5月18日から丸々1週間、台湾に滞在していました。アジアでは最大級となるICT/AI関連の展示会「COPUTEX TAIPEI 2025」を取材するためです。
台湾には世界有数のPCメーカーやODM(※1)メーカーが集中しています。スマートフォンや携帯電話に関連する所では、「Zenfone」や「ROG Phone」で知られるASUSTek Computer(ASUS)、現在はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を主力とするHTCは台湾に本社を構えています。GoogleのPixelスマートフォンの開発チームも、元々はHTCにおいてGoogle向け端末を開発していたチームで(参考記事)、現在も拠点は台湾です(参考リンク)。もっというと、「AQUOS」ブランドのTVやスマホを手掛けるシャープも、現在の筆頭株主は台湾最大のODMメーカーであるFoxconn(鴻海精密工業)です。
(※1)Original Design Manufacturing:他社製品の設計/開発/生産を請け負うこと
そんなこともあり、COPUTEX TAIPEIには世界中から多くの報道関係者が訪れます。私もそんな「報道関係者」の1人で、PCやスマホを駆使して取材活動を行いました。そんな中、会場の片隅で日本でもおなじみの”スマホ充電サービス”のスタンドを発見しました。
COMPUTEX TAIPEIは、主催者の「TAITRA(台湾貿易センター)」が保有する「台北南港展示センター」(通称:TaiNEX)のホール1(左:TaiNEX 1)とホール2(TaiNEX 2)をほぼ“貸し切って”行われます。2025年の通算来場者数は8万6521人(152カ国)だったそうですCOMPUTEX TAIPEIのメイン会場である「台北南港展示センター」(通称:TaiNEX)は大きく2つのホールに分かれており、台北捷運(Metro Taipei:台湾地下鉄)の南港展覧館駅の通路を介して地下連絡しています。
2つのホールには複数の飲食店やコンビニエンスストアが入居しており、ホール2(TaiNEX 2)の場合は地下1階にあります。その一角に、「ChargeSPOT(チャージスポット)」のバッテリースタンドを見つけました。
ChargeSPOTはスマホの充電に使えるモバイルバッテリーの時間貸しサービスで、前身となるサービスは2017年に香港で始まりました。同年、日本のINFORICH(インフォリッチ)が前身サービスの運営企業を買収し、2018年に日本でのサービスを開始すると同時に、サービス名を現在のChargeSPOTに改めました。
現在、ChargeSPOTは香港や日本を含む10の国/地域でサービスを展開しています(一部、部分展開や名称が異なる場合があります)。
台湾も展開先の1つで、主要都市の捷運(地下鉄)駅の他、ファミリーマートや複数のスーパーマーケット、ショッピングモールにも設置されています。
貸し出されるモバイルバッテリーの仕様は日本と同じで、充電端子は「USB Micro-B」「USB Type-C」「Lightning」の各端子で利用可能です。貸し出し料金は時間によって以下の通りとなります(TWD:台湾ドル建て)。
物価の差もあるでしょうが、日本よりもおおむね手頃です。
ChargeSPOTの利用方法は、基本的に万国共通で以下の通りです。
ChargeSPOTには専用アプリ(Android版/iOS版)があり、これをダウンロードした上で会員情報と決済方法を登録すればすぐに使い始められます。一方、このサービスは主要なスマホ決済アプリの「ミニアプリ」(アプリ内アプリ)としても利用可能で、改めて会員登録する必要がありません。
普段、私は「d払い」のミニアプリ経由で利用しています。そこで台湾にいるにも関わらずd払いアプリからChargeSPOTのミニアプリを起動して利用してみることにしました。
ミニアプリを起動すると、TaiNEX 2の地下1階を含めて周辺のバッテリースタンドが多数表示されています。「お、これは借りられるか……?」と期待がふくらみます。
しかし、ミニアプリからバッテリースタンドの二次元コードをスキャンしてみると「この決済方法は日本でのみ利用できます」と出て利用できませんでした。ですよねー。
「なら、ChargeSPOTアプリを使うとどうなのか?」というと、結論からいうと使えます。ただし、既に会員登録をしている場合は会員(アカウント)の地域を切り替える必要があります。
既にChargeSPOTアプリの会員登録を済ませたる場合は、以下の手順で会員の地域を変更できます。
支払い方法はエリアごとに対応しているものを登録する必要があります。対応する支払い方法はエリアによって全然違いますが、少なくともVisa/Mastercardブランドのクレジットカードは全エリアで使えます。登録方法は以下の通りです。
なお、国/地域によっては一部の支払い方法で「デポジット(預かり金)式」となります。デポジット式の場合、いったん違約金(未返却手数料)を含む7日間の利用料が差し引かれ、返却時に実際の利用料金との差額が返金されます(支払い方法によっては実際の返金までタイムラグが生じる場合もある)。
支払い方法は国/地域単位で保存されるので、一度登録すれば会員の地域を変えるだけですぐに使えるようになります。
台湾でのクレジットカード払いは主要なブランド(Visa/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/Discover)に対応します。登録するカードは「3Dセキュア」(電子的な本人確認)に対応する必要があるため、注意しましょう。
支払い方法を登録してしまえば、すぐに借りられます。
返却方法も万国共通で、バッテリースタンドの空いているスロットにモバイルバッテリーを差し込むだけでOKです。本当楽です。
これは帰国してから気が付いたのですが、ChargeSPOTの料金体系や支払い方法は、日本を出国する前でも確認/設定が可能です。自分の渡航先にChargeSPOTがあると分かっている場合は、事前に確認と設定を行っておくと、スマホのバッテリーが切れそうになった際に安心かもしれません。
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