ステンレススチールからチタニウムに変わったことで、カラーリングも変更されている。Series 10のチタニウムモデルは、「ナチュラル」「スレート」「ゴールド」の3色。ステンレススチールで定番的な存在だった「シルバー」が存在しない。また、「スペースブラック」も用意されていない点には注意が必要になる。試用したのはナチュラル。装着しているバンドも、ナチュラルのミラネーゼループだ。
チタニウムでナチュラルと聞くと、Apple Watch UltraシリーズやiPhone 15 Pro/15 Pro Maxのような仕上げを想起するかもしれないが、実物を見ると、仕上げは限りなくステンレススチールに近い。チタニウムの持つざらつき感は一切なく、逆に磨き上げられてキラリと光り輝いている。Apple Watch Ultraのような“チタン感”を期待した人には肩透かしかもしれないが、これまでステンレススチールを選んでいた人は安心してチタニウムケースを選択していい。
先ほどから比較のためにたびたび登場している私物のSeries 8はステンレススチールのシルバーだが、ナチュラルと並べてみてもあまり違いは感じられない。蛍光灯に当てると、ややナチュラルの方が黄色みがかっているように見えるが、ぱっと見でどちらがどちらかを言い当てるのは難しいような気もする。シルバーはApple Watch Hermesだけの色になってしまった一方で、通常モデルであればナチュラルを選んでおけば、従来のシルバーに近い印象になる。
これはミラネーゼループのバンドも同じだ。こちらも同様にシルバーからナチュラルに変更されたが、色味は非常に近い。ただし、面積や加工の関係もあって、本体の色よりは黄色みが強いようにも見える。Series 9までのシルバーと並べると、一目瞭然だ。どちらかというと、ナチュラルの方が肌になじむ印象で少し柔らかな見た目になる。本体以上に、こちらの方が好みが分かれそうだ。
ただし、既にシルバーのミラネーゼループを持っているのであれば、それを装着してもいい。Apple Watch Series 10でも、バンドの互換性は維持されている。42mmは41mmや40mmなど、46mmは45mmや44mmなどのバンドをそのまま利用可能だ(一部、ギリギリの設計になっているサードパーティーのバンドははまらないこともある)。先に述べた通り、本体のカラーリングはシルバーのように見えるため、ナチュラルの本体にシルバーのバンドを組み合わせても、違和感はほぼない。終売してしまったのが残念なほどだ。
個人的には、光沢感の強く、高級感もあったステンレススチールのケースを気に入っていた。Series 10発表時に、チタニウムを採用したと聞いたとき、その質感が失われてしまうのでは……と頭によぎったが、それは杞憂だった。むしろ、素材を変え、軽量化したことのメリットが大きい。これまでステンレススチールを選んでいた人ほど、その差に気付きやすいはずだ。
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