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「楽天キャッシュ」のメリットとは? 「楽天Edy」「楽天ポイント」との違いを読み解く(2/2 ページ)

» 2022年07月27日 06時00分 公開
[小山安博ITmedia]
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楽天キャッシュを使った投信積立にも対応

 楽天キャッシュの使い道として、楽天キャッシュを使った投信積立にも対応。還元に加えて、クレジットカード積立では楽天カードで5万円までだったが、楽天キャッシュ積立でも5万円まで積み立てられるため、合計10万円の積立が可能な点も特徴の1つだ。

楽天キャッシュ 楽天カードと楽天キャッシュの組み合わせで還元が増える点をアピール

 楽天キャッシュの投信積立は、「簡単に設定できるということで開始当初から好評」と鍋山氏は話す。申込数は想定以上とのことで、今後のさらなる拡大を期待している。

 これに合わせて「残高キープチャージ」機能を実装。1時間に1回残高をチェックして、指定金額になるように自動的にチャージをするという機能で、毎月の積立で残高が不足するのを防ぐ役割を担う。

 これを応用することで、楽天ペイでの支払時に残高が足りないことを防ぐこともできる。多めにチャージしておけば、投信積み立てしても一定の残高がキープできる。

楽天キャッシュ 残高キープチャージで、常に一定額が楽天キャッシュに残るため、普段の支払に使っても残高不足が避けられる

 楽天Edyにも、定期的に残高をチェックして指定額を下回ったら一定額をチャージするオートチャージ機能はあるが、「それとは異なるもの」(鍋山氏)。こちらは指定額を下回ったら一定額をキープしようとするものなので、残高キープチャージは常に残高が一定以上存在する形になる。

 楽天Edyのオートチャージだと、結果的に残高がいくらあるのか分かりづらいが、残高キープチャージでは、「確実にこの金額はある」というのが前提になるので、投信積立だけでなく楽天キャッシュの利用にも利便性が高い、と鍋山氏。

楽天キャッシュと楽天Edyでどうすみ分けを図るのか

 楽天キャッシュを使うメリットについて、鍋山氏は還元率が高いことを挙げる。チャージに楽天カードを使うと0.5%、楽天ペイでの支払いで1%、合計1.5%の楽天ポイントが還元される。還元上限がなく、支払い分の1%は決済翌日に付与される点もポイント。「一番お得で、簡単な条件で、誰でも使えば使うほどお得」と鍋山氏はアピールする。

楽天キャッシュ 他社との還元率比較

 楽天証券への投信積立でも、楽天キャッシュを使うことで還元は1.0%(12月末までのキャンペーン)となる。こうした還元の高さをアピールする鍋山氏。さらに楽天ペイ、楽天ポイント、楽天Edyに楽天キャッシュのオンライン加盟店も加えると、全国500万カ所で使えるという点もメリットとする。

 「チャージして支払いに使う」という意味では楽天Edyと楽天キャッシュは同じ使い方になるが、鍋山氏は「明確にターゲットが違う」と指摘する。同じ前払式支払手段ではあるが、会員登録が必要な楽天キャッシュと、登録が不要で使える楽天Edyという違いが大きい。

 物理カードがあればその場で現金チャージしてすぐに使い始められる楽天Edyは、スマートフォンを持てない子どもや、IDやパスワードがなくても使える手軽さが高齢者にも向いている。もちろん、タッチですぐに支払えるという利便性の高さも特徴だ

 それに対して楽天キャッシュは、既存の楽天会員で「特に楽天カードを持っている人たちに使ってもらいたい」(同)という位置付けのサービスだ。こうしてすみ分けてサービスを展開しているが、今夏には残高の相互交換に対応することで、ユーザーに利便性を提供。

 これによって残高の共通化ができるが、実際に統合した方が分かりやすいのは確か。鍋山氏は、相互交換でどれだけのユーザーが利用するか、その動向を確認して次の進化を検討していく考え。「使われ方によっては、チャージの入口を統一した方がいいかなど、そういう考えも出てくるかもしれない」(同)。

 楽天Edyの場合、オフラインに残高を持つため、ネットワークの障害に強いというメリットもある。そうした堅牢性はオフラインならではだと鍋山氏。それに対して、オンラインの楽天キャッシュは、楽天グループのサービスと連携できる利便性がメリットだ。

 楽天キャッシュは、基本的に楽天カードや楽天銀行でチャージして、楽天ペイで支払いをしたり楽天証券で投資をしたりと、楽天グループで活用するキャッシュという考え方だ。それによって楽天ユーザーに対して価値を提供しようということで、「楽天エコシステムをつなぐためのハブでありたい」と鍋山氏。

 楽天グループは、楽天Edyと楽天キャッシュというオンラインとオフラインの電子マネーをカバーし、さらに残高の相互交換という連携も提供することで、鍋山氏は、「互いのいいとこ取りをしながら使い分けられるサービスとして提供していきたい」としている。

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