鉄道の「自動改札機」はどのように進化したのか 97年の歴史と未来の姿(2/3 ページ)

» 2024年11月24日 10時00分 公開
[岸田法眼ITmedia]

自動改札機にまつわる2つの課題

 自動改札機が普及しても課題は2つあった。

 1つ目は不正乗車。磁気乗車券および入場券は入場の記録がなくても、出場(下車)が簡単にできることからキセルがしやすい難点があった。1994年9月1日(木曜日)に阪急電鉄がフェアライドシステムを導入。成果を得たことで、同業他社にも波及した。

 2つ目は1枚しか投入できないこと。在来線は基本的に1枚で十分だが、新幹線などは乗車券と特急券の2枚を持つ乗客が多いことから、改札は従来通り係員が目視していた。

 2枚以上の投入に対応すべく、JR西日本は開発に乗り出し、1996年12月から大阪環状線鶴橋で供用を開始。近鉄との乗り換え改札に設置され、最大3枚の投入に対応した。

 JR東海も東海道新幹線に最大4枚まで投入可能の自動改札機を導入することになり、1996年11月に試作機を開発。2年にわたる検証の末、1998年2月から10月にかけて供用を開始した。

交通系ICカードの普及、QRコード乗車券の台頭で投入口が消える

 2001年11月18日(日曜日)、JR東日本の首都圏エリアで交通系ICカード、Suicaの運用を開始。当初、自動改札機は新型と改造の2種類でまかなわれていた。その後、エリアの拡大、同業他社との共通利用、電子マネーとしての利用が可能になると、乗車券の購入客が減少していった。

 JR東日本などはIC専用の自動改札機を導入し、きっぷの投入口をなくしたことでメンテナンスの省力化を図った。また、無人駅や自動改札機を設置する必要性がない駅についても、簡易型のIC専用改札機を導入し、エリア拡大や利便性の向上につなげた。

 2010年代に入ると、QRコード乗車券用の自動改札機も登場。きっぷを磁気式から普通紙に変更し、QRコードを印刷することで、コストの削減を図った。多くは交通系ICカードにも対応しており、利便性の維持に努めている。

 関西では、スマートフォンによるデジタル乗車券の導入にも積極的で、駅の一部の自動改札機を改造して設置。QRコードの読み取り口を右斜めにするところもあり、左手でも容易にタッチできるようにしているものと思われる。

自動改札機 近鉄河内山本駅のQRコード対応の自動改札機

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  7. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  8. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  9. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
  10. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー