秋山社長は、povoの将来的な展開について、さらに踏み込んだビジョンを示した。
まず、APIの開放について言及した。「将来的には、個人がアプリを作り、povoのSDKを組み込めるような世界を目指している」と秋山社長は述べた。povoのプラットフォームがより広範な開発者コミュニティーに開かれれば、通信と連携するアプリの裾野が広がることになりそうだ。
また、グローバル展開の可能性も示唆した。秋山社長は「日本だけでなく、例えばシンガポールで事業を広げたいという話があったとき」を想定し、海外のテレコム事業者とのパートナーシップによる展開を視野に入れていると述べた。現在はKDDIのネットワークを利用しているが、将来的には海外のMNO(移動体通信事業者)とも連携し、サービスを展開する可能性がありそうだ。
povo3.0の将来像がシームレスに溶け込む通信サービスとして示された一方で、気になるのは現状の個人向けサービス「povo2.0」がどう変わるのかだ。今回の講演ではその具体的な方向性は示されなかった。
ただし、秋山社長は継続的な改善の可能性について言及している。その1つは、IDのオープン化で、メールアドレス以外でのログインを可能にするものだ。また、クレジットカード以外の支払い方法も改善項目の候補として示された。
povo 2.0がアジャイル開発手法を採用していることを考えると、今後もさまざまな新しいトッピングや機能が試験的に導入され、ユーザーの反応を見ながら迅速に改善することが予想される。
povo3.0で示されたB2B2Cモデルの考え方を一部取り入れ、povo 2.0でもさまざまな企業とのコラボレーションが進む可能性がある。例えば、人気ゲームとタイアップした「ゲーム専用データトッピング」や、音楽ストリーミングサービスと提携した「音楽聴き放題トッピング」など、特定のサービスに特化したトッピングが登場するかもしれない。ユーザーの反応を迅速に分析し、人気の高い機能を正式サービスに組み込んでいくことで、povo 2.0は常に進化し続けるサービスとなっていくだろう。
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