auの「おもいでケータイ再起動」が6年以上続いている理由 仕掛け人が語る舞台裏(1/2 ページ)

» 2023年02月01日 15時30分 公開
[石井徹ITmedia]

 KDDIは1月27日、昔のケータイを復活させるイベント「おもいでケータイ再起動」を報道陣に公開した。初の取り組みとして、地元紙の函館新聞社とコラボレーションし、「おもいで新聞」を発行する企画も実施。参加者の体験を新聞記者が取材し、新聞記事のフォーマットでオリジナル記事を制作した。

 おもいで新聞は函館新聞社での開催(1月27日〜1月29日)の3日間を皮切りに、全国各地の新聞社とともに順次展開していくという。3月9日〜3月11日は秋田県秋田市にて、秋田魁新報社とのコラボレーションにて開催される予定だ。

おもいでケータイ再起動 KDDIは1月27日、ユーザーが持ち込んだ古いケータイを充電して、再起動させるイベント「おもいでケータイ再起動」を函館で開催した
おもいでケータイ再起動 函館新聞社とコラボ開催。一人一人の思い出を記事化する「おもいで新聞」も制作された

ケータイメーカー十数社分の充電器を確保

 「おもいでケータイ再起動」は、参加者が持ち込んだ電源が入らなくなったケータイ(フィーチャーフォン)を復活させるイベントだ。古くなったケータイには、使っていた人の歴史が刻まれている。イベントに参加したある男性のケータイには、10年ほど前に孫が生まれ、初めての七五三を迎える成長の記録が写真として残されていた。

おもいでケータイ再起動 男性が持ち込んだのは2台のケータイ。1台には愛犬の写真が、もう1台には生まれたばかりの孫の写真が残されていた
おもいでケータイ再起動 「おもいで新聞」では記者が体験の感想を記録して、その場で記事にまとめる
おもいでケータイ再起動 ラミネート加工された記事が記念品として手渡される

 数百枚の写真や、家族や友人とのやりとりが残されたフィーチャーフォンも、いつか動かなくなるときが来る。充電器がなくなってしまうこともあれば、バッテリーが劣化して起動できなくなることもある。

 おもいでケータイプロジェクトでは、そんな電源が入らなくなった復活させるための体制を整えている。フィーチャーフォン時代はメーカーやキャリアによって形状が違った充電器は、撤退したメーカーも含めて十数社分を確保。バッテリーの劣化により起動しなくなった電池を一時的に復活させるための専用の機材まで準備している。

フィーチャーフォンの電池パックを、専用の機器を使って充電する様子
おもいでケータイ再起動 電池パックの充電後、電源を入れる緊張の一瞬
おもいでケータイ再起動 復活した携帯に入っていた写真を、赤外線通信対応のプリンタで印刷するサービスも

ユーザーの声から生まれた企画、体験者数は1万人を突破

 KDDIにとって、おもいでケータイプロジェクトは直接利益を生む事業ではない。参加料は無料で、auユーザーでなくとも参加できる。au以外のキャリアのフィーチャーフォンも持ち込み可能(スマートフォンは対象外)。プロジェクトを統括するKDDIの西原由哲氏は、「auブランドを身近に感じていただける機会であり、KDDIの社員にとってもお客さまを身近に感じる機会になっている」と語る。

おもいでケータイ再起動 KDDIの西原由哲氏(左)と、函館新聞社の佐藤純氏

 7年目を迎える「おもいでケータイ再起動」。これまで44都道府県で開催し、2023年度には全都道府県で開催を達成する見通しだ。体験者は累計で1万人を突破している。auユーザーは約半数で、他キャリアのユーザーの参加者も多い。

おもいでケータイ再起動 体験者は1万人を突破した
おもいでケータイ再起動 全国各地でイベントを開催し、残る3県でも順次実施予定としている

 おもいでケータイプロジェクトは、2016年にauブランド20周年をきっかけに誕生した。その年、KDDIの「TIME&SPACE(現:KDDIトビラ)」が懐かしのケータイを紹介するWebサイト「auケータイ図鑑」を公開したところ、SNSで大きな話題を呼んだ。

おもいでケータイ再起動 おもいでケータイ企画のきっかけとなった「auケータイ図鑑」

 「auケータイ図鑑を公開した直後から、Twitterでは大きな反響がありました。ケータイ図鑑を見た人たちが『このケータイを昔使ってた!』と、昔のケータイの写真をツイートし始めたのです」(西原氏)。

 そこで、TIME&SPACEでは、投稿写真を紹介する「みんなのケータイ図鑑」を公開したところ、こちらも投稿写真が多く集まってきた。このとき、西原氏は電源が入っていない状態で写真を撮って投稿しているユーザーが多いことに気付く。「そのとき、充電器がないのだろうだろうから、イベントなどの場で用意したら喜ばれるだろうと考えたのが、このプロジェクトの発端でした」(西原氏)

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