Galaxy AIは、テキスト入力機能「Samsung キーボード」にも組み込まれている。生成AIを使って文章のスタイルを変更したり、入力した文章を外国語に翻訳したり、外国語のスペルをチェックしたりできる。入力欄を自動で認識して読み取るため、手軽に使えるようになっている。チャットの翻訳機能はオフラインで動作する。チャットアシスト機能の文体変換やスペルチェックはオフラインで動作しないため、クラウドを利用しているようだ。
チャットアシスト機能の「文章のスタイル」はより丁寧な言い回しや、SNS風の親しみやすい言い回しを提案する機能だ。「オリジナル」「プロフェッショナル」「カジュアル」「#SNS」「丁寧」「絵文字化」といった文章に変換できる。入力欄があれば、どのシーンでも利用できる。この機能はクラウド接続が必要となる。
例えば、以下のようなテキストを入力したとする。
編集長、原稿が終わりません!!
助けてください!
「フォーマル」を選んで変換すると、以下のような文章になる。
こんにちは、編集長。
原稿の締め切りが迫っていますが、まだ完成していません。
ご多忙中とは存じますが、ご協力をお願いできますでしょうか。
「丁寧」ではこのように変換される。
編集長、原稿が間に合いそうにありません。
お手伝いいただけますでしょうか。
「#SNS」では、このようになる。
助けてください!(号泣顔の絵文字) #原稿 #締め切り #SOS
「フォーマル」はビジネスメールで使えそうな言い回しで、「丁寧」はSlackのようなビジネスメッセンジャーで気軽に使えそうだ。「#SNS」は、Instagramで見かけるようなハッシュタグを多用したトーンに変換される。「カジュアル」は、LINEやDiscordでの会話に自然になじむ言い回しになるが、ただ、普段の発言を知っている人からすると、まるで別人になったかのように感じられるかもしれない。
この機能のいいところは、文字入力アプリに組み込まれている点だ。ChatGPTのような生成AIツールに指示を与えれば、同じような文章スタイルの変換はできるだろう。しかし、Galaxy AIではこの機能が入力画面からワンタップでアクセスできるので、より手軽に利用できる。また、変換後の日本語の言い回しも自然で違和感がないため、日常のやりとりにサラッと織り交ぜて使えそうだ。
スマホ上のチャットアプリで表示されたメッセージの翻訳もできる。この機能はオンデバイスで動作し、メッセージの内容を逐次翻訳する。翻訳文はアプリのUI(ユーザーインタフェース)になじむように表示される。
対応アプリはLINEメッセージ、+メッセージ、WhatsApp、シグナル、Instagram(DM機能)、カカオトーク、Googleチャット、Tangoなど。 X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSアプリではこの機能は利用できない。意外なところでは、Facebookメッセンジャーは対応していない。
チャットアシストにはスペルチェック機能もある。スペルの誤りを認識して、修正案を提案する。修正案はそのまま入力欄に貼り付けられるため、手間をかけずに文章を見直せる。
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