動画は、どちらも最大4K(3840×2160ピクセル/30fps)で撮影可能。デフォルトの1080p(30fps)で撮り比べた結果、画質は静止画と同様にMi 11 Lite 5Gの方が色が鮮やかで、集音の性能も若干高く感じられた。
ただし、Reno5 Aは動画撮影時にAI機能をオンにすることで、撮影状況に応じた最適な設定が行われる「AIハイライトビデオ」を有効にできる。また、どちらもアウトカメラとインカメラで同時に撮影できる機能があるのだが、自身の顔をワイプのように小さく映す場合、Reno5 Aでは長方形または円形から選ぶことができる。
総合的な評価としては、細かい違いはあるものの、購入の決め手となるような大きな違いはないと言っていいだろう。
バッテリー容量はReno5 Aが4000mAhで、Mi 11 Lite 5Gが4250mAh。実際には、どちらのほうがバッテリーが持つのか? 「Netflix」で2時間の映画を再生してみた。音声はイヤフォン出力で音量を約50%にした。
その結果、Reno5 Aはバッテリー残量が89%になり、使用可能時間が「1日16時間16分」と表示された。一方、Mi 11 Lite 5Gは電池残量が82%で、使用可能時間は「36時間29分」に。バッテリー残量が0になるまで使い比べたわけではないので、安易には言えないが、意外にもバッテリー容量が少ないReno5 Aの方がバッテリーが持つ印象。とはいえ、どちらも2日程度は使い続けられるスタミナを持っていると考えていいだろう。
Reno5 A、Mi 11 Lite 5Gともに、5Gに対応している。しかし、スペックシートに記されている対応バンドは若干異なる。
Reno5 Aの対応バンドは「n3、n28、n77、n78」。n77とn78が「sub-6」と呼ばれる5G向けの新しい周波数帯で、n3とn28は、4Gから転用される周波数帯だ。一方、Mi 11 Lite 5Gは「n1、n3、n5、n7、n8、n20、n28、n38、n40、n41、n77、n78、n66」と、より多くの周波数帯に対応。ただし、日本で使われる周波数帯に絞ると「n1、n3、n28、n77、n78」となり、Reno5 Aとほぼ同等になる。よって、日本国内で使う分には大差はないと考えてよい。
ちなみに、両モデルともにドコモが使う「n79」には非対応。ドコモ回線の5G 対応SIMで使う場合、sub-6はn78のみとなるので注意が必要。また、どちらもミリ波には対応していない。
SIM周りでは、Reno5 AがeSIMに対応していることがアドバンテージ。海外渡航時に役立つことはもちろん、日本国内でもpovo、LINEMO、Y!mobile、楽天モバイル、IIJmioなど、eSIMを提供する事業者が増えてきた。すぐに必要としない人でも、あって無駄にはならない機能だ。
OSは、どちらもAndroid 11をベースに、メーカーが独自にカスタマイズしたものを搭載している。画面のカスタマイズ性やショートカット機能などがそれぞれ異なるものの、優劣は付けがたい。両モデルともに、一般的なAndroid端末よりも多機能で、それを使いこなせるか否かは、ユーザーの使い方に依存するだろう。
筆者が実際に使い比べて、気になったのは内蔵スピーカーだ。Reno5 Aがシングルスピーカーであるのに対して、Mi 11 Lite 5Gはデュアルスピーカーで、ステレオ音声を楽しめる。イヤフォンを使わずに、音楽を聞いたり、映画を見たりすることが多い人には、Mi 11 Lite 5Gが有利だ。
指紋センサーの位置も使い勝手に影響する。個人的には背面に搭載されたReno5 Aの指紋センサーの方が使いやすく感じた。左右両方の人差し指を登録しておけば、どちらの手で持ってもスピーディーにロックを解除できる。一方、右側面に搭載されたMi 11 Lite 5Gの指紋センサーは、左手で端末を持つ癖が付いている人には使いにくいかもしれない。なお、どちらも顔認証にも対応している。
SIMロックフリースマホは、キャリアモデル以上に、故障などのトラブルへの対応体制にも注視すべきだ。両社ともにサポートの窓口が用意されているが、OPPOは独自の「画面割れ保証サービス」を提供したり、宅配修理を依頼できたりと、よりきめ細かいサポート体制が整えられている印象。サポート面での安心度ではReno5 Aに軍配が上がるだろう。
スペックでは、最新のSnapdragon 780Gを搭載するMi 11 Lite 5Gが有利に思えるが、Reno5 Aには、IP68の防塵・防水に対応する安心感があり、eSIMの利便性も享受できる。使用感やカメラの画質は、人によって好みが分かれそうだ。
という結論では、どちらを選ぶべきかをますます迷うことになりかねない。そこで、最後に両モデルのメリットをまとめておきたいと思う。自分が重視すべきことを満たすモデルを選んでいただきたい。
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