情シス目線で見る、社用スマホとしての「iPhone 16e」 調達コストは約59%増加だが……(3/3 ページ)

» 2025年04月28日 13時00分 公開
[Yukito KATOITmedia]
前のページへ 1|2|3       

情報の外部漏えいの心配なく生成AI機能が利用できるApple Intelligenceに対応

 iPhone 16eは、Appleの生成AI機能「Apple Intelligence」に対応しており、「作文ツール」を使ったWebサイトの要約や、書いたメールの校正、会議の内容を録音して文字起こしをする、といった業務効率を格段に向上できる使い方が可能だ。

photo 「作文ツール」を使って、閲覧しているWebサイトを要約し、情報収集の効率化を図れる。

 業務で生成AIを利用する場合、入力したデータが学習されてしまい、社内の情報が外部に漏えいするリスクを抱えており、入力したデータの学習をオプトアウトするために有償のサービスを契約する必要がある。

 しかし、Apple Intelligenceを介して入力されたデータは、iPhone 16e内のNPUと強力なプライバシー保護が施された「Apple Private Cloud Compute(PCC)」上で処理される。

 PCCは、ユーザーのデータをユーザー自身のリクエストを実行するためにのみ使用され、データは保存されない。さらに、PCCに送信されたデータはユーザー自身しかアクセスできず、Appleを含む第三者は一切アクセスできないようになっている。

 PCCの仕組みはmacOSのApple Intelligenceの制御を検討された方であれば、聞き覚えがあるかと思うが、もちろんiOSでもPCCの強固なプライバシー保護は健在だ。

 ただし、Apple Intelligenceの「ChatGPT拡張」については注意が必要だ。Apple Intelligenceは機能のさらなる拡充を実現するため、ChatGPTと連携できる「ChatGPT」拡張機能が備わっている。

photo ChatGPT拡張機能は社用スマホとして利用する場合、注意が必要……?

 ChatGPTは組織向け有料プランのTeam、Enterpriseプランであれば、ChatGPTで入力したデータはモデル学習に利用されないようになっているが、無償アカウントはその限りではない。

 ChatGPT拡張機能は、ログインできるアカウントの制御までは現状できないため、従業員が個人のChatGPTアカウントでサインインすると社外にデータが漏えいするリスクをはらんでいる。

 「ChatGPT拡張」を制限するのであれば、Microsoft IntuneやJamfなどのMDMを利用して、Apple IntelligenceのRestrictionペイロードを使って制御するか、Apple Configurator 2を使ってRestrictionペイロードを仕込んだ構成プロファイルのインストールが必要になる。

photo Microsoft IntuneなどのMDMでApple Intelligenceの機能制限が可能だ。

 Microsoft Intuneを例に挙げると「外部インテリジェンス統合のサインインを許可する」を「無効」に、「外部インテリジェンス統合を許可する」を「無効」に設定することで、ChatGPT拡張機能の利用をブロックできる。

 もしくは「Allowed External Intelligence Workspace IDs」にて、自社で契約しているChatGPT TeamもしくはEnterpriseで作成した「Workspace ID」を指定することで、自社のChatGPT環境にのみログインを許可する設定を強制できるようになる。

 Apple Intelligenceの登場によって、従業員の業務効率を格段に向上させられる可能性を秘めている反面、プライバシー保護についてケアする項目が増えるデメリットもあるため、手放しには喜べないものの、これを機会にMDMの導入を検討するきっかけにしてみるのも1つの手だ。

iPhone SE(第3世代)との価格差を埋めるメリットが感じられる1台

 iPhone 16eは社用スマホの定番だったiPhone SE(第3世代)に変わるのか、実機を利用しながら情シス目線で評価してきたが、驚異的なバッテリーの駆動時間の長さと、Apple Intelligenceを利用できることを考えると、少なくとも筆者はiPhone SE(第3世代)との価格差3万7,000円のギャップを十分に埋められる機種だと感じた。

 社用スマホにiPhone 16eを採用する際は調達コストだけでなく、自社にとって付加価値に対してコストメリットが得られるかどうかを選定基準に挙げてみるとよそさそうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  8. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  9. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー