J.D.パワーは9月28日、「2021年携帯電話サービス顧客満足度調査」の結果を公開した。実施期間は2021年7月下旬〜8月下旬で、Webを通じて18〜74歳のスマートフォンユーザーに対してアンケートを実施し、合計1万7500人から回答を得た。
回答はドコモ、au、ソフトバンクを「大手キャリア」、楽天モバイル、UQ mobile、Y!mobileを「バリューキャリア」、IIJmio、mineo、J:COMモバイル、OCN モバイル ONE、BIGLOBEモバイル、イオンモバイルを「MVNO」、3月から提供を始めたahamo、povo、LINEMOを「オンライン専用ブランド/プラン」の4部門に分け、大手キャリアで9500人、バリューキャリアで3900人、MVNOで2800人、オンライン専用ブランド/プランで1300人が回答した。
満足度は全体的な顧客満足度に影響を与える要因を設定し、各要因の評価項目への回答を基に1000点満点で算出した。満足度を構成する要因として、「各種費用」(満足度27%)、「通信品質」(25%)、「サービスメニュー」(20%)、「手続き・サポート対応」(15%)、「提供端末」(13%)を挙げている。
結果、大手キャリアはドコモ、バリューキャリアはUQ mobile、MVNOはIIJmio、オンライン専用ブランド/プランはLINEMOが満足度1位となった。
部門別の総合満足度は、大手キャリアが588点と低めなのに対してオンライン専用プランが664点と高かった。続いてMVNOが648点、バリューキャリアが643点だった。
オンライン専用プランの加入理由について、「通信速度が速い」「毎月の総額費用が安い」と答えたユーザーが多く、ユーザーには毎月10GB以上通信するユーザーが多かった。年代は若年層に加えて50代以上が約3割を占めているという。
オンライン専用プランのユーザーが以前利用していたキャリアは、ahamoがドコモ(85%)、povoがau(97%)、LINEMOがソフトバンク(78%)とY!mobile(7%)、3月に新規契約の受付を終了したLINEモバイル(4%)となった。これについてJ.D.パワーは「コスト面を重視したい顧客が他の事業者へ流出することを防ぐ防衛策」だとしている。
現在加入しているキャリアに「今後、改善を期待するもの」を聞いたところ、「ポイントプログラム」が大手キャリアとバリューキャリアで3位、MVNOで2位、オンライン専用プランで1位となった。このことから、キャッシュレス決済の普及に加えてポイントサービスが一般的なものとなり、より安価にサービスを利用したいユーザーが多いことが分かるという。
「通信品質」はバリューキャリアとMVNOで約30%と多く、大手キャリアで17%、オンライン専用プランでは他の項目と近い割合で14%となった。特にバリューキャリアとMVNOに含まれる楽天モバイル以外の各キャリアでは、MNOが提供する回線をベストエフォート方式で提供している点で改善を期待するユーザーが多いといえる。
オンライン専用プランでは「データ通信容量のシェアや繰り越しサービス」を挙げたユーザーが17%となった。回答したユーザーの半数のデータ利用量が毎月10GB未満という回答で、ユーザーの使い方に合わせた容量プランの展開を期待していると考えられる。
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