ドコモが後れを取っている「光、電気、ガス」を一体営業で強化 激化する経済圏競争での勝算を聞く石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2025年11月29日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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収益よりも解約抑止や派生効果に期待、激化する経済圏競争を勝ち抜けるか

 とはいえ、ドコモ光やドコモでんき、ドコモガスはドコモ自身がインフラを敷設しているわけではなく、あくまで販売を担っている形だ。光回線に関してはグループであるNTT東西の回線を販売している形だが、電気やガスについては手数料収入が中心。「今はまだ成長を目指すタイミングなので、お客さま還元にはかなり力を入れている」こともあり、ドコモにとってのもうけは少ない。

ドコモ イエナカサービス部 ドコモガスのビジネスモデル。ドコモが受け取っているのはあくまで手数料となり、そこまで大きな利益を得られるわけではない。NTT東西のネットワークを使うドコモ光や、NTTアノードエナジーの電気を販売するドコモでんきも、建てつけはこれに近い

 それにもかかわらず、ドコモがイエナカサービスに本腰を入れているのは、「明らかに波及効果が高い」からだ。小島氏によると、「dカードも同時に加入いただく方がかなりの数いる」ため、「ここで期待ほどもうけられなかったとしても、他のサービスで相乗効果が作れる」。先に述べたように、ロイヤルカスタマー化して解約を抑制し、1ユーザーからの収入を長期化するメリットもある。

ドコモ イエナカサービス部 ポイント還元率が高いこともあり、イエナカサービスの加入者はdカードの保有率が明らかに上がるという
ドコモ イエナカサービス部 dポイント残高の平均や、利用回数なども多くなり、波及効果が大きいことがうかがえる

 小島氏によると、当面の目標は「まず1000万世帯」。この規模感に達した後、オプションサービスなどの販売も検討していくようだ。小島氏は「モバイルのオプションサービスにはいろいろなものがあるが、意外とイエナカは積極的にやってこなかった。1000万世帯になってきたら、そのお客さまに対し、300円、500円でこんなに便利なことができるのかということをお見せし、ARPU(1ユーザーからの平均収入)を上げていきたい」と語る。

ドコモ イエナカサービス部 当面の目標は、まず1000万世帯だという。2027年度にドコモ光などの契約数を900万に引き上げる計画があるため、目標達成はこの1〜2年後になりそうだ

 一方、最近では、鉄道、航空会社やネットサービス事業者などもインフラサービスや金融サービスに力を入れており、「ここにきて経済圏競争が激化している」。小島氏も「リアルな接点をお持ちの方々は(ドコモにとっての)脅威になるかもしれない」との認識を示す。

 特に鉄道事業者の場合、ユーザーの利用頻度が高く、「沿線に住んでいる人を根こそぎ取っていきますとなると、1つの経済圏が確立する」。独自の経済圏を持つ事業者が、ホワイトレーベルのMVNOを使ってモバイルサービスに参入する事例も出てきた。母数の大きさやユーザー接点の多さという現時点でのリードを生かしながら、いかに派生サービスにつなげていけるかが今後の行方を占う鍵になりそうだ。

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