MVNOでもeSIMで海外ローミングを JCOMが「Airalo」と提携した狙い、J:COM MOBILEはシェア4位に躍進:MVNOに聞く(2/3 ページ)

» 2025年01月22日 10時45分 公開
[石野純也,ITmedia]

日本語でのサポート体制を強化 その中で「電話対応をやめた」ワケ

―― その意味だと、サポート体制の強化が重要になりそうです。

西林氏 日本語でのサポート体制を強化する話は進めていたのですが、今回の取り組みはかなり強い動機になりました。一方で、サポートに関していうと、日本だけでなく、海外でもとんでもない質問は来ます(笑)。われわれはそういったことに慣れている事業者なので、その辺のことは大丈夫だと思っています。

山部氏 お客さまが必ずしもこういったことを得意としているわけではないので、われわれも日本語でのサポートはお願いしていました。早い段階から日本語で対応していただくような動きをしていただけたので、そこに対する心配はまったくなく、話はスムーズに流れていきました。日本市場で、日本の方に使っていただきたいと思っていることは強く感じることができました。

―― 実際に多いのは、どういう問い合わせでしょうか。

西林氏 全体的に見て一番多いのは、「設定がこれで正しいのか」というものですね。過去によく受けていた問い合わせは、(eSIMのことを)ちょっとは知っているような質問が多かったです。「この設定のここは大丈夫か」といった形で、具体的なポイントが挙げられていました。

 一方で、最近は前提知識のないフワッとした質問も増えています。例えば、「つながらないけどどうしたらいいのか」といった質問で、これに答えるのは非常に難しい。ただ、難しいと思いつつも、いくつかのパターンはあります。そういった蓄積があるので、感覚として、これを送ればほとんどの人が分かる文面を送ることができます。

 サポートはeSIM事業者が苦労しているポイントで、サポートの仕方も電話、メール、チャットと乱立しています。Airaloも当初は電話でやりとりすることがありましたが、今はやめています。電話だと、そのままスクリーンショットを送ってもらうことができないからです。

 AiraloはeSIMストアを世界で最初にやってきた事業者で、歴史も長く、おかげさまで恐らく世界で一番利用者も多い。あまり詳しくは公表できませんが、カスタマーサポートの満足度もひどい点数がつくかと思いきや、常に90%を超えています、

UIが分かりやすく、日本人の渡航エリアをカバーしている

―― 個人的にも、Airaloは海外旅行や出張のときに活用しています。今のところサポートに頼るようなトラブルになったことはありませんが、都度プロファイルをインストールするだけで使い勝手がシンプルだと思いました。

田中氏 UI、UXがシンプルで分かりやすいですよね。われわれもさまざまなサービスを比較した際に一番いいと思いました。

山部氏 日本人が渡航しそうなエリアをちゃんとサポートしていたのも大きいです。北米やハワイもありますし、欧州、東南アジアも対応しています。

J:COM MOBILE Airaloアプリの使いやすさにもこだわっている
J:COM MOBILE 日本人がよく渡航するところを含め、200以上の国や地域をカバーしている

―― 卸での提供もあるということでしたが、よりJ:COMのサービスのように見せることもできたと思います。今のようにAiraloを直接利用してもらう形になったのはなぜでしょう。

山部氏 どこまでやるかよりも、早く手軽にやれる形でスタートしたかったからです。12月にローンチできましたが、これは年末年始に海外旅行に行く方が増えるからで、時期的に当てなければということもありました。時期やタイミングを重視した部分はあります。

 ただ、実際にはAiraloのサイトにもJ:COMのロゴは入れていただけたので、完全にセパレートになっているわけではありません。完全に融合しているわけでもありませんが、弊社のカスタマーセンターでAiraloのやっているようなことができるかというと、現実的には難しい。分かりやすくしなければいけないところとのバランスを取った結果、今の形を選択しました。J:COM色があまり出すぎると、Airaloに嫌われてしまうかもしれませんし(笑)。

西林氏 そんなことはありません(笑)。

―― 先ほどeSIMが眠ったままになっているというお話がありましたが、J:COM MOBILEでもau回線のeSIMは提供していますよね。あまり使われてないのでしょうか。

山部氏 徐々にしか使われてないですね。感触として理由だと思っているのが、物理SIMであってもeSIMであっても受けられるサービスが一緒だということです。eSIMの方がいいというユースケースを世間に打ち出せていないのが、広がっていかない要因だと思っていました。利用者視点だと関係ないことですからね。その点、AiraloはサービスとeSIMがちゃんとひも付いているところがよかったと思います。

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