3年ぶり「iPad mini(A17 Pro)」は何が進化した? 「iPad mini(第6世代)」からの変更点まとめ

» 2024年10月17日 09時56分 公開
[田中聡ITmedia]

 10月15日に突然発表された「iPad mini(A17 Pro)」。3年ぶりのminiということで、心待ちにしていた人も多いだろう。それでもこの日に発表されるとは予想しておらず、意表を突かれた人も多かったのではないだろうか。そんなiPad mini新モデルでは何が変わったのか。約3年前に発売された先代の「iPad mini(第6世代)」と比較しながらチェックしたい。

iPad mini(A17 Pro) 10月23日に発売される「iPad mini(A17 Pro)」

見た目は全く同じ

 まず、Appleの公式画像を見る限り、iPad mini(第6世代)から見た目は全く変わっていない。サイズと重量は同じで、ディスプレイサイズも8.3型で変更ない。P3の色域やTrue Tone、反射防止コーティングなども継承している。カラーバリエーションは、先代のピンクがなくなった代わりにブルーを採用。スペースグレイ、パープル、スターライトは同じだ。

iPad mini(A17 Pro) 外観は見分けが付かないiPad mini(A17 Pro)とiPad mini(第6世代)

プロセッサが2世代アップデート

 性能面で大きくジャンプアップしたのがプロセッサだろう。iPad mini(第6世代)のA15 Bionicから2世代上のA17 Proを搭載。6コアCPUと5コアGPUを備えており、先代からCPUは最大30%、グラフィックス性能は最大25%の向上を果たしている。ちなみにiPhoneでいうと、A15 BionicはiPhone 13シリーズが搭載、A17 ProはiPhone 15 Pro/15 Pro Maxが搭載。iPad mini(A17 Pro)はiPhone 15 Pro並みの性能を持つことになる。

 プロセッサの進化により、Appleの生成AI「Apple Intelligence」も利用できるようになった。Apple Intelligenceは10月下旬に配信される予定のiPadOS 18.1で米国英語から提供されるが、日本語での提供は2025年以降。グラフィックスを駆使するような高負荷のゲームをプレイする際は、A17 Proの恩恵を感じられるだろう。

iPad mini(A17 Pro) Apple Intelligenceではテキストの校正や画像の生成などが可能だが、2024年時点では米国英語でしか対応しない

カメラもほぼ同じ、Touch IDは継承 64GBが消えて512GBを採用

 1200万画素のアウトカメラ、同じく1200万画素でセンターフレームに対応したインカメラも大きな変化はない。強いて言えば、写真のスマートHDRのバージョンが3から4になったくらいだ。ステレオスピーカー、トップボタンに搭載したTouch ID、バッテリーの持続時間も変わらない。Face IDにはどちらも対応していない。

 ストレージはiPad mini(第6世代)の64GBがなくなり、128GBスタートとなった。256GBは両モデルとも選べるが、iPad mini(A17 Pro)では新たに512GBが選べるようになった。

iPad mini(A17 Pro) カメラは1200万画素のシングル構成

USBの転送速度やWi-Fiの通信速度が向上 SIMはeSIMオンリーに

 USB Type-CはUSB 3をサポートし、転送速度はiPad mini(第6世代)の最大5Gbpsから2倍高速の最大10Gbpsにアップ。モバイル通信は5Gに対応。Wi-Fiは、先代よりも2倍高速となるWi-Fi 6Eをサポートする。Bluetoothのバージョンは先代の5.0から5.3となった。

 通信関連の変化として、これまでminiで採用していたnanoSIMがなくなり、eSIMのみとなった。iPhoneやiPad同士なら「クイック転送」を利用すれば、eSIMのデータは簡単に移せるが、AndroidとiPadではクイック転送は利用できず、別途キャリアショップやWebサイトからeSIMの申し込みをする必要があるので注意したい。

Apple Pencil Proが利用可能に

 もう1つの変化が、Apple Pencilがより高性能な「Apple Pencil Pro」を利用できるようになったこと。スクイーズでパレットを表示する、触覚フィードバックやホバーに対応するといった特徴を持つ。なお、先代では利用できた第2世代のApple PencilはiPad mini(A17 Pro)では利用できないので、Apple Pencil Proをそろえるには、追加で2万1800円のコストがかかることは覚えておきたい。

iPad mini(A17 Pro) 触覚フィードバックやホバー、「探す」機能などに対応したApple Pencil Proを利用できる

価格は良心的な設定

 最後に価格について見ていこう。iPad mini(第6世代)は円安の影響もあって何度か値上げを繰り返し、最終的な価格は64GBが8万4800円から、256GBが11万800円からだった。これに対し、iPad mini(A17 Pro)は128GBが7万8800円からで、値上げ後のiPad mini(第6世代)よりも安くなっている。Wi-Fiモデルなら7万円台でiPhone 15 Proと同じ性能のiPadが手に入ると考えるとお得感は高い。256GBモデルは1万6000円の値下げとなった。

iPad mini(A17 Pro) Wi-Fiモデルなら7万8800円からなのでコストパフォーマンスは高いといえる

 3年ぶりの新機種ということで、さらなる狭額縁化や薄型化、Face ID対応などもう少し大きなアップデートが欲しかったところ。順当に進化はしているが、iPad mini(第6世代)がまだ問題なく使えているのなら、乗り換えるかどうかは悩ましい。一方、A17 ProのパフォーマンスやApple Pencil Proに魅力を覚えた、将来的にApple Intelligenceを使いたいという人は、乗り換える価値はあるだろう。

iPad mini(A17 Pro) iPad mini(A17 Pro)とiPad mini(第6世代)のスペック比較

【訂正:2024年10月17日19時30分 初出時、スペック比較表の中で、Wi-Fiの対応規格に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

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