Googleのスマートフォン「Pixel 7a」が正式発表された。
Pixel 7aは2022年7月発売の「Pixel 6a」の後継で、同年10月発売の「Pixel 7」の廉価版という位置付け。これら3モデルの違いについて、比較表を交えながらお伝えしていく。
まずは価格から。Google ストア価格(全て税込み)はPixel 7が8万2500円、Pixel 6aが5万2900円、Pixel 7aが6万2700円だ。Pixel 7aはPixel 7より1万9800円安く、Pixel 6aより9800円高いことになる。
注目はプロセッサ。Pixel 7aはPixel 7と同じTensor G2を搭載する。こちらは1枚チップにCPU、GPUの他、機械学習ベースのAI(人工知能)処理を担う「TPU(Tensor Process Unit)」と、カメラのイメージセンサーから入力されたデータを映像に変換する「ISP(Image Process Unit)」などを結合したものだ。機械学習、音声認識、AIの強化により、通話音声の改善、バッテリー駆動時間の増加、写真と動画の画質向上を実現したという。
加えて、独自設計のセキュリティチップTitan M2を組み合わせることで、強固なセキュリティを確保しているという。
次にメモリとストレージを見てみる。メモリはPixel 6aが6GBだったのに対し、Pixel 7aはPixel 7と同じ8GBになる。ストレージはPixel 7なら128GBと256GBから選べるが、Pixel 6aとPixel 7aは128GB固定だ。どちらもストレージを拡張できるmicroSDメモリカードには対応しないため、たくさんデータを保存したいなら、購入時に大容量のストレージを選んでおく、もしくはクラウドストレージサービスを活用しよう。
続いてアウトカメラを見てみる。構成は広角と超広角の2眼でPixel 6aや7から変更はない。広角カメラのイメージセンサーは約6400万画素となったが、4画素を1つとして扱うクアッドベイヤー配列とし、集光量を高めた。最大8倍のデジタルズームに対応する点や、消しゴムマジックに対応する点はPixel 7と共通しているが、Pixel 7にあってPixel 6aにはなかったボケ補正機能が加わった。Tensor G2のTPU(機械学習用プロセッサ)などを活用し、撮影した写真のブレやボケを補正する。写真のブレ/ボケ補正は、撮影後でも行えるという。
インカメラはPixel 7が約1080万画素/F2.2、Pixel 6aが約800万画素/F2.0、Pixel 7aが約1300万画素/F2.2となっている。
ディスプレイは3機種ともに液晶ではなく有機ELを採用。常時表示に対応し、サイズはPixel 7が6.3型、Pixel 7aとPixel 6aが6.1型。解像度は1080×2400、比率は20:9で3モデルとも横並びだが、リフレッシュレートはPixel 6aの最大60Hzから最大90Hzへ向上した。カバーガラスはPixel 7がCorning Gorilla Glass Victusだったのに対し、Pixel 7aとPixel 6aはCorning Gorilla Glass 3となっている。Gorilla Glass Victusは固く粗い表面への耐落下性が最大2mだが、Gorilla Glass 3は傷がつきづらい点がうたわれている。
バッテリーの容量はPixel 6aの4410mAhよりやや少なく、Pixel 7の4355mAhよりやや多い4385mAhとなっている。3機種とも30W USB-C充電器による急速充電をサポートしている。aシリーズ初のワイヤレス充電対応もポイントだが、他のデバイスに対してワイヤレスで給電するバッテリーシェアには対応しない。
防塵(じん)・防水レベルについて、Pixel 7は防塵等級が「6=粉塵が内部に侵入しない」、防水等級が「8=連続的に水中に置いても有害な影響がない」でIP68等級だが、Pixel 7aとPixel 6aは防塵等級が「6=粉塵が内部に侵入しない」、防水等級が「7=一定の水圧で一定時間(30分間)水中に浸けても有害な影響がない」でIP67等級にとどまる。
背面のガラスはPixel 7がGorilla Glass Victus、Pixel 7aがGorilla Glass 3、Pixel 6aが高温で成形された3D複合素材カバーガラスだ。
初期OSはPixel 6aがAndroid 12、Pixel 7aとPixel 7はAndroid 13をプリインストールしている。セキュリティとOSに関しては最大5年のアップデートが保証されている。
通信規格に関してはこれまで度々指摘されていたn79に対応したのがポイント。n79(4.6GHz帯)は日本の携帯キャリアの中で、NTTドコモだけに割り当てられているバンド。衛星との干渉が少なく、ドコモが2020年夏から出力を上げたマクロ局の展開で有利に働く。
一方、日本や中国など、一部の国で扱われるバンドでもあることから、n79が採用されないケースがほとんどだ。n79対応でドコモとしても瞬速5G対応機種として、Pixel 7aを売り出しやすくなったはずだ。
最後にサイズと重量をチェックする。Pixel 7aの幅はPixel 7より1.9mm細く、Pixel 6aから1.1mm増えた。高さはPixel 6aより0.2mm、Pixel 7より2.9mm低くなった。厚さはPixel 6aから0.1mm、Pixel 7から0.3mm増した。重量はPixel 7より3.5g軽いが、Pixel 6aより15.5g重い。
【訂正:5月11日17時00分】初出時、Pixel 7のディスプレイサイズに誤りがありました。お詫びして訂正いたします
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