回ろうと思い、(LINEMOの)ミニプランに踏み込みました。今後も、いろいろな競争の中で、新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

LINEMOのプラン LINEMOのミニプランは、旧LINEモバイルから他社への転出傾向が見られたことへの対策もあったようだ

―― KDDIは先日の記者会見で「povo(ポヴォ)」の契約数が約100万となったと明らかにしました。LINEMOはいかがでしょうか。

宮川社長 本当は(ブランド別の契約者数は)非開示にと会社から言われているが、ざっくりというとpovoの100万件と比べると相当少なく、50万件にも満たない状況です。

 というのも、Y!mobileにおいて低価格を長くやってきていて、お客さまの低料金ニーズはY!mobileに多く流れている状況です。Y!mobileの契約数も、まだ開示する段階じゃないのですが、約700万まで積み上がりました。低料金ユーザーというくくりでY!mobileとLINEMOを合わせると、700数十万契約という感じです。

 「話しすぎだ!」と後で怒られるかもしれませんが、現状をざっくりいうとそんな感じです。

累計契約者数 スマートフォンの累計契約者数のグラフを見ても、Y!mobileのシェアはジワジワと増えている。縦軸がないので、実数が分かりにくいのだが……
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