ついに「ホームボタン」「Touch ID」搭載iPhoneが消える その有用性を改めて考える

» 2025年02月20日 11時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 米Appleは2月19日(現地時間)、「iPhone SE(第3世代)」の実質的な後継モデルに当たる新型「iPhone 16e」を発表した。ティム・クックCEOが告知していたもので、ついにそのベールを脱いだ。2016年の初代から実に4世代目となるiPhone SEシリーズの新モデルだ。

iPhone TouchID Appleが発表したばかりの「iPhone 16e」

 ディスプレイは、iPhone SE(第3世代)の4.7型から6.1型へと大型化し、パネルは液晶から発色がよく省電力性を見込める有機ELにアップグレードした。外部接続端子は、Apple独自規格のLightningを撤廃した代わりに、「iPhone 15」「iPhone 16」シリーズも搭載するUSB Type-Cを採用。

 これらは、iPhone SE(第3世代)からの大きな進化点といえるが、「iPhone 8」やiPhone SEシリーズでなじみ深かった、ホームボタンと「Touch ID」は廃止となり、「Face ID」に置き換えとなった。

ホームボタンの存在意義

 ホームボタンは、ディスプレイの下にあり、ロックされた状態で親指を置けば、Touch IDでロックを解除でき、1度押せば作業中の画面からすぐにホーム画面に戻れるのが便利だった。なお、「iPhone 7」以降は、物理的に押し込むタイプのボタンから、振動を生み出す「Taptic Engine」に置き換わり、物理ボタンのような感覚で扱えるようになった。

iPhone TouchID 旧iPhoneの象徴ともいえたホームボタン

ホームボタン上に搭載されたTouch ID Face IDの違いは?

 そのホームボタン上に搭載されているが、指紋認証のTouch IDだ。Touch IDは、Appleが2013年に発売したホームボタン付きの「iPhone 5s」で初めて実装された。2017年、「iPhone 8」と同時発表となった「iPhone X」では、ディスプレイの全画面化に伴い、ホームボタンとTouch IDが廃止され、代わりに顔認証システムのFace IDが採用された。

iPhone TouchID Appleが2013年に発売した、4型ディスプレイ搭載の「iPhone 5s」。Touch IDの始まりはこの機種からだ

 これ以降、iPhone SEシリーズを除き、iPhoneにTouch IDは搭載されなくなった。

 Face IDは、写真や動画の撮影に使うインカメラとは別に設けられた「TrueDepthカメラ」で利用者の顔を認証する機能だ。メーカーや機種によってはインカメラで認証を行う機種もあるが、立体的に顔を捉えない仕組み(いわゆる2D)では顔写真で突破されるリスクがある。

iPhone TouchID 顔で認証するFace ID。前面の「TrueDepthカメラ」で顔を捉え、本人かどうかを判断する

 そうしたセキュリティ面での懸念点を払拭(ふっしょく)すべく、Face IDではTrueDepthカメラで顔の「深度マップ」と「赤外線イメージ」を作成し、そのデータを登録済みのデータと照合。顔を立体的に捉えて事前に登録した顔の情報と照合することで、より安全に本人かどうかを判断する。

Touch IDはマスクしたままでも認証可も、デメリットがある

 ここからは、Touch IDとFace IDの違いについて、実体験で分かったことを踏まえ、もう少し詳しく見ていきたい。

 Face IDは経験上、マスクをした状態だと認証しづらい。iOS 15.4以降かつiPhone 12以降の機種では、Face IDの設定項目に「マスク着用時Face ID」という項目があり、マスクを着けたままでも認証できるが、マスクの着用位置が高すぎたり、目元に近すぎたりすると、解除できない場合がある。

 Apple Watchと連動させ、この問題を解消する方法もある。iPhoneとの通信範囲内にあり、手首に装着したロック解除済みのApple Watchがあれば、Apple WatchでiPhoneのロックを解除できるが、Apple Watchを所有しない人にとっては有効な手段ではない。

iPhone TouchID マスクをした状態では、認証しづらい場合があり困るFace ID。Apple Watchと連動させたロック解除が可能だが、マスク認証問題の抜本的な改善策とはいえない

 Touch IDはマスクの有無を問わず認証できるのが、Face IDにはない大きなアドバンテージだ。上に置いたiPhoneのロックを解除するためだけに、TrueDepthカメラをのぞき込んだり、手に取ったりする必要もない。

 しかし、Touch IDにもデメリットがある。Touch IDに事前登録し、認証に利用する指が水や汗でぬれていたり、砂や泥などが付着し汚れていたりすると、事前に登録した指紋でも、一致しないと判断され、ロックを解除できない。

Touch IDの選択肢が消える どうしても欲しい人はどうすべきか

 そんなTouch IDだが、いよいよiPhone SEシリーズでもFace IDに置き換えとなり、現行のラインアップにTouch IDの選択肢はなくなった。それに今後、iPhoneのフラグシップモデルに画面内指紋認証が搭載される可能性は低い、と筆者は考える。

 2025年現在からさかのぼること約8年前の2017年、ティム・クックCEO(最高経営責任者)は、Apple Special Event「Let's meet at our place.」で、Face IDを搭載したiPhone Xを「今後10年の方向性を示す新たな製品」と紹介していた。このことから、iPhoneにTouch IDが再び搭載される可能性は低いと考えられる。

iPhone TouchID Appleは2017年に「iPhone X」を発表した際、ニュースリリースの中で、iPhone Xの存在は「次の10年の始まり」と紹介していた

 では、Touch IDの利便性ゆえに、どうしてもTouch ID搭載のiPhoneを求める人は、今後どうすべきだろうか。結論からいえば、現行のラインアップからTouch ID搭載のiPhone SE(第2世代)やiPhone SE(第3世代)が消えた以上、Appleの新品ではなく中古を選択するしかなさそうだ。

iPhone TouchID Touch ID搭載のiPhone SE(第2世代)やiPhone SE(第3世代)を求めるなら、中古販売店での入手がよさそうだ

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