スマホのバッテリー劣化の指標「充電サイクル500回」って結局どういうこと?(1/2 ページ)

» 2022年06月25日 12時00分 公開
[渡辺まりか,ITmedia]

 「バッテリーが劣化するから、スマホの利用限度は2年程度」――こんな話を聞いたことはありませんか。これは、スマホの「充電サイクル」と「500回」という2つのワードが組み合わさって生まれた“通説”です。

 充電サイクルや使用回数、充電回数が500回であるということは、多くのモバイルバッテリー(スマホ内蔵バッテリー同様リチウムイオン電池を使用)の商品紹介サイトで説明されています。また、iPhoneを製造するAppleも公式サイトで「500回」という1つの指標を掲載しています。

バッテリー充電サイクル Appleの指標

 それでは、この「充電サイクル」とは何をカウントしているサイクルなのでしょうか。500回を超えてもバッテリーが劣化しないような使い方はあるのでしょうか。

電源に挿すことでカウントされない回数

 「充電サイクル」「充電回数」と聞いて、すぐに思い浮かべるのが、「充電した回数」つまり、電源に接続した回数です。例えば、以下のような考え方です。

  • スマホのバッテリー残量が50%程度になってしまったので、電源に接続した→1回
  • コンビニに出掛けるため、いったん電源から外し、帰宅してまた電源に接続した→1回
  • ゲームしやすいように電源から外し、イベントが終わったのでまた接続した→1回

 このような数え方をしていては、あっという間に上限の500に到達します。これでは、「今、つなげたばかりなんだから、抜かないでよ」と言いたくなってしまうのもやむを得ません。

 しかし、先ほどのAppleのサイトをもう一度よく読んでみると「フル充電サイクル」という表現を使っているのが分かります。なお、AppleがiPhoneバッテリーについて説明した別のページでは、「充電サイクル」という言葉で説明しているため、両者は同じだと考えられます。

バッテリー充電サイクル 少なくとも、Apple公式では、充電サイクルとフル充電サイクルを同じ意味で使っていると思われます

 このフル充電サイクルまたは充電サイクルとは、合計で100%になる充電を行った回数または合計で100%放電させた回数のこと。

 例えば、1日目にiPhoneのバッテリーを65%消費し、その夜に充電を行って100%まで回復させました(65%を充電した)。2日目には35%しか使わず、その夜にまた100%まで充電させました(35%を充電した)。電源に接続した回数が2回ですし、100%まで充電した回数も2回ですが、充電(または放電した)した量の“合計”が100%になった、この2日間で1サイクルとしてカウントされたというわけです。

【訂正:2022年6月27日14時55分 初出時、充電した%の記述に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

バッテリー充電サイクル 放電量(赤色内の数値)または充電量(青色内の数値)を合計して100になったタイミングがフル充電サイクル1回と数えます

 なお、Appleでは、この充電サイクルを500回繰り返したとしてもiPhoneバッテリーの「本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計」しているとしています。これを下回るほど劣化しているのであれば買い替えを検討、もしくはバッテリー交換をした方がいいよいようです。

 というのも、内蔵バッテリーの劣化が著しいと、必要とする電力を供給しない可能性が生じ、その結果、部品保護のためiPhoneが強制的にシャットダウンし得るからです。使いたいときに使えないのであれば、元も子もありません。

バッテリー充電サイクル iPhoneでバッテリーの状態をチェックするには、設定アプリから「バッテリー」「バッテリーの状態」へと進みます。筆者のiPhoneは80%で、ギリギリの状態でした

スマホ内蔵のバッテリーを長持ちさせるためにできること

 スマホに搭載されているバッテリーも、モバイルバッテリーも、リチウムイオン電池を採用しているので、取り扱い方法や注意点にも共通点があります。

 例えば、モバイルバッテリーの多くは、本体を充電しながら給電しない(パススルー充電をしない)ように注意喚起されています。同じように、スマホも使いながらの充電は、バッテリーの劣化を早めてしまいます。「バッテリー残量が100%になっていないと!」と、つい考えてしまう筆者もやりがちなのですが、電源に接続した状態でスマホを利用するのは避けたいところです。使うときは使う、充電するときは充電する、とメリハリをつけた使いかたをしましょう。

 また、完全に放電、つまり0%になるまで使ってしまうと、これもまた劣化の原因となります。20%、あるいは機器によっては使用中に警告の出る15%まで残量が減ったところで、電源に接続するようにしましょう。

 さらに、ながら充電をしないことに似ていますが、常に100%になるまで充電するのではなく、80%程度になったところで電源から外すことも推奨されています。直射日光にさらされる場所、高温下や低温下に置くこともバッテリーの劣化を早める原因となってしまいます。

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