スマホ料金は「ポイ活」と「中容量強化」が進み、通信品質の重要性も増す――2024年のモバイル業界を振り返る石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2024年12月28日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]

激化する中容量帯の価格競争 ahamoの30GB化で奇襲をかけたドコモ

 値下げが一服した携帯電話料金だが、中容量プランはその限りではない。料金据え置きのままデータ容量を増量させることで、実質的な値下げを行う動きが相次いだのも2024年の特徴だ。この中容量プランでの実質値下げを仕掛けたのは、ドコモだ。同社はサービス開始以来、20GBだったahamoのデータ容量を10月に30GBに変更。10GBもの増量にもかかわらず、料金は2970円のまま据え置きにした。

ドコモ 中容量プランの30GB化を仕掛けたのは、ドコモだった。同社は10月にahamoのデータ容量を10GB追加し、30GBプランにした

 この動きにすかさず対抗したのは、ahamo対抗として20GBと10分間の音声通話定額をセットにした「コミコミプラン」を展開していたUQ mobileだ。同社は、11月に新料金プランの「コミコミプラン+」を開始。ahamoとは異なり、既存ユーザーのプラン変更は必要になるが、こちらも料金を3278円のまま、データ容量を30GBに増量した。さらに、終了期間未定のキャンペーンとして、10%増量特典を用意し、合計データ容量を33GBにすることでahamoに対抗している。

UQ mobile KDDIもahamoに対抗。UQ mobileにコミコミプラン+を導入した。そのデータ容量はahamoより3GB多い33GBだ

 ソフトバンクのLINEMOは、ahamoやUQ mobileのデータ容量増量のあおりを受けてしまった格好になる。LINEMOは、7月に新料金プランの「LINEMOベストプラン」「LINEMOベストプランV」を開始。後者のLINEMOベストプランVは、20GBを超えると30GBまで料金が上がる段階制を採用していた。ユーザーのデータ使用量拡大に合わせ、20GBを超えた際に料金が上がることでARPUを増やしていく狙いがあったとみていいだろう。

LINEMO ソフトバンクは7月にLINEMOの料金プランを改定したばかり。ahamoやUQ mobileの料金改定により、3カ月もたたずに右のLINEMOベストプランVが競争力を失ってしまった

 ところが、ahamoやUQ mobileが相次いで料金の据え置きのまま30GB化したことで、LINEMOベストプランVは他社との比較で割高になってしまった。これを受け、ソフトバンクは6カ月間限定だった20GBを超えた際に料金が変動しないキャンペーンを永続化。LINEMOベストプランVを事実上の30GBプランに変更した。現状では20GBを超えたときの料金である3960円から990円を割り引く形だが、同社は今後、料金プランそのものを改定することも示唆している。

 ドコモがいち早くデータ容量改定に踏み切ったのは、ahamoの解約率が他の料金プランと比べ、高止まりしていたからだという。6月に同社の代表取締役社長に就任した前田義晃氏は、「ahamoユーザーの声を調査したところ、経年的な利用量の増加に対してデータ容量が不足していた」と語る。容量を超えて通信速度が低下し、不満がたまったことでahamoからの解約につながっていたというわけだ。データ容量増量の結果、解約は「止まっているが、ポートイン(獲得)にもだいぶ効果が出てきている」(同)という。

ドコモ ドコモは顧客基盤強化の方針を掲げている。ahamoの改定も、獲得効果が大きかったという

 こうした実質値下げの背景には、楽天モバイルが契約数を順調に伸ばしていることもある。同社の契約者数はMVNOやMVNEまで含めて11月に812万まで増加。法人契約が伸びている他、特定の層を狙ったポイント還元施策の「『最強こどもプログラム』や『最強青春プログラム』で若い方のシェアが拡大している」(楽天モバイル代表取締役共同CEO 鈴木和洋氏)影響も大きい。9月には、「デモグラフィック(人口属性)的に高齢者層が弱かった」(楽天グループ 代表取締役会長兼社長最高執行役員 三木谷浩史氏)課題を克服するため、「最強シニアプログラム」を導入し、同社の勢いは増している。

楽天モバイル 最強家族プログラムを皮切りに、最強青春プログラム、最強こどもプログラム、最強シニアプログラムを相次いで導入した楽天モバイル

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月06日 更新
  1. スマホ大型化の裏で高まる「小型音楽プレーヤー」待望論 現役ウォークマンか、“ポストiPod”のiPhone SEか (2026年04月05日)
  2. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【4月5日最新版】 チャージで最大2万ポイント還元のチャンス (2026年04月05日)
  3. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【4月4日最新版】 ポイント10倍多数、1万ポイント還元も (2026年04月04日)
  4. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【4月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のチャンスあり (2026年04月03日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. 皆さん、パソコンやスマホを何で持ち運んでいますか? 私はリュックサックです (2026年04月04日)
  7. 選択肢が増えた「Starlink衛星とスマホの直接通信」 ドコモとauのサービスに違いはある? (2026年04月02日)
  8. LeicaコラボのXiaomiスマホ「Leitzphone」、中国モデルはデザインと名称が異なる (2026年04月05日)
  9. au PAYとPontaのキャンペーンまとめ【4月2日最新版】 1万ポイント還元や30%還元のチャンスあり (2026年04月02日)
  10. 「小型iPhone SEを復活させて」──手放せない理由SNSで話題 どこが“ちょうどいい”と評価されるのか (2025年11月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年