ChatGPTはどこまで“使える”ツールなのか いろいろ質問してみて分かったこと(1/2 ページ)

» 2023年03月16日 10時48分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 OpenAIのAI言語モデルを活用したチャットサービス「ChatGPT」。簡単にいうと、膨大なデータを学習し、幅広い分野の質問に詳細な回答を即座に生成してくれるものだ。2022年3月時点では基本無料で使え、メディアやSNSを中心に話題となっている。なお、月額20ドルの有料サービス「ChatGPT Plus」では、より応答速度が速い、新機能を優先的に利用できるといった特典がある。

【訂正:2023年3月16日14時40分 初出時、ChatGPT Plusの月額料金に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

 使い方やサービスの詳細は別の記事に譲るとして、この記事では実際に使ってみて、回答の正確性がどうなのか、日本語としてどうなのか、日常生活のどんなときに使えそうなのか――これらについて、簡単にレビューしていきたい。なお、今回は3月15日に提供された新たな言語モデル「GPT-4」ではなく、無料で利用できる「GPT-3.5」で試している。

 その前にまず簡単にセットアップだけお伝えしておく。セットアップは簡単だ。OpenAIのアカウントを作成し、メールアドレスと電話番号だけで簡単に会員登録できる。ちなみに、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントも流用できるので、既にアカウントを持っていれば、なおさら簡単だろう。これさえ済めば、チャット欄の画面で何かしら文字を入力し、あとは回答を待つだけだ。

何でも答えてくれるけど回答の正確性は?

 まずはITmedia Mobileにちなみ「おすすめのハイエンドスマホは?」と入力してみた。すると次のような回答があった。

ハイエンドスマホとしては、以下のようなモデルがおすすめです。

iPhone 13 Pro / 13 Pro Max

Appleの最新モデルであり、A15 Bionicチップ、5Gサポート、ProMotionディスプレイなど、最新のテクノロジーを搭載しています。また、プログレードのカメラシステムや、高品質なビデオ撮影など、スマートフォンとしては最高水準の機能を備えています。

Samsung Galaxy S21 Ultra

Samsungの最新モデルで、Snapdragon 888チップセット、5Gサポート、120Hzディスプレイなど、高性能なスペックを誇っています。また、108MPのメインカメラ、10倍光学ズームなど、高品質なカメラシステムを備えています。

Google Pixel 6 Pro

Googleの最新モデルで、Google自身が設計したTensorチップセットを搭載しており、高速で滑らかなパフォーマンスを提供します。また、50MPのメインカメラ、4倍の光学ズームなど、高品質なカメラシステムを備えています。さらに、最新のAndroid 12オペレーティングシステムを搭載しています。

これらのハイエンドスマホは、高価ですが、最新のテクノロジーや機能、パフォーマンスを備えており、高品質な写真やビデオを撮影することができます。ご自身のニーズに合わせて、適したモデルを選んでください。

ChatGPT AI 「おすすめのハイエンドスマホは?」と入力した場合の回答

 これらは2021年に登場したものの中でも特に有名なハイエンドスマートフォンであり、次期Galaxy Sシリーズ登場の2022年1月までなら参考になりそうな回答といえる。だが、時は既に2023年3月。最新の情報を得たければ、チャット欄に「2023年」というワードを入力しなければならない。

 試しに「2023年3月時点でおすすめのハイエンドスマホはある?」と聞いたところ、最新のiPhone 14 Proシリーズ、Galaxy S22 Ultra、Google Pixel 7 Proがピックアップされた。やはり肝になるのはワード抜けかもしれない。いつ時点でどのような情報を必要としているのかを示さなければ、最新の回答は得られないことが分かった。

 ただ、提示される情報は決して不正確なものではない。ディスプレイサイズを含む細かいスペックまではないが、OS、メインカメラの画素数、プロセッサといった基本的な情報は得られる。最後の回答としては「自身に合うモデルを選ぶ」にとどまっていて、あながち誤った回答ではないと思われる。

ChatGPT AI 「2023年3月時点でおすすめのハイエンドスマホはある?」と入力した場合の回答

 次に「PayPayはどんなサービス?」と入力してみると、以下のような回答があった。

PayPayは、スマートフォンを利用してお金のやりとりができる、キャッシュレス決済サービスです。日本のIT企業であるソフトバンクとヤフーが共同出資しているPayPay株式会社が提供しています。

PayPayは、スマートフォンにアプリをインストールすることで利用できます。利用者は、クレジットカードや銀行口座をアプリに登録することで、店舗での支払いやネットショッピング、送金などができます。また、PayPayの利用者同士での送金も無料でできるため、友人や家族間でのお金のやりとりにも便利です。

PayPayは、利用者にとってのメリットとして、ポイント還元キャンペーンやクーポン配布、キャッシュバックなどの特典が豊富に用意されていることが挙げられます。また、PayPayを導入している店舗が増えてきており、キャッシュレス決済が利用できる場所が拡大しています。

日本政府もキャッシュレス決済の普及を促進する施策を進めており、PayPayなどのキャッシュレス決済サービスは今後ますます普及が期待されます。

ChatGPT AI 「PayPayはどんなサービス?」と入力した場合の回答

 こう聞くと、何か肝心な情報が不足しているような気もする。それはPayPayで主に用いられるQRコードとバーコードだ。冒頭で「お金のやりとりができる」とあり、2段落目でお金のやりとりの具体的な内容が挙げられているのは確かだが、コード決済サービスである点も具体的に回答してほしいところだ。

 PayPayは基本的にはQRコードをユーザーがアプリで読み取る「ユーザースキャン(スキャン支払い)」方式と、ユーザーが提示したバーコードやQRコードを事業者側がレジなどで読み取る「ストアスキャン(コード支払い)」で決済ができるサービスだ。送金などはその付加機能にすぎず、基本的な機能ではない。情報の精度についてはまだ改善の余地があると感じた。

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