ではあらためて、Leitz Phone 2単体であれこれ撮ってみよう。
その前に、1xで撮るときの画面を2パターンお見せしたい。1つはノーマル。もう1つは「ブライトフレーム」をオンにした場合。
ブライトフレームをオンにすると、実際に撮影される範囲(ブライトフレーム)の外側まで表示してくれる。レンジファインダーのレンズ交換式カメラは構造上そうなってしまうのだけど、19mm相当のカメラで24mm相当の写真を撮る(つまり中央部分だけを使う)という構造を利用して、レンジファインダー風の画面にしているわけだ。実際に写る範囲の外側も見えるので慣れると構図を決めやすい。
ただこれをオンにするとズーム倍率表示がちょっと変わる。
オフのときはAQUOS R7と同様、0.7x、1x、2xの3つの倍率を瞬時に切り替えられるし、その間も指のスライドで細かいズーム倍率を変えられるのだが、オンにするとボタンを押すたびに倍率が0.7x→1x→2xと切り替わる方式になり使い勝手はちょっと劣る。
ライカっぽいのはブライトフレームだし、でも使いやすいのはブライトフレームオフだしで悩ましいかも。
では0.7x→1x→2x→6x(最大倍率)の4パターンをどうぞ。
6xまで行くとデジタルズーム感が強く出ちゃう。最先端のデジタルズーム技術を駆使した製品(例えば、Pixel 7 Proとか)に比べると、もうちょっと画質は上げられる気はする。
続いて人物写真だ。2xで撮影している。曇天下だが肌の色はしっかり出ており、肌はいくらか滑らかに処理されている。
さらにこま犬(1x)、鉄橋(2x)、料理(1x)、花(0.7x)、夜景(0.7x。ナイトモード)とどうぞ。
さあここからが本番だ。Leitz Phoneならではの撮影機能といえば「Leitz Looks」。これを楽しまずにしてLeitz Phone 2は語れない。
簡単にいえば、コンピュテーショナルフォトグラフィー(画像処理)によるライカの再現だ。レンズ1つのスマホカメラでライカの3つのレンズをシミュレーションしようという試みである。
Leitz Phone 2でライカっぽい写真を撮りたい、と思ったらこの機能の出番である。
この機能のポイントは2つ。1つはレンズ。ライカの基本的な28mm、35mm、50mmの単焦点レンズを背景のボケとともに再現しようとしたレンズシミュレーションだ。
28mmと35mmはライカの代表的なSUMMILUX(ズミルックス)、50mmは大口径のNOCTILUX(ノクティルックス)の名が付けられている。
広角のSUMMILUX 28から順番に撮ってみよう。どのレンズもそのレンズに応じた前後のボケが作られるのが特徴だ。
次は35mmのSUMMILUX 35。街のスナップなんかに向いている。
NOCTILUX 50はボケが大きなポートレート向けレンズ。大きくてきれいなボケの再現が特徴だ。人を撮るときはポートレートモードよりもLeitz LooksのNOCTILUX 50をおすすめしたい。
いずれも、ライカの代表的なレンズの画角+そのレンズで絞り開放で撮ったときを想定したボケがポイントだ。
もう1つはフィルター。オリジナルに加え、MONOCHROME(モノクローム)、CINEMA CLASSIC(シネマクラシック)、CINEMA CONTEMPORARY(シネマコンテンポラリー)の3種類が用意されている。
撮り比べるとこんな感じだ。
シネマクラシックは総天然色っぽい感じに、シネマコンテンポラリーはイマドキの映画っぽくちょっと彩度を抑えた画になる。
あとはレンズとフィルターの組み合わせだ。
後処理で前後をぼかすので、どうしてもエッジの不自然さは出るが、Leitz Phoneならではの雰囲気のある写真を撮れるのは前モデルより評価できる点だ。
ただし、である。Leitz Looksモード時は、撮影後の処理に時間がかかりがちだ。試してみたところ、ぼかしの処理が入る構図になると撮影後に「保存中」の表示が出て数秒間(5秒とか7秒とか)待たされるのだ。レンズシミュレーションの処理が特に重いのかなと思うけど、イマドキのスマホカメラとしては待たせすぎなので、「保存中」ではなくてもっと気が利いたライカっぽいアニメーションでも表示すればよかったのかも……どんなのがいいかといわれると困るけど、フィルムを巻き上げているっぽい雰囲気のとか。
また、前後をぼかす関係上、カメラ側のAFが撮りたい被写体と違っていると、思わぬピンボケ写真ができてしまう。画面をタップしてどこに合わせたいか指定するのがいい。
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