今日から始めるモバイル決済

「dポイント」と「d払い/dカード」拡充でドコモが持つ課題意識とは? カギは「苦労からの開放」(1/2 ページ)

» 2023年01月19日 07時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 NTTドコモは1月18日、報道関係者を対象に自社の決済サービス(d払い/dカード/iD)とポイントプログラム(dポイントクラブ)に関する勉強会を開催した。この勉強会では同社スマートライフカンパニー コンシューマーマーケティング部の西井敏恭シニアマーケティングディレクターが登壇し、キャッシュレス市場を取り巻く現状と、それを踏まえたドコモの戦略を説明した。

西井氏 西井敏恭氏は、2022年7月にコンシューマーマーケティング部のシニアマーケティングディレクターに就任した。複数企業の取締役を兼務しつつ、ドコモの決済サービスやポイントプログラムに関するデジタルマーケティングを担当している

日本のキャッシュレス決済には伸びしろがある

 「現金主義」と言われることが多い日本だが、現金以外の方法で商品代金を支払う「キャッシュレス決済」の利用率は着実に伸長している。

 経済産業省が取りまとめたデータによると、キャッシュレス決済の利用比率は2015年は18.2%だったが、2021年には32.5%まで向上している。その“主役”はクレジットカードだが、2018年以降はスマートフォンなどを使った「コード決済」の伸びも顕著である。

資料 キャッシュレス決済の比率は着実に高まっている(ドコモが作成した資料では出典が「第46回インターネット消費者取引連絡会」の「キャッシュレス決済の動向整理」となっているが、この出典元が参照しているのは本文にもある経済産業省が取りまとめたデータである)

 一方で、キャッシュレス推進協議会が公表している「キャッシュレス・ロードマップ 2022」(PDF形式)によると、日本のキャッシュレス比率は29.8%となっている。ヨーロッパでは珍しい「現金主義国」であるドイツよりも高くはあるものの、他の欧米の主要国はもちろん、シンガポール、オーストラリア、中国や韓国よりも低い。

 ある意味で、日本のキャッシュレス決済は「めちゃくちゃ伸びしろがある状況」(西井氏)にある。

伸びしろバッチリ 日本はドイツよりもキャッシュレス決済は高いものの、欧米やアジア/オセアニアの主要国と比べると低い。説明会では言及がなかったが、韓国と中国のキャッシュレス比率が突出しているのは、国の政策が大きく影響している

dポイント会員数は9200万人に

 最近の携帯電話キャリアは、決済サービスやポイントプログラムをフックとした顧客獲得に注力しているが、ドコモが他社と異なるのは決済サービスやポイントプログラムを“自ら”保有していることにある。その“中核”となるのが「dポイント」だ。

 「dポイントクラブ」の会員数は2022年9月末時点で約9200万人と、数値ベースでは自社の携帯電話回線の契約数を上回る基盤を持つまでに成長した。そのうち「dポイントカード」を登録している会員は約6000万人、決済サービス「d払い」を使っている会員は4800万人(※1)、クレジットカード「dカード」の契約者は約1600万人とのことで、dポイントをフックとした決済サービスの利用も進んでいるようだ(※2)。

 dポイントまたはドコモの決済サービスを利用できる加盟店の数も、約440万箇所にまで伸びている。dポイントは2021年10月からの1年間で約2900億ポイント(約2900億円相当)が使われたそうだが、その約8割が自社外の加盟店で使われたという。

(※1)「d払いアプリ」のダウンロード数と、ドコモ回線とひも付けて利用できる「d払い(iD)」の会員数を合算した値
(※2)会員数/契約数は重複あり

ポイント利用状況 ポイントプログラムや決済サービスの会員基盤は、携帯電話回線契約に並ぶ重要なものとなった様子が伺える

 先述の通り、日本のキャッシュレス決済比率にはまだ伸びしろがある。ドコモとしては、自社のポイントプログラムや決済サービスを使いやすくしつつ、ポイントプログラムの“価値”を高めることで伸びしろ(≒さらなるユーザー)の獲得を狙っていく考えのようである。

前段のまとめ ポイントプログラムや決済サービスをより使いやすくしつつ、ポイントプログラムの価値も高めることでさらなるユーザーの獲得を狙っているようである
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月26日 更新
  1. 「0.2秒で冷却」をうたうペルチェ素子搭載の腰掛けファン Amazonで53%オフ (2026年07月24日)
  2. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  3. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  4. 従来の健康保険証は7月31日で利用不可に 8月1日以降は「マイナ保険証」の利用を (2026年07月24日)
  5. 330円で手に入る「足元灯」「非常灯」 充電式になって利便性向上 (2026年07月25日)
  6. サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か (2026年07月25日)
  7. モトローラから新しいミドルレンジスマホ「moto g37」シリーズ登場 ソフトバンク、楽天モバイル、ドコモも取り扱い (2026年07月24日)
  8. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  9. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  10. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー