英Nothing Technologyは、7月24日に「CMF Phone 2 Pro」を発売した。同機種はオープンマーケット(いわゆるSIMフリー版)で販売される他、4月発売の「Nothing Phone (3a)」に続いて楽天モバイルが採用。IIJmioなどのMVNOもオープンマーケット版を取り扱う。ミッドレンジモデルで価格は4万2800円から。高いコストパフォーマンスとデザイン性を両立させた端末だ。
「CMF」はNothingのサブブランド的な位置付けのシリーズで、Nothing Phoneよりもスペックや価格を抑えつつ、拡張性を持たせたデザインなどで差別化を図っている。日本では、先代モデルの「CMF Phone 1」が販売されていたが、スマホは今回で2機種目となる。ここでは、同機種を投入するNothingや、MNOで独占販売を続ける楽天モバイルの戦略に迫っていきたい。
背面が透明でLEDの光を使って通知などの情報を伝える「Glyphインターフェイス」が特徴のNothing Phoneに対し、CMF Phoneはカスタマイズ性やクラフト感を全面に打ち出した端末。ミッドレンジからハイエンドまでのレンジに収まるNothing Phoneとは異なり、ミドルレンジ以下で価格も抑えめなのがCMF Phoneのシリーズを通した特徴だ。同社は、スマホだけでなく、イヤフォンやスマートウォッチもこの2ブランドを使い分けている。
CMF Phone 2 Proは、“Pro”という名称の通り、CMF Phoneの中ではややスペックが高めの1台。プロセッサにはMediaTekの「Dimensity 7300 Pro 5G」を採用しており、ディスプレイのリフレッシュレートも120Hzに対応する。背面に搭載されたカメラは、メインの広角カメラと望遠カメラが5000万画素。光学2倍ズームも搭載しており、この価格帯では珍しいトリプルカメラモデルになる。
一部の機能は4月に発売されたNothing Phone (3a)と共通性もある。例えば、ディスプレイサイズはどちらも6.77型で、バッテリー容量も5000mAhと同じだ。光学式手ブレ補正の有無といった違いはあるものの、メインカメラの画素数、センサーサイズ、レンズのF値まで2機種のスペックはピッタリ一致している。
また、Nothing Phone (3a)で初めて採用された「Essential Space」も受け継いでいる。これは、スクリーンショットや写真、音声を保存しておくためのスペースで、AIが自動的に情報を整理してくれる機能。スクリーンショットや音声をワンタッチで保存するための専用ボタン「Essential Key」も搭載する。
一方で、プロセッサはQualcomm製ではなく、先に挙げた通りMediaTek製。望遠カメラも、Nothing Phone (3a)は光学3倍だったのに対し、CMF Phone 2 Proでは2倍に抑えられている。デザインの方向性で違いを出しつつ、目立たないところでスペックダウンを図ってよりコストパフォーマンスの高さを強調したのが、CMF Phone 2 Proといえそうだ。
初代モデルのCMF Phone 1ではネジを外して背面カバーを取り換えられたり、背面右下のダイヤル状のパーツを外してストラップやキックスタンドを取り付けられたりするカスタマイズ性を強く打ち出していたが、CMF Phone 2 Proでは、ややその主張が弱くなった。オプションパーツを取り付けられるパーツはそのままだが、背面のネジはあくまで飾りになり、カバーの変更はできない。
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