12月に発生したドコモ通信障害の原因は? 総務省に「重大な事故報告書」を提出

» 2023年01月16日 21時25分 公開
[田中聡ITmedia]

 NTTドコモは1月16日、2022年12月17日と12月20日に西日本地域で発生した通信障害に関する重大な事故報告書を総務省に提出した。

 電気通信事業法では、緊急通報を取り扱う音声通信サービスの通信障害が1時間以上にわたって起き、3万人以上に影響を及ぼすと、「重大な事故」に該当する。重大な事故を引き起こした通信事業者は、事故発生から30日以内に原因や対策などをまとめた報告書を総務省に提出する必要がある。12月に発生したドコモの通信障害は、重大な事故に該当する。

 12月17日の通信障害は同日7時50分から12時44分の4時間54分にわたって発生し、約242万人に影響を及ぼした。影響範囲は関西、中国、四国、九州地域。

 原因は、ネットワーク機器によるハードウェア故障を起因とした異常動作。西日本地域を収容するインターネット接続基盤のネットワーク機器で故障が発生したが、故障検知機能に対してサーバが正常な信号を送り続けたため、予備装置に切り替わらない状況になった。この設備を経由するサーバと通信できないことで、一部ユーザーのデータ通信が利用しにくい状況となった。

NTTドコモ 12月17日に発生した通信障害の概要
NTTドコモ 障害の原因

 12月18日に、ハードウェアを正常な機器に交換した。23日には、同様の異常動作が発生したことを検知可能にするための対策を完了させた。

 12月20日の通信障害は、同日1時10分から3時12分の2時間2分にわたって発生し、約69万人に影響を及ぼした。影響範囲は関西、中国、四国、九州地域。原因はサーバ増設工事の不具合。インターネット接続基盤のサーバ増設工事にて、ネットワーク機器特有の手順を考慮せずに工事を行ったため、ネットワーク機器の設定が一部消失した。これにより、一部ユーザーのデータ通信が利用しにくい状況となった。

 12月25日には、特有手順の管理に不備が生じないよう、運用ルールの見直しを完了させた。2023年1月末までに、ヒューマンエラーをなくすよう、管理プロセスの自動化を完了する予定。

NTTドコモ 12月20日に発生した通信障害の概要
NTTドコモ 障害の原因

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  8. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  9. NTT系初の耳をふさがない集音器「cocoe Ear」発表 補聴器でない理由、AirPods Proとの違いは? (2025年12月03日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー