機能面では、6mまでの水深を検知できるようになったことが従来モデルまでとの大きな違いだ。「Apple Watch Ultra 2」は水深40mまで対応しているが、それと比べると浅い。ダイビングのようにより深く潜る場合にはApple Watch Ultra 2、シュノーケリングのように少しだけ潜る場合にはApple Watch Series 10という形ですみ分けが図られているようだ。
実際、筆者は旅行の際にシュノーケリングを楽しむことはあるが、ダイビングは訓練などのハードルもあるため、あまりやろうと思ったことがない。Apple Watch Ultraが登場した際にも、自分にはあまり関係のない機能かな……と思ってしまった。これがシュノーケリングで使えるとなると、がぜん興味がわいてくる。よりライトに、海で遊びたい人に向け機能を絞り込んでいるといえそうだ。その方が、UltraではないApple Watch向きだ。
水深計は、Apple Watchが水につかると自動的に起動する。コンプリケーションやアプリから呼び出すことも可能だ。シュノーケリングの記録は、Huish Outdoorsの開発した「Oceanic+」で取ることも可能だ。同アプリは、Apple Watch Ultraをダイブコンピュータ化するものだが、シュノーケリングだけなら無料で利用できる。Apple Watch Series 10にも対応しているため、ぜひインストールしておきたい1本だ。
また、スピーカー部分のデザインが変わり、音楽の出力に対応した。Apple Musicで音楽を流してみたが、Apple Watchから音楽が流れるのは新鮮。これまでのApple Watchも着信音や電話の音声がスピーカーから流れていたが、より用途が広がった格好だ。ただし、音質はiPhoneなどのスマホと比べると、ペラペラな印象。スマホを持っているときに、あえて使うようなクオリティーではない。単体利用時に流すとなるとシチュエーションを選ぶため、使いどころが少々難しい気もした。
最後に睡眠時無呼吸症候群の検出だが、こちらは残念ながら、通知が届くのに30日程度の利用が必要になるため、今回のレビューでは試すことができなかった。筆者が睡眠時無呼吸症候群でなければそもそも検出されないため、なかなかレビュー泣かせの機能といえる(その方が、健康ということで悲観すべきことではないのだが……)。
薄く、軽くなったApple Watch Series 10は、過去最高のクオリティーだと評価できる。着け心地もいい。特に、これまでステンレススチールを使っていた人は、その軽さに驚くはずだ。高級感はそのままに、装着感のよさを両立しているところは、高く評価できる。Series 8以前からの機種変更であれば、親指と人差し指をダブルタップで操作できる機能も新たに使えることになる。新たにApple Watchを使い始める人はもちろん、既存モデルからの買い替えにもオススメできる1台だ。10年の集大成を、ぜひ体験してみてほしい。
(製品協力:アップルジャパン)
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