香港に拠点を置く調査会社Counterpoint Researchは12月16日、2026年の世界スマートフォン出荷台数見通しを下方修正したと発表した。主な要因として、DRAMやNANDフラッシュなどのメモリ不足が続いており、端末の部材コストが想定以上に上昇している点を挙げている。
同社によると、メモリ市場ではAIサーバ向け需要の拡大が優先され、スマートフォン向けの供給が逼迫している状況だ。これにより、メモリの価格は2025年から2026年にかけて高止まりする見通しで、スマートフォンメーカーのコスト構造に大きな影響を与えると予測している。
こうしたコスト上昇を背景に、Counterpointは2026年の世界スマートフォン出荷台数が前年比で2.1%減少すると予測した。従来は緩やかな回復を見込んでいたが、部材価格の上昇分を販売価格に十分転嫁できないケースが増えると判断し、数量ベースの見通しを引き下げた。
特に影響が大きいのは、価格競争が激しいミッドレンジやエントリーモデルだとしている。これらの製品では、メモリ価格の上昇が利益率を直撃し、製品構成の見直しや仕様抑制につながる可能性がある。一方、ハイエンドモデルでは価格転嫁が比較的可能なものの、市場全体を押し上げるほどの数量増には結び付かないという。
Counterpointは、2026年のスマートフォン市場は需要回復の兆しがあるものの、供給制約とコスト上昇が成長の足かせになると分析している。メーカー各社には、調達戦略や製品ポートフォリオの最適化を通じて、厳しい市場環境に対応することが求められるとしている。
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