非常時の緊急通報は、呼び返し可能な「フルローミング」で実現 総務省が報告書をとりまとめ

» 2022年11月16日 09時56分 公開
[田中聡,ITmedia]

 総務省は11月15日、非常時における事業者間ローミング等に関する検討会の第1次報告書を公開した。

 この検討会では、災害や通信障害が発生したときの非常時に通信手段を確保すべく、携帯電話の事業者間ローミングや公衆Wi-Fiなどの活用を議論してきた。15日には第1次報告書として、基本的な方向性を記している。

 基本方針として、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル、沖縄セルラー電話は、フルローミング方式による事業者間ローミングを早期に導入することを定めている。フルローミング方式では、HSS(加入者データベース)で利用者認証や端末の位置登録を行った上で緊急通報し、一般の通話や緊急通報機関からの呼び返しが可能になる。呼び返しは被災事業者と救済事業者のコアネットワークを経由するため、災害や障害の際に両者のコアネットワークに障害が起きていないことが前提となる。

 また、MNOだけでなく、MVNOのユーザーに対しても、ローミングサービスを提供することとしている。

事業者間ローミング 緊急通報機関からの呼び返しが可能なフルローミング方式での事業者間ローミングの導入を検討していく

 ローミングサービスを利用するにはユーザーが端末の設定を行う必要があるため、ユーザーへの周知に加え、簡単に回線を切り替える専用アプリを用意することも視野に入れて検討する。なお、3G(W-CDMAやCDMA2000)については、サービス終了が予定されているため、事業者間ローミングは実施しない。

 一方、コアネットワークに障害が起きた場合は、利用者認証や位置登録ができないため、フルローミング方式は利用できなくなる。そこで、米国やフィンランドで導入されている、緊急通報への発信のみを可能とするローミング方式についても検討する。ただし発信のみなので、緊急通報機関からの呼び返しはできない。呼び返しができないことで緊急通報機関に対するいたずらが発生する恐れもあるため、その対策も検討する。

事業者間ローミング コアネットワークに障害が起きた場合は緊急通報機関への発信しかできない

 加えて、衛星通信、高高度プラットフォーム(HAPS)、複数SIMの利用、00000JAPANを初めとした公衆Wi-Fiサービスなどの通信手段も周知していく。

事業者間ローミング 事業者間ローミング以外での通信手段確保も周知していく

 総務省は、上記課題の検討結果を含めた第2次報告書を、2023年6月頃までにとりまとめる。

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