AndroidからiPhoneに移行する際に「すべきこと」と「できないこと」(1/2 ページ)

» 2022年11月28日 12時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

 MMD研究所調べによると、メインで使っているスマホのOSの比率が、国内では49.4%がiOS、つまりiPhoneとのことです。あくまでも同研究所調べの結果になりますが、2019年12月の同様の調査でiPhoneがシェア42.8%だったことを考えると、じわじわと増えているようです。

 ということは、AndroidからiPhoneへ機種変更する人もいるはずですよね。同じOS間(しかも同じメーカー間)であれば機種変更は簡単ですが、AndroidスマホからiPhoneへ機種変更するにはどうすればいいのでしょうか。また、おサイフケータイの残高はどうなるのでしょうか。

 全てを網羅することはできませんが、代表的な方法をいくつか紹介します。

「Move to iOS(iOSに移行)」アプリを使う

 ドコモでは「ドコモデータコピー」、auなら「データお引っ越し」、ソフトバンクであれば「あんしんバックアップ」など、キャリアごとに機種変更時に活躍するアプリを用意していますが、キャリアに関係なくAndroidからiPhoneへ機種変更する場合、最も簡単なのは、Appleが用意している「Move to iOS(iOSに移行)」アプリを使うことでしょう。

AndroidからiPhoneへ Appleでは、AndroidからiOSへ簡単に機種変更できるよう、Google Play Storeにアプリを用意しています

 これは、Android向けアプリで、機種変更前、つまりデータのコピー元であるAndroidスマホにあらかじめインストールして使うものです。

 コピー可能なデータには以下のようなものがあります。

  • 連絡先
  • メッセージ履歴
  • カメラで撮った写真、動画
  • フォトアルバム
  • ファイルやフォルダ
  • アクセシビリティ設定
  • ディスプレイ設定
  • Webブラウザのブックマーク
  • メールアカウント
  • WhatsAppメッセージとメディア
  • カレンダー
  • 共通する無料アプリ

など

 ただし、機種によって、必ずしもコピーされるというわけではないことに留意しましょう。

事前にやっておくべきこと

 新しいiPhoneを手に入れて、Androidからデータをコピーする前にやっておくことをおさらいしておきましょう。

  • 1. Move to iOS(iOSに移行)アプリをAndroidスマホにインストールしておく
  • 2. Androidスマホで「Wi-Fi」を有効にしておく
  • 3. AndroidスマホとiPhoneの両方とも電源に接続しておく
  • 4. Androidスマホに外付けストレージ(Micro SDカードなど)を挿入している場合、データ総量がiPhoneのストレージに収まることを確認しておく
  • 5. Chromeのブックマークを転送するのであれば、Androidスマホ側で最新バージョンにしておく
AndroidからiPhoneへ 場合によっては作業に数時間かかることもあります。それぞれ電源に接続しておきましょう

AndroidデータをiPhoneへコピーする

 準備が整ったら、作業を始めます。なお、ここで使用した端末は「iPhone SE(第3世代)」と「Galaxy Note10+」です。

 機種変更先のiPhoneの電源を入れたら、画面の指示に従って進めていきます。iPhone SEにはホームボタンがあるので、ホームボタンを押して、言語の設定、「国または地域を選択」へと進めます。

AndroidからiPhoneへ さまざまな言語で「こんにちは」「ホームボタンを押してください」というような意味のテキストが表示されるので、ホームボタンを押して「日本語」→「日本」とタップしていきます

 すると、「クイックスタート」画面になります。ここでは「手動で設定」をタップしましょう。

AndroidからiPhoneへ クイックスタート画面が開いたら、「手動で設定」をタップします

 「文字入力および音声入力の言語」は特に何もせずに「続ける」をタップ。

AndroidからiPhoneへ

 「Wi-Fiネットワークを選択」画面では、自宅のWi-FiのSSID(任意に付けてあるWi-Fiのネットワーク名)を選び、Wi-Fiのパスワードを入力して接続します。

AndroidからiPhoneへ 自宅のWi-Fiネットワークを選んだら、パスワードを入力するなど設定して接続します

 iPhoneのアクティベートが始まります。それが済むと「データとプライバシー」画面が表示されるので、特に何もせず「続ける」をタップ。

AndroidからiPhoneへ 「データとプライバシー」画面

 Touch ID、パスコードなどセキュリティの設定を終え、「Appとデータ」まで進みます。ここでは「Androidからデータを移行」を選びましょう。

AndroidからiPhoneへ Androidからデータを移行

 すると、AndroidスマホにインストールしたMove to iOS(iOSに移行)アプリアイコンと同じ画像がiPhoneのディスプレイ上方に表示され「Androidから移行」という画面が表示されます。ここでは「続ける」をタップしましょう。

AndroidからiPhoneへ 「続ける」をタップする

 次の画面に切り替わるのを待つ間、今度はAndroidスマホ側で操作を進めておきます。まず、インストールしたMove to iOS(iOSに移行)アプリを開いて使えるようにしておきます。これには利用条件への同意、Appの使用状況の送信の許可・不許可の設定、位置情報へのアクセスの設定などがあります。

AndroidからiPhoneへ Androidスマホ側での操作
AndroidからiPhoneへ 「許可しない」以外であれば、どちらを選んでも問題ありません

 位置情報の権限設定が済むと、「コードを確認」画面が表示されます。

AndroidからiPhoneへ コードを確認

 ここで、iPhoneに表示された6桁のコードを、Androidスマホの「1回限りのコードを入力」画面で入力します。これにより、一時的にiPhoneとAndroidスマホがWi-Fiでつながります。

AndroidからiPhoneへ

 しばらく待つと、Androidスマホ側では「データを転送」が、iPhone側では「“xxxx(Androidスマホ機種名)”を待機中」が表示されます。Androidスマホ側で、転送したいデータをタップして、許可が必要なものであれば「許可」をタップしつつ、選択していきましょう。

AndroidからiPhoneへ リストから選んで「許可」を繰り返し、転送するデータを選択していきます

 最後に「続ける」をタップすれば、データ転送が始まります。

AndroidからiPhoneへ 選び終わったら「続ける」をタップします
AndroidからiPhoneへ 転送が始まりました。データ量によりますが、筆者の環境では「1時間49分」かかると表示されました

 しばらくすると、両端末で「転送が完了しました」と表示されます。Androidスマホ側はこれで操作完了です。続けて、「iPhoneの設定を続ける」をタップして、iPhoneの設定を完了させます。

AndroidからiPhoneへ 「iPhoneの設定を続ける」をタップ

 なお、AppleIDを設定しておかないと、Androidスマホと共通する無料アプリをインストールすることができません。筆者は、ここで設定しなかったため、以前使っていたアプリを手動でApp Storeからダウンロードすることになってしまいました。

AndroidからiPhoneへ 本来であれば、ここで「Appを追加」をタップすれば、自動的に共通アプリのインストールが始まります。なお、Apple IDの設定をして、App Storeから自動的にダウンロードしたとしても、それぞれのログイン情報がコピーされているわけではないので、それぞれ手動でアカウントやパスワードを入力する必要があります

 これで、Move to iOS(iOSに移行)アプリを使ったAndroidスマホからiPhoneへのデータコピーは完了です。

 実際にコピーされたデータは以下のようになりました。

  • 写真ライブラリ
  • カレンダー
  • メールアカウント
  • 共通アプリ

 コピーされなかったデータは以下の通りです。

  • メールアカウントのパスワード情報
  • アプリのログイン情報
  • アクセシビリティ設定
  • メッセージアプリで受信した内容
  • Webブラウザのブックマーク
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