NTTドコモは1月16日、2022年12月17日と12月20日に西日本地域で発生した通信障害に関する重大な事故報告書を総務省に提出した。
電気通信事業法では、緊急通報を取り扱う音声通信サービスの通信障害が1時間以上にわたって起き、3万人以上に影響を及ぼすと、「重大な事故」に該当する。重大な事故を引き起こした通信事業者は、事故発生から30日以内に原因や対策などをまとめた報告書を総務省に提出する必要がある。12月に発生したドコモの通信障害は、重大な事故に該当する。
12月17日の通信障害は同日7時50分から12時44分の4時間54分にわたって発生し、約242万人に影響を及ぼした。影響範囲は関西、中国、四国、九州地域。
原因は、ネットワーク機器によるハードウェア故障を起因とした異常動作。西日本地域を収容するインターネット接続基盤のネットワーク機器で故障が発生したが、故障検知機能に対してサーバが正常な信号を送り続けたため、予備装置に切り替わらない状況になった。この設備を経由するサーバと通信できないことで、一部ユーザーのデータ通信が利用しにくい状況となった。
12月18日に、ハードウェアを正常な機器に交換した。23日には、同様の異常動作が発生したことを検知可能にするための対策を完了させた。
12月20日の通信障害は、同日1時10分から3時12分の2時間2分にわたって発生し、約69万人に影響を及ぼした。影響範囲は関西、中国、四国、九州地域。原因はサーバ増設工事の不具合。インターネット接続基盤のサーバ増設工事にて、ネットワーク機器特有の手順を考慮せずに工事を行ったため、ネットワーク機器の設定が一部消失した。これにより、一部ユーザーのデータ通信が利用しにくい状況となった。
12月25日には、特有手順の管理に不備が生じないよう、運用ルールの見直しを完了させた。2023年1月末までに、ヒューマンエラーをなくすよう、管理プロセスの自動化を完了する予定。
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