シャープのフラグシップ機にして「ほぼデジカメ?」と思われたり思われなかったりする「AQUOS R7」が登場した。先代「AQUOS R6」と同じ1型センサーだし、R7はR6のアップデートモデル? と思う人がいたとしたら、それは違う、少なくともカメラに関しては「全然違う」と言いたい。
同じ1型センサーを使いながら、R6とR7では写りも使い勝手もかなり違うのだ。特に写りはかなり進化した。
一番違うのはイメージセンサーだ。
AQUOS R6は「デジカメ用のイメージセンサー」を流用していた。いくらか改良されていたかもしれないけど、基本的に数年前のデジカメ用センサーだ。センサーのアスペクト比は3:2で画素数は約2000万画素。
それに対してAQUOS R7が搭載したのは、最新技術で開発された新型のモバイル機器用イメージセンサーなのである。大きさは同じ1型ながらアスペクト比は4:3と他のスマートフォンと同じ。ちなみに「1型」(俗に1インチともいうが、センサーの有効面積のサイズではないのでちょっとややこしい)という場合、対角線の長さで決まるので3:2と4:3を比べると、4:3の方が横が短く縦が長い。
で、画素数は4700万画素。
AQUOS R6は2020万画素のセンサーで約2000万画素の画像サイズで出力していたのに対し、AQUOS R7は4700万画素ながら「クアッドベイヤー」という配列になっており、4画素を1つとして約1100万画素の画像サイズで出力する。
要するに、デジカメ用センサーの流用から最新のスマホ用センサーになって性能が上がったのである。期待するでしょ。対してレンズはAQUOS R6と基本的に同じ。19mm相当でF1.9のライカレンズだ。
では実際の写りはどうか。センサーが変わったのも大きいけど、画像処理も変わっていると思う。色が鮮やかになり、HDRもかなり積極的に効かせていてダイナミックレンジの広い写真を撮ってくれるのだ。
分かりやすいところではこれ。
あまりに暑い酷暑な真夏の13時半……外出しているんじゃないよってときなのだが、日向があまりに過酷なので鉄橋の下で顔は日陰で暗くなるけどしょうがないかと撮ってみたら、顔はちゃんと明るく撮れているし、背景も白トビせずちゃんと青空も青く出ていて、びっくり。
デジタル一眼っぽいナチュラルな写りが好きな人には「ちょっと盛りすぎじゃね?」となるかもしれないけど、個人的にはあり、というか、ケータイ時代からシャープのカメラを見てきた身としては、「これでこそシャープ」と思う。
で、使ってみると、撮影後の処理にかなり時間をかけている。撮影時はイマイチな感じでも、撮ってみるときれいなのだ。
具体例を挙げる。
こちらは撮影時のスクリーンショット。日陰にいる人に色や明るさを合わせると、強い陽射しが当たっている背景は真っ白になっちゃうわな。
そして撮影後に処理を終えたのがこちらだ(撮影直後に再生すると、「処理中です」って出ていることがあるのだ)。
撮影後にわざわざバックグラウンドで時間掛けてHDRの処理をしていることからして、それなりに複雑なことをやっているんだと思う。
AQUOS R6との違いということでいえば、1年前にAQUOS R6で撮ったカットと同じ場所で撮ったカットを比べてみると分かりやすい。
AQUOS R7の方が色がキレイに出ているし、ハイライトからシャドー部までの幅も広いのが分かる。
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