「P50 Pro」をようやく発売したHuawei “5Gなし”で今後のビジネスはどうなる?山根康宏の中国携帯最新事情(1/3 ページ)

» 2021年09月10日 16時03分 公開
[山根康宏ITmedia]

 毎年春に発売されてきたHuaweiの「P」シリーズが、2021年は夏になってようやく発売となった。米国政府の制裁を受けて発売時期が遅れただけではなく、5Gへの非対応、複数プロセッサの採用、そしてバリエーションは2モデルにとどまるなど、例年にはない製品展開となっている。しかしカメラ性能は今でも高く、仕上がりは長年スマートフォンのカメラ技術をけん引してきたHuaweiらしい製品そのものだ。

「P50 Pro」「P50」の2モデル展開、Huawei初のSnapdragon 888搭載モデルも

 Huaweiのスマートフォンは春発売の「P」シリーズ、秋発売の「Mate」シリーズ、そして両者の間に「nova」シリーズと、3つの柱を中心に毎年展開を行ってきた。さらにそれぞれのモデルには「Pro」「Pro+」という上位モデル、「lite」の名をつけた下位モデルも投入し、毎年10機種以上が発売されてきた。

 しかし米国がトランプ政権時代の2019年5月にHuaweiに対して制裁を発動して以来、ネットワーク事業のみならずスマートフォン事業も大きな影響を受けた。Googleサービス搭載の撤退、プロセッサ製造の制限、そしてサブブランドHonorの分離売却など、Huaweiのスマートフォンを取り巻く環境は大きく変わった。

Huawei Huaweiの中国オフィシャルストア。サブブランドのHonorは別会社へ分離された

 それでも好調な中国市場が販売数を後押しし、2020年第2四半期には世界のスマートフォン出荷台数で初の1位となった(各調査会社調べ)。だが同年第4四半期にはAppleが1位、Samsungが2位となり、HuaweiはXiaomi、OPPOにも抜かれ5位に後退。2021年に入ると6位以下に落ち込んでいる。中国市場の競争激化に加え、プロセッサの供給不足により、出荷台数を伸ばすこともできない状況に陥っているのだ。

 このような逆風の中、ようやく製品化にこぎつけたP50シリーズは、プロセッサとメモリ容量で細かいバリエーションが登場する。

  • P50 Pro Kirin 9000版:8GB+256GB/8GB+512GB/12GB+512GB
  • P50 Pro Snapdragon 888版:8GB+128GB/8GB+256GB/8GB+512GB
  • P50 Snapdragon 888版:8GB+128GB/8GB+256GB
Huawei 例年より約4カ月遅れて発売された「P50 Pro」

 標準モデルとなるP50にKirin 9000版はなく、またP50 Proで売れ筋となる最低構成モデルがSnapdragon 888搭載となることから分かるように、Kirin 9000の在庫と供給量が不足している。このプロセッサ不足がP50シリーズ発売時期を大きく遅らせた最大の要因になっているのだろう。

 また、P50シリーズが搭載するどちらのプロセッサも5Gモデムに対応するものの、これも米国政府の制裁の影響を受け、全モデルが5G非対応で4G対応にとどまっている。それでもP50シリーズは4GのSIMカード2枚の電波状況を常に監視し、自動的に感度の高いネットワークに切り替える機能や、Wi-Fiとの同時接続、さらに信号の弱いエリアをAIが先読みして自動的に通信速度を調整するといったインテリジェンスな接続機能を提供。下り最大3.5Gbpsの速度と快適な通信体験を利用できるという。

Huawei 2枚のSIMカードを自動的に切り替える機能も搭載

 OSはHarmonyOS 2を標準搭載している。UI(ユーザーインタフェース)を改善しており、複数機器間でのアプリのシームレスな提携は、AndroidやiOSの一歩先を行く機能だ。複数機器のカメラを1つのスマートフォンから共用できるなど、Huawei製品を複数持つユーザーにとってはHuawei製品にしかない多くの機能を利用できる。

Huawei P50シリーズはHarmonyOS 2を標準搭載する
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